北村有起哉「夏は素麺にシーチキンを入れるのが定番。ぜひやってみてください」『事件は、その周りで起きている』インタビュー

2022年8月1日からNHK総合にて4夜連続放送のコメディードラマ『事件は、その周りで起きている』。放送カウントダウン企画、3日目に登場するのは、部下にも言いくるめられる警部・谷崎誠を演じる北村有起哉

                                    

数々のドラマ・映画に出演する中で、今作の良さを「視聴者に寄り添ってない部分」だと話す、その真意とは?(インタビューの最後には直筆サイン入りポラの抽選プレゼント企画も実施中。詳しくは【プレゼント情報】欄をご覧ください。)

取材・文/編集部
撮影/梁瀬玉実

夜ドラ『事件は、その周りで起きている』5日連続キャストインタビュー

1日目 小芝風花
2日目 笠松将
3日目 北村有起哉
4日目 倉科カナ
5日目 蛙亭・中野周平

【Profile】
北村 有起哉(きたむら ゆきや)
●1974年4月29日生まれ、東京都出身。おうし座。O型。主な出演作に連続テレビ小説「わろてんか」、「エール」、「半径5メートル」(ともにNHK)、「アンナチュラル」(TBS系)、「ムショぼけ」(ABCテレビほか)「先生のおとりよせ」(テレビ東京ほか)など。ミュージカル「夜の女たち」が9月3日から上演予定。 

                  

分かりやすい演出で見せることって
逆に視聴者を舐めているんじゃないかなって思うんです


━━今作は『LIFE!』制作チームが手がける刑事ドラマですが、撮影してみていかがでしょうか?

北村:この作品はあまり刑事ドラマだと思わないほうがいいのかなって思っていて(笑)。撮影現場には警察指導の方もお越しいただいているんですけどね。

━━小芝さんも「お越しいただいているのに申し訳ない」とおっしゃっていました(笑)

北村:少しぐらい相談したほうがいいのかな(笑)?

━━今作で北村さんが演じる谷崎警部は、部下の真野(演:小芝風花)や宇田川(演:笠松将)にも言い負かされちゃうような情けない役です。北村さんはこれまで多くの作品に出演されている中でも『駐在刑事』シリーズなど、威厳のある役の印象が強いので、ご自身にとっても珍しい役なのではないでしょうか?

北村:そうですね。谷崎は、いわゆる中間管理職的な役割を担っているキャラクターです。でも警察組織にもこういう方っているのかもしれないですよね。

僕らは刑事ドラマを観ているから両手をポケットに入れたりブラインドから外を覗き込むようなかっこいい刑事のイメージが出来上がっているけど、それも我々の勝手なイメージなだけであって、実際は警察にもきっといろんな方々がいるんだと思います。

━━確かに。ある意味では、一番リアリティのある役かもしれません。

うん。…でも、やっぱり警部でこんな頼りない人いないんじゃないかな(笑)。統率力や責任感も必要な役職だから、よくこんなところまで昇進できたなと思いますね。

━━視聴者はこれまでの作品の北村さんを見ているので弱々しいと感じる人はあまりいないと思うのですが、この役を演じるにあたり谷崎の「情けなさ」をどのように意識されましたか?

北村:それは結果的に情けなく見えるんだと思います。谷崎は若い部下にただただ言いくるめられているわけではなく部下を理解しようとしている中で話を聞いていて、それが傍から見ると丸め込まれているように見えているんだと思うんですよね。

━━なるほど。谷崎警部は、部下に言い負かされちゃうような情けない役だと思っていたのかもしれませんが、実は話を聞こうとしている良い上司なのかもしれません。

北村:そうだね。谷崎のこの姿は、それなりに部下と繋がっていきたいという気持ちや信頼関係を築いていきたいという想いがあってこそだと思います。

もちろん最初から話を聞こうとしないのは簡単だけど谷崎は部下の話をしっかり聞こうとする気持ちがあって、それが上手くいかないから悩んだりしているんじゃないかな。そうやって「なんとかしないといけない」と思い悩んでいるその姿が、どこか哀れに見えて、その哀れな印象が谷崎の情けなさに繋がっているんだと思います。

━━今作の見どころは、どんなところでしょうか?

北村:ご覧いただいた方は「この物語はどこに行くんだ?」と思えるのが見どころだし、その着地点も見どころだと思います。きっと最終話までご覧いただいた方はこの物語の幕引きを見て「え、これで終わり?」と思うだろうし、第4話で終わったことに気づかず第5話もあると思っちゃう人もいるんじゃないですかね(笑)。

ある意味では、今作は「視聴者に寄り添ってないドラマ」だと思います。近年、親切すぎるというか分かりやすいドラマはたくさんあるけど、そういう分かりやすいことばかりを見せることって、逆に視聴者を舐めているんじゃないかなって思うんですよね。

━━視聴者の想像力、物語を読み解く力を信頼してないせいか説明的すぎる作品はありますね。

北村:そうそう、視聴者を信頼していれば「心の声のセリフなんかいらないだろう!」って思うこともあるんですよね。 …ちょっと口が悪くなってますかね(笑)?

━━いやいや(笑)。CM明けに盛り上がりがあることを示唆したり、演出でも説明的なのは多いですよね。

北村:そうそう、薄く流れていた音楽が大事なシーンになるとピタッと消えたりね(笑)。制作側の立場として僕らはそうやって作品を厳しい目線でついつい見てしまうのですが、今作は「この作品はなんなんだ?」と思えるような、視聴者を突き放していて、僕はすごく好きなんですよね(笑)。

観ていてそんなに分かりやすいものばかりではなく今作のように「これはドラマなの?コントなの?」と思えるくらい、モヤモヤとした不明瞭さが「いいじゃん!」と僕は思うんです(笑)。そういう意味で、僕はすごくプライドを持って、この作品に懸けていて。その想いはきっとスタッフ・キャストできっとぶれないものがあると思います。

                   

北村有起哉、夏の定番は「素麺にシーチキン」


━━キャストの皆さんに夏に必ずやること・食べるものといった「夏の定番」を答えていただいておりまして。北村さんは「夏の定番」ってありますか?

北村:もう「素麺」は毎年絶対食べますね。うちは素麺にシーチキンを入れるんです。

━━素麺にシーチキンというのは初めて聞きました。

北村:食べたことない方はそういうちょっとした拒否感を示すんですけど、美味しいんですよ(笑)。

僕が高校生の時かな…。土曜日の学校の帰りに何人かで友達の家に行ったとき、素麺を出してくれたことがあって。薬味と一緒にシーチキンがボンと置かれていたんです。友だちの一人が先に素麺といっしょにシーチキンを食べて「え!?」と驚いた声を出したんです。その友達に「やってみて!めっちゃ美味しいから」と言われて、みんなで食べて「うおお!」って(笑)。それ以来、そうやって食べています。その友達もみんな、我が子に伝えていってるんじゃないかな。

━━思い出の味が代々受け継がれていっているんですね。

北村:いや、そんな代々受け継ぐものでもないんだけどね(笑)。ただのツナ缶だから(笑)。

━━それにしても素麺にシーチキンは発想にもなかったので食べたくなってきました

北村:でも僕は十朱幸代さんがテレビCMで入れているのを見て美味しそうだなと思ったのが最初なんですよね。だからみなさん、この組み合わせは結構やってるものだと思ってました。

━━しかしサラッと食べられる素麺に、シーチキンというのは合うイメージが想像できないですね。

北村:だから、まずはノンオイルのシーチキンがいいですよ。ノンオイルでも充分、コッテリします。その高校生の頃って食べ盛りだからお肉が欲しいのもあって、満足感が生まれてよかったんですよね。

素麺に、大葉とネギとシーチキン。ぜひやってみてください。

          


【番組情報】

事件は、その周りで起きている
©NHK

コメディードラマ
『事件は、その周りで起きている』

NHK総合
8月1日から4夜連続放送
午後10:45~11:00

【出演】
小芝風花
笠松将
中野周平(蛙亭)
倉科カナ
北村有起哉
【脚本】倉持裕
【制作統括】小室玲子
【演出】西川毅  ※『LIFE!』総合演出


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