現在、NHKで放送中の土曜ドラマ『17才の帝国』。
今作は『たまこまーけっと』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』など多くのヒットアニメを手がけた脚本家・吉田玲子によるオリジナル作品。キャストには山田杏奈、染谷将太、星野源など豪華出演陣が脇を固める。
実験都市ウーアの「総理」に選ばれた、17才の高校生・真木亜蘭を演じる主演の神尾楓珠にインタビュー。撮影現場のエピソードや共演の星野源の印象について聞いた。
取材・文/編集部
写真提供/NHK
【Profile】
神尾楓珠(かみお・ふうじゅ)
●1999年1月21日生まれ。東京都出身。2015年、24時間テレビドラマスペシャル『母さん、俺は大丈夫』で俳優デビュー。2019年にはTVドラマ『左ききのエレン』で連続テレビドラマ初主演。主な出演作は、ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』、『顔だけ先生』、映画『HiGH&LOW THE WORST』(19)、『転がるビー玉』(20)、『私がモテてどうすんだ』(20)、『ビューティフルドリーマー』(20)、『樹海村』(21)。公開待機作には『恋は光』(22年6月公開)がある。
「手ごたえは…
撮影中は正直全然なくて(笑)」
──神尾さんが演じる真木亜蘭にはどんな印象をお持ちですか?
神尾:僕が演じる真木は自分で社会を変えたい気持ちがある、すごく熱い想いがある高校生です。その一方で、それまで誰かと関わってこなかったから人との関わり方も模索している部分があるのを感じました。
──17才の総理大臣という役ですが、オファーを受けたときの印象はいかがでしたか?
神尾:台本が届く前に企画書を見たんですけど役の説明に「総理大臣」と書いてあって「え!?」と思いました。セリフも知らない言葉もきっと多いと思ったんで「終わった…」と思いましたね(笑)。
──1話を拝見しましたが、かなり面白かったです。既に撮影を終えられているとのことですが、手ごたえはいかがですか?
神尾:手ごたえは…撮影中は正直全然なくて(笑)。AIのソロン(声:緒方恵美)と会話するシーンやスマートグラスに映像が表示されるシーンは、実際の現場では何も出てないから実際はどんな感じになるのか撮影中は分からなくて。僕が演じる真木というキャラクターはなかなか掴むのが難しくて、2話以降でも真木の色んな面が出てくるので、それを一人の人間として表現するのが難しかったです。ただ撮影を終えた時はやりきった感はありましたし、僕も1話を観てめちゃくちゃ面白いなと思いました。
──演じていて特に難しいシーンはどんなところですか?
神尾:正直、最初から最後までずっと苦労していました。1話にもある演説のシーンは特に難しくて。思い切った改革を発表するので独裁者のような強さを見せなければいけないんですけど、根は人前に立つのが苦手なキャラクターなので、強く見えなければいけないけれど弱さが垣間見えなければならない。そのバランスは演じていて毎回難しかったです。
──星野源さんが演じる官房副長官を務めるエリート政治家・平清志は真木たちに親身になって接しますね。撮影中の星野さんはどんな印象でしたか?
神尾:源さんは良い意味で気を遣わせないように接してくれていると感じました。僕らが気張らずに自然体でいられる現場にしてくれたと思いますし、無理に会話しなきゃいけない雰囲気を作る方ではないので、お芝居に集中させていただきました。
──山田杏奈さんが星野さんから「普段はどんな音楽を聴くの?」と聞かれてお話ししたとおっしゃっていましたが神尾さんはどんなお話をされましたか?
神尾:それ、僕も聞かれました(笑)。若い人がどういう曲を聴いているのか知りたい、ということらしくて。
──そうだったんですね。神尾さんは何とお答えされたんですか?
神尾:僕は「『THE YELLOW MONKEY』と『BUMP OF CHIKCEN』、あと『Mrs.GREEN APPLE』の3つをよく聴きます」と答えました。お答えした後に僕も源さんがどういう音楽に影響を受けたのか気になったので「源さんは若い頃はどんな音楽を聴いていたんですか?」と聞くと「『NUMBER GIRL』を聴いていた」とおっしゃっていて。「日本のミュージシャンだと、オタクみたいな風貌の人がかっこいいロックをやっているのが好きだったんだ」とお話しされてました。僕の質問にも細かい部分までお話ししてくれて、すごく丁寧な方なんだなと思いました。
──実際にお薦めされた曲を聴いたりされたんですか?
神尾:そうですね。僕もNUMBER GIRLはもともと聴いていたんですけど、他にも聴いていないアーティストもあったので、そのアーティストのおすすめの曲を教えてもらって、後日またお話しさせていただきました。
──神尾さんは近年、演じる役も広がり、また中には今作のように何を考えているか一見分からないような難役を演じられていますね。出演作も多く、演じるのに難しい役に挑む現状について、ご自身の心境はいかがですか?
神尾:あまりプレッシャーを感じないようにしていますね。やっぱり台本を読んでいる段階で「うわ、このシーンやばいな…」とか「このシーン撮るの怖いな」と感じることは自分の中ではあるんですけど、そこに集中せずにいようと思っていて。そこをあまり重く捉えないでいようと思っています。「このシーンはこの日に撮るんだ」みたいに先のスケジュールを気にせず、目の前のことだけを考えて今はやっていますね。
【番組情報】
土曜ドラマ『17才の帝国』
NHK総合
2022年5月7日スタート
毎週土曜 午後10:00~10:49(全5回)
【作】 吉田玲子
【音楽】 坂東祐大、Tomggg、前久保諒、網守将平
【制作統括】 訓覇圭
【プロデューサー】 佐野亜裕美
【演出】 西村武五郎 桑野智宏
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