夏だ、浴衣だ、鎌倉だ〜!【2022年7月上坂すみれ連載「すみぺ♡は〜どこあ」vol.12】

上坂すみれが愛してやまないものをハードコアに語る連載「すみぺ♡は〜どこあ」。 これまでに披露したテーマは デヴィッド・ボウイ秋葉原ハロー!プロジェクトプロレス運動サンリオ、ヴェイパーウェイヴ。そしてウサギに、クラゲ。そしてプレステ、横浜。

今回は、上坂さんが慣れ親しんだ街・鎌倉がテーマ。そして鎌倉といえば大仏、大仏といえば古代日本、古代日本といえば日本の伝統、的な発想で夏なので浴衣で登場していただきました♡

取材&文/南波一海 撮影/tAiki ヘア&メイク/北川恵(クララシステム)スタイリング/佐野夏水 着付け/藤田真由美(キモノマイハウス) 衣装協力/豆千代モダン

 

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――今月のテーマは前回の「横浜」の流れから「鎌倉」です! 今回の衣装は夏なので、浴衣ということで。毎年なにかしらで浴衣を着る機会があるんですよね。

今年も無事、浴衣ノルマを達成することができました。

――前回の終盤に大仏の話が少し出てきましたので、そのあたりからでしょうか。

大仏は、すっぴんで盛れてないなと思いながら当時はあまりありがたみを感じることができず、素通りしていましたね(笑)。そもそも、大仏の定義ってあるのでしょうか? (スマホで調べながら)一般的には立像で1丈6尺、4.85メートル以上の仏像。釈迦の身長がそのくらいだったからみたいです。釈迦って大きいのですね。5メートル近くあったとは……。座りの大仏は2.4メートル以上。大仏のレギュレーションは結構細かかった。

――厳格な決まりがあるんですね。

でも、それ以下でもグレーゾーンな大仏は結構あるみたいですよ。千葉県にある鎌ヶ谷大仏は1.8メートルしかないけど大仏と名乗っているらしい。おもしろいですね。

――その点、鎌倉大仏は間違いなく大仏ですよね。

そうですね。私、じつはそこまで横浜市に詳しいわけでも鎌倉に詳しいわけでもないんですよ。少し前に横浜観光に行って、懐かしいな、この神奈中(神奈川中央交通)バスで通学してたな、と思って撮った写真が全然神奈中バスじゃなかったんです! これが思い出の京浜東北線だと思ったら、もしや違うかもとなったり、パシフィコ横浜の側の歩道橋を懐かしいと思ったら、通ったこともない歩道橋だったり。自分の記憶に裏が取れてなさすぎて。適当なんですよね。

――裏が取れていない記憶(笑)。たしかに時間が経つと曖昧になっていきますよね。

なんかこのお寺、前に来たことあると思っても、多分ない(笑)。建長寺に行ったのはたしかですけど、ほかのお寺はおぼろげだったりしますし。その点、大仏というのは鎌倉、奈良、牛久とかそのほかにも色々ありますけど、間違いなく記憶に残るもので。鎌倉の大仏もそうですし、そこに至る長い参道ですとか、小町通りとかもキャッチーですよね。ただ、何の気なしに行っていたので、名所だったっぽいというのはあとになって知りました。だから好きというより、自分にとっては懐かしいなぁという場所です。古びたバス停があったり、日が沈むと本当になにも見えない道があったり。横浜とはまた違う思い出があります。

――個人的には、ある程度大人になってくると鎌倉のよさとかありがたみがわかってくるけれど、小学校の遠足で行ったりするとかなり渋い印象があって。上坂さんが小中高と鎌倉に通っていた頃はどうでしたか?

もちろん幼少期の私には残念ながらありがたくなかったです(笑)。小さい頃はミキハウスとかメゾピアノのお洋服が好きだったものですから、どうしても地味に見えますよね。コンビニとかもほかと違って色をつけないじゃないですか。「色塗って!」って気持ちでした。

――鎌倉に限らず、一部のコンビニなどは景観を損なわないような色にしているんですよね。

ちびっ子心には「茶色い! 食欲湧かない!」という(笑)。鎌倉名物の鳩サブレーは好きなんですけど、たまにはイチゴ味とか出ないかなと思ってました。鳩サブレーは、かわいらしい見た目に反してあれはストイックサブレーですよ。一枚でお腹いっぱいになるのもすごいです。

――ストイックサブレー(笑)。たしかに質実剛健ですね。

鎌倉はストイックな勝負をしているものが多いんですよ。子供の頃は歴史のありがたみもわからなかったので、なんか全体的に茶色い街だなぁ……と。授業でお寺にも行ったりもするんですよね。そこで坐禅したり。

――おお、鎌倉ならではじゃないですか。

いや、授業で強制的にやらされる座禅ほどつらいものはないですよ! 学校という憂鬱なフィルターがあり、更に鎌倉の色味が合わさって、ドゥーム感がかなりすごいんです。本当にドゥームな街、ドゥームタウンですよ。授業で鎌倉彫を見させられてもテンションは上がりませんし。

――ひどい言われよう(笑)。でも小さい頃だとそうなるのもわかります。放課後に遊びに行ったりはしてたんですか?

それがまったくなくて。恐ろしい思い出があるんですよ。制服が10代にはなかなかつらいデザインで、まずモスグリーンという色が目立つのと、ダブルのジャケットで、スカートは膝のお皿の真ん中と決まっているような学校だったんですね。ある日、出席したら、朝の会で「昨日、我が校の生徒2名がマクドナルドで発見されたそうです。その者には厳重に注意をしました」って言われるんですよ。

――圧政のような。

恐怖政治が敷かれていて(笑)、私はそれに完全に従っていました。放課後にマクドナルドに行くなど恐ろしい、って思ってましたね。喉が痛い日があって、のど飴を持っていったんですよ。そうしたら、先生に「なんだこれは!」ってカバンをバーンとひっくり返されて。「お前らも見とけ! こうなるんだぞ!」って、のど飴を見せしめにされました(笑)。

――わけのわからない厳しさですね。

いま思うとやばいんですけど、私は喉が痛いばかりにのど飴という菓子を持ち歩いてしまった、なんて罪深い生徒であろうって本気で思ったんですよ。その頃は学校が絶対なので。きっといい思い出もあったはずなんですけど、思い出すのは楳図かずお作品のような日々です。「放課後に出かける=悪」みたいな刷り込みがありました。

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