漫才師 和牛の今はここにある!漫才への”愛”と”笑い”にあふれた トーク炸裂「情熱大陸×和牛」DVD発売記念オンラインイベントレポート

漫才師・和牛がDVD『和牛×情熱大陸』の発売を記念して、9月9日、オンライントークイベントを開催。番組の演出と二人への密着を担当したディレクター・山内健太郎氏を含む3人で、撮影秘話や思い出を振り返った。

MBS 山内健太郎氏(左)と和牛

取材&文/井上佳子 撮影/笹森健一

番組の放送は今年3月14日。多忙な毎日を送るようになってからも、慢心することなく自らの芸に向き合い続けるストイックな姿勢は、かねてより芸人仲間やお笑い好きの間では知られていたが、「和牛/漫才師」という一種の「職業人の紹介」というスタイルで放送された二人のひたむきさは、お笑いマニア以外からも大きな反響を集めた。

漫才師という“生き物”の“生き様”を見てもらいたかった

例えば、移動手段も食事をするのも常に別々。どちらかが関西のホテルに籠れば、もう一人は東京へ向かう。どちらかが近所のうどん屋に足を運べば、どちらかは楽屋で出前を取る…。お笑い好きからすれば当たり前に感じられる風景を切り取った映像も、そうでない人から見れば新鮮で、水田自身、地元の知り合いからは「別々に食べるの?」と驚かれ、そのリアクションにむしろ驚いたと語った。同様に山内Dも「和牛のネタが面白いことは誰でも知っている。だけど、漫才師という“生き物”の“生き様”を見てもらいたかったし、そのためにも和牛をより深く知ってもらえる作りにしようと意識」して、あえて芸人のありきたりな日常も映し出したという。

和牛・水田信二

イベントは終始、川西の仕切りによって進行。川西によれば、山内Dと和牛の付き合いは長く、山内Dは若手時代の二人のレギュラー番組を担当していたそう。『情熱大陸』内では番組の体裁上、撮影者と被写体との間に余計な親密さを挟んで誤解を招かぬよう、一定の距離感を感じさせる作りをしていたが、イベント中は和気藹々と三人のトークは弾んだ。

和牛・川西賢志郎

MBSディレクター・山内健太郎氏

ネタ作りの風景は予想外のものだった

出演については番組の性質上「引き受けたら下半身全部見せるくらい、恥部を曝け出す覚悟をした」と語る川西。芸人がこれまであまり取り上げられてきていないのは、「お笑い芸人は裏側を見せてはいけない」という先輩たちから脈々と続く暗黙の不文律のようなものがあったためだと言い、「でもそのことにも今の視聴者は気付いている。だったらあえて自分たちはそこも見せてしまった状態でお客さんを笑わせることが出来るかという勝負をしようと思った」(川西)と、和牛ならではのチャレンジ精神もあったよう。

とくに、ネタ作り風景を見せることは、最大の「恥部」だったという川西の発言に、山内Dも相当な念を入れて撮影に及んだことを告白。カメラマンが動けば、撮られる側はどうしてもその存在を意識してしまうため、6台の固定カメラを置き、部屋には和牛の二人しかいないスタッフ無人状態にしたという。その結果、「ボケの応酬などをしながらネタを作るのかと思ったら、いかにウソっぽさの無い掛け合いにするかなど静かに話し合う想定外のシーンが収められた」(山内)とのこと。

漫才の”間”へのいくつもの視点

貴重さという点では、出番を終えて舞台袖に戻ってきた二人が、直前の漫才の「間」について喧々諤々しながら反省しあうシーンも。「密着していたからこそ、芸人さんがリアルに話し合うシーンに居合わせることが出来たとも思って、VTRをそれぞれに見せながら、ダメだった理由を説明してもらったけれど、今の『間』のどこに問題があったの? というくらい微妙な差だった」(山内)にもかかわらず、二人にとっては「芸人として本当に基本的過ぎる間」の問題だったようで、「むしろ、『え? こんなしょうもないミスを取り上げるんでいいんですか?』と思った」と水田。芸人にとってデリケートな話題である「間」について「ジョイント」という言葉を用いて表現していた川西は、放送から30分もしないうちに、他の芸人から「ジョイントって言ってんの?」とツッコミを入れられたと苦笑いし、「開き直って、今後もジョイントって言い続けます」と宣言した。

漫才に必要なことを、しっかりやると宣言する川西さん

また水田は、番組内で川西が元同級生の営む店を訪ね、その家の子どもを抱っこしたシーンを回想し、「水田にも子ども抱くシーンが必要だった」と告白。今抱っこすればいいじゃないかと返す川西に「全国放送で流れる『情熱大陸』で水田にも抱かせて欲しかった!」としきりに繰り返し、好感度を上げたかった思いを強調。さらには「川西だけ可愛い子ども時代の写真が出てきた」と嫉妬する場面も。

元同級生のお子さんを抱く川西さん

「情熱大陸」に必要なシーンを告白する水田さん

だが川西は川西で、「『情熱大陸』というタイトルを聞くと、誰もが『情熱大陸』してしまう部分がある。自分だけでなくスタッフも、自然体で振る舞っているつもりで、どうしても意識してしまう」ことがあったと振り返った。

めったに振られない萩原流行さんのモノマネをする川西さんのパネル(左)と和牛

DVDは、未公開映像を再編集した51分の拡大版。他に、新ネタ作成の密着ドキュメントなど特典映像も収録。「あのときの二人はどんな顔をしていたのか、何回も見直せる内容になっている」と太鼓判を押す山内Dに、「この先も良い漫才を続けていかなければいけないと頑張れるものになった」と水田も応答。「現時点での和牛が詰まっている」と、本作への熱い思いを川西も綴った。

MBS山内ディレクター(左)と和牛

<プロフィール> 和牛(わぎゅう) ●水田信二と川西賢志郎のコンビによる漫才師。2006年結成。     『ヒルナンデス』(日本テレビ系列)、『和牛のA4ランクを召し上がれ!』(南海放送)、『和牛のモーモーラジオ』(文化放送)などにレギュラー出演中。

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