10月の間、1ヶ月に渡ってお届けするTV Bros.WEBの「マンガ大特集」。本日は『ワールドトリガー』シリーズでヒュースを演じる人気声優・島﨑信長のインタビューを公開!
『週刊少年ジャンプ』(集英社)で2013年から連載がスタート、2018年から『ジャンプスクエア』に移籍し、現在連載中の大人気マンガ『ワールドトリガー』。アニメシリーズ3期として『ワールドトリガー3rdシーズン』(テレビ朝日系)が毎週日曜午前1時30分から放送中だ。島﨑信長が演じるヒュースは近界最大の軍事国家・アフトクラトルの精鋭として第二次大規模侵攻で三門市に現れたかつての強敵。3rdシーズンでは、近界への遠征に参加するべくランク戦に励む主人公・三雲修率いる玉狛第2が新たにヒュースをメンバーに加え新生・玉狛第2として始動する。
今作の見どころや3rdシーズンのキーマン・ヒュースを演じる上で意識したことをインタビュー。また今年で10年になる東日本大震災について、宮城県で育ち、様々なプロジェクトを通じて復興への支援活動を続ける島崎にその想いを語ってもらった。
取材・文/編集部
「ヒュースは、他人への評価がすごく
分かりやすいキャラクターなんです(笑)」
──2ndシーズンの最後に、島﨑さん演じるヒュースがボーダーに正式入隊して、3rdシーズンでは修や遊真、千佳とともに同じチームとしてランク戦に参加しますね。3rdシーズンがスタートした今のお気持ちはいかがですか?
島﨑:2ndシーズンの時点で、ヒュースが活躍していく話ではあったんですけど、3rdシーズンになるとランク戦でヒュースが思いっきり活躍するので僕としても「やっと来たな!」という気持ちです。1stシーズンから2ndシーズンまでは期間が空いていて、当時は3rdシーズンまで放送があると約束されていなかったので率直に嬉しいです。1stシーズンでは、アフトクラトルという敵側として演じていたんですけど、そこから今回、味方側として参加するのは演じる上でも新鮮な経験ですね。
──2ndシーズンではどんなことが印象的でしたか?
島﨑:修がどんどん成長していくのが印象的でしたね。ヒュースも、修のことはそれまで侮っていたと思うんですけど、修がヒュースを隊員にするためにボーダー本部へ直談判したときの交渉術やワイヤーを使った戦術などの成長を目の当たりにして、認め始めていると思います。
──島﨑さんが感じる『ワールドトリガー』の魅力を教えてください。
島﨑:いろんな魅力があるんですけど、決定的に他の作品と毛色が違うのが「トリオン体」の存在ですね。トリオン体による痛みがない戦いだからこそ、自分を捨て駒にすることができるので戦術も多彩ですし、ゲームが一般的に浸透した現代に合った作品だと思います。痛みを伴わない戦闘になることは、アニメの演出にも影響していて、例えば、一般的に他の作品での戦闘シーンでは、息切れしたり走ったり、疲労を表現するために、肉体の状態を意識して芝居にのせます。でも、この作品に関しては痛みがない戦闘だから基本的にそこは意識しない。逆に言えば、肉体の疲労がないからこそ、戦闘中のメンタル的な疲労を声の芝居に乗せることで物語に緊張感を生みだすことができる。それは演じていても、すごくおもしろいことですね。
──ヒュースを演じる上で、意識していることはありますか?
島﨑:ヒュースは、他人への評価がすごく分かりやすいキャラクターなんです(笑)。例えば、ヒュースは捕虜として玉狛支部に置かれていた時に自分を気にかけてくれた陽太郎のことは認めているし敬意を持って接しているけど、迅に対しては露骨に気に食わない、だけど実力的に認めているのが態度に出ている。ヒュースは他人をどう思っているかによって話し方がすごく変わるので、演じていて楽しいですね。
──『ワールドトリガー3rdシーズン』の見どころを教えてください。
島﨑:遂に僕が演じるヒュースが、正式に玉狛第2に加入してランク戦に参加するので、どんな活躍をするのか注目して見てほしいですね。見どころは、やっぱり『ワールドトリガー』と言えば、ランク戦ですよね。玉狛第2のメンバーもそれぞれに成長していますし、3rdシーズンで戦う他のチームもすごく強くて、今までよりも更にハイレベルな頭脳戦が見れると思うので、ぜひ楽しんでいただけたらと思います!
「僕は基本的に前向きでいたい」
──2011年の東日本大震災から今年で10年が経ちました。宮城県で育った島﨑さんは、これまで様々な東日本大震災に関わる復興支援プロジェクトに参加されましたが、10年経った今、改めてそのような活動を続ける上での、お考えを教えてください。
島﨑:これまで、僕のスタンスを話すことはあまりなかったんですけど、僕は基本的に前向きでいたいと思っているんです。震災当時、僕は東京にいましたが、東京でも大きな揺れを感じていたので、震源地に近い実家の安否が心配で。何度も電話をかけても繋がらず、不安な気持ちになって、テレビから流れる映像を観ていると「この世の終わりだ」と思うような、とても暗い気持ちになっていたんです。でも、実家に電話が繋がった時に「何か送れるものはない?」と聞いたら、家族の声がすごく明るかったんです。「食べたいものはない?」と聞いたら「甘い菓子パンが食べたい!」みたいな(笑)。東京にいる僕が、被災した家族に元気をもらったんです。その経験から、僕は暗い気持ちでいるよりは、前向きでいようと思いました。
必ずしも、あの出来事を思い出して暗い気持ちにならなければいけないわけでもないし、心を痛めなければいけないわけではなくて。僕が東日本大震災に関わる支援活動を続けているのも、あの経験を通じて、これからよりよく生きていくため、前向きになれるようになってほしいという想いがあります。他の人がこうすべきだ、こうすべきではないと思うことは、何もありません。みんなそれぞれに想いがあると思います。
僕のように発信をするのも想いがあるから、発信をしないのも想いがあって、発信の仕方に疑問を持つことも想いがあるからであって、どんな活動をするのか、どう思うのか、個人の自由だと思います。僕は、話題になることでみんなが震災について考えることは悪いことではないと思っていて、それぞれ考え方や想いが違っていても、みんながこのことについて考えることが重要だと思っています。
【プロフィール】
島崎信長(しまざき・のぶなが)
●1988年12月6日生まれ。宮城県出身。2009年に声優デビューを果たして以来、第一線で活躍中。
【番組情報】
『ワールドトリガー3rdシーズン』
テレビ朝日系
毎週日曜 午前1:30 〜 2:00
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