8月1日からNHK総合にて4夜連続放送のコメディードラマ『事件は、その周りで起きている』は、NHKのコント番組『LIFE!』の制作チームが手がける異色の刑事ドラマ。『LIFE!』で数々の人気コントを生み出した脚本家・倉持裕が手がける1話15分のドラマで、小芝風花、笠松将、中野周平(蛙亭) 、倉科カナ、北村有起哉がキャストに名を連ねる注目作だ。
TV Bros.WEBでは昨年の『LIFE!夏』大特集に続いて、初回放送日まで今作のキャスト陣5名へのソロインタビューを5日連続で公開! 2日目に登場するのは笠松将さん。
昨年末に放送された『岸辺露伴は動かない』(NHK総合)では原作でも人気のエピソード「ザ・ラン」で筋トレに憑りつかれた男を怪演し、話題に。若手俳優の中で今最も注目を集める彼が今作で学んだこととは? インタビューの後半は、小芝風花さんとのクロストークをお楽しみください!(インタビューの最後には直筆サイン入りポラの抽選プレゼント企画も実施中。詳しくは【プレゼント情報】欄をご覧ください。)
取材・文/編集部
撮影/倉持アユミ
【『事件は、その周りで起きている』
5日連続キャストインタビュー】
1日目 小芝風花
2日目 笠松将
3日目 北村有起哉
4日目 倉科カナ
5日目 蛙亭・中野周平
【Profile】
笠松 将(かさまつ・しょう)
●1992年11月4日生まれ、愛知県出身。2020年『花と雨』で長編映画初主演。近年の主な出演作品にNHK大河ドラマ「青天を衝け」、主演映画「リング・ワンダリング」、WOWOW×ハリウッド共同制作「TOKYO VICE」などがある。
「ふざけて撮ってそうだけど
実際はすごく真面目にやっています(笑)」
━━今作で笠松さんが演じる宇田川は合理的で効率重視、人に頼み事をすることにためらいがない刑事で、バディを組む真野(演:小芝風花)と、いつも言い争いをしています。宇田川の印象はいかがですか?
笠松 将(以下、笠松):僕もロジカルで合理的な人間なので、僕にすごく近い役だなと思いましたね。共感できますし、個人的にはこの作品のキャラクターの中では宇田川が一番まともだと思っていて。
宇田川は、その「合理的で効率重視」といった特徴を誇張したキャラクターなんですけど、僕の日常生活からボリュームを1・2個上げてるぐらいで、普段の自分と差異なく演じられていると思います。
━━今作は『LIFE!』の制作チームが手がけるコメディドラマですが、オファーを受けたときのお気持ちはいかがですか?
笠松:僕はこれまで見てくれた方がクスッと笑えるような作品に出演させていただくことが少なかったので、すごく嬉しかったです。僕はずっとお笑いが好きなんですけど、人を笑わせることが一番難しいと思っていて。今作のように「コメディ」と銘打って笑わせようとすることって、ホームラン予告をしてホームランを打つようなもんで、すごく難しいことだと思うんです。演じていても色んなことを問われるから、学ぶこともたくさんあります。
それに最近、色んな仕事に慣れているような感じがしていて。今作のように初めてのことが多い現場に参加させていただくことは、初心に帰れますし、色んなことをリセットするような気持ちでやらせてもらっています。だから今作にはすごく前向きかつ真面目に取り組んでいますし、僕にとってすごく大切な作品です。
━━お笑いが好きになったきっかけは何でしょうか?
笠松:僕が子どもの頃、学校ではみんながテレビの話題について話しているのが当たり前だったので、きっかけはテレビのバラエティ番組だと思います。やっぱりこの仕事をしていて一番嬉しいのは、お笑い芸人さんと会えることなんですよね(笑)。
もちろん映画やドラマでご一緒させていただく俳優のみなさんや監督、プロデューサーの方とは仕事をする上で「この方と一緒にやってみたい」とか「この方が受けてくださるんだ」という嬉しさもあるんですけど、それは会えて嬉しいということとはまた別なんですよね。やっぱりスポーツ選手やお笑い芸人の方と会えるのはめちゃくちゃ嬉しいです(笑)。
━━今までお会いできて嬉しかった芸人さんはどなたでしょうか?
笠松:いや〜、たくさんいます! お話したこともないけど、廊下ですれ違っただけでテンションが上がるくらいですから。「あ、粗品(霜降り明星)さん!やばいやばいやばい!!」みたいな感じです(笑)。今、特にハマっているのはタイムマシーン3号さんですね。
僕はコンビ同士の掛け合いとか、芸人さんのテクニカルな部分はもちろん好きなんですけど、特にコンビ同士が仲良いことが一番面白いと感じるんですよ。お笑い芸人さんは、それぞれにテクニックを持っていると思うんですけど、コンビの関係性は作ろうと思っても作れないし嘘つけないところだと思うから、それこそが魅力に感じます。
━━今作は掛け合いが見どころの会話劇なので、共演者の皆さんとお芝居のテンションを合わせるのはすごく難しいと思うのですが、どのようにしてお芝居を合わせましたか?
笠松:僕は台本を読んでむしろもっと会話劇に落とした方がいいなと思っていたんですけど、監督は「もうちょっとテンションを2〜3段階上げてもいい」ということだったので、そのテンションを維持しています。そうやって自分が「これが面白いんじゃないかな?」と思っていたことを、監督が調整してくださるのもコメディならではなので、すごく楽しいですね。
でも撮影中はどう面白く映っているか、正直分からなくて。本番までに何度もリハーサルをやるんですけど、同じシーンをずっと重ねていくと何が面白いのか分からなくなるから、監督とずっと喋っていて。撮っていて楽しいですけど難しさも感じています。だからこそ僕が今やるべき作品だと感じていて。コメディって、ふざけて撮ってそうに思われると思うんですけど、実際はすごく真面目にやっています。
笠松将×小芝風花のクロストーク!
テーマ:口喧嘩する?しない?
━━真野と宇田川は、ずっと口喧嘩をしていますね。お二人は普段から口喧嘩はしますか?
笠松:そんな口喧嘩なんて…。僕にやらせたら一番強いですよ。
小芝:うん。勝てる気がしないです(笑)。
笠松:でも僕は口喧嘩はしたくなくて! 今回の作品でもいろいろ学ばせてもらっています。
━━今作からどんなことを学びましたか?
笠松:この作品は「会話の噛み合わないおもしろさ」を一つの作品にしているんですけど、台本を読んでいても「日常生活で揉める原因もこういうことなんだよね」って思いました。ほんとにちょっとした歯車のズレというか、些細なことから生まれるんですよね。
だから今作を参考にして「揉めない・熱くならない・相手の意見を受け入れる・相手をリスペクトする・相手に強制しない」。こういうことを念頭に置いて人と接することがやっぱり大事だなって思いましたね。
━━小芝さんは口喧嘩はしますか?
小芝:私は家族以外の人と喧嘩をしたことがほとんどなくて。話していて「やばい!」と思ったらスンって感じで黙っちゃうんです。ケンカできるほど仲がいい友達は少ないし、仲良い友達も平和主義です。でも母には「“でも・だって”が多すぎる!」ってよく怒られています(笑)。
━━真野も宇田川も、それぞれのミスの責任や原因を押し付けあって喧嘩しますよね。相手の振る舞いや言動で気になったことを指摘しますか?
小芝:私は気になったことも割と飲み込んじゃいますね。でも冗談っぽく笑いながら「でもあれ?あの時、なんか言ってませんでしたっけ?」って言うことはあるかも(笑)。
笠松:一番イジワルなやつだ(笑)。
小芝:ジャブは打っちゃうかもしれない(笑)。それでダメそうだったら引きますね。
笠松:僕は基本的に言う人間なんです。ただ僕と相手との関係性によっては言わないですね。それこそ例えば今こうやってお話してて僕が小芝さんに何か気になっても言わないじゃないですか。僕は信頼関係ができあがっていて、自分が大好きな人であればあるほど、期待していればしてるほど言っちゃうから━━。
小芝:あっ、私は期待されてないってことなんですね…。
笠松:あっ、違う違う違う!
小芝:あれ〜(笑)?
笠松:期待はあるんですけど、まだ僕が介入していい関係性じゃないっていうか!
小芝:あはは(笑)。
笠松:でも僕はそういうことを言いたいと思うし、実際に言えちゃうタイプだから「言わない」というのはコミュニケーションにおける次のステップだと感じます。
━━お芝居の中で口喧嘩をすることで発見したことはありますか?
小芝:普段、口喧嘩をしないから楽しいです。演じていて「口喧嘩って、こうやって引っ込みがつかなくなるんだな〜」と思ったり。
笠松:日常生活でも影響があるんですよね。例えば、僕が気心知れた人と喋っているとして。話が進んでいくと意見の食い違いが生まれる時ってあるじゃないですか。そういう時に僕が「それさ、何とか何とかで何とか…。」みたいな感じで論理的に説明している瞬間に「いや、待てよ? これ、宇田川やん」って気づいて、すごく恥ずかしくなるんです。
小芝:あはは(笑)!
笠松:その気づいた瞬間はめちゃくちゃ醒めて、話すのをやめちゃうんです(笑)。
【番組情報】
コメディードラマ
『事件は、その周りで起きている』
NHK総合
8月1日から4夜連続放送
午後10:45~11:00
【出演】
小芝風花 笠松将 中野周平(蛙亭) 倉科カナ 北村有起哉
【脚本】倉持裕
【制作統括】小室玲子
【演出】西川毅 ※『LIFE!』総合演出
【プレゼント情報】
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