日本中を沸かせた”ゲーム音楽”の魅力を伝える4番組を前後編でご紹介 SQUARE ENIX PRESENTS at TGS 2021 Online 音楽番組大特集!前編

 国際的な競技大会の入場曲に使われた事も記憶に新しい”ゲーム音楽”。その魅力をもっと深掘りできる音楽番組をスクウェア・エニックスが、1996年の初開催以来、毎年秋に行なわれている日本最大規模のゲームイベント『東京ゲームショウ』(TGS)で、4番組公開することが決定!ならばということで、テレビブロスでは前後編で”ゲーム音楽”の魅力を様々な角度からご紹介します。前編では、”ゲーム音楽”をライヴで楽しめる2番組から!

取材・文 山口哲生
撮影 笹森健一

SQUARE ENIX MUSIC TGS 2021 スペシャル音楽番組
Youtubeニコニコ生放送Twitchの各チャンネルで配信

■番組スケジュール
・10/1(金)21:00~ Lounge Jam – SQUARE ENIX MUSIC TGS 2021 Special Live –
・10/2(土) 14:15~ 植松伸夫の「山男はモテると聞いて…」
・10/2(土) 22:00~ SQUARE ENIX JAZZ LIVE PAINTING 
・10/3(日)15:30~教育番組「世界のOKABE」

■TOKYO GAME SHOW 2021 ONLINE 「SQUARE ENIX MUSIC」特設サイト
https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/tgs2021/

若手実力派ベーシスト宮地遼率いるバンドが奏でる『ファイナルファンタジー』シリーズ、『KINGDOM HEARTS』、『聖剣伝説 Legend of Mana』などの名曲

 アメリカの『E3』や、ドイツの『Gamescom』と並ぶ、世界三大ゲームショウのひとつでもある『TGS』ですが、昨年に引き続き、今年も『東京ゲームショウ2021 オンライン』(TGS2021 ONLINE)として、9月30日(木)から10月3日(日)の4日間にわたって、オンラインで開催されることになりました。

そのTGSで、スクウェア・エニックスが配信するスペシャル音楽番組の第1弾が、10月1日(金)21時から配信する、名場面を彩った楽曲群を“フュージョン・アコースティック”なアレンジでお届けする『Lounge Jam – SQUARE ENIX MUSIC TGS 2021 Special Live -』。演奏を務めるのは、宮地 遼率いるRyo Miyachi Quintetだ。リーダーの宮地は、ロック、ファンクをはじめとした様々なメジャーアーティストのサポートを務めた後、アメリカへ。2015年にニューヨークの音楽学校・The Collectiveでコンテンポラリージャズを中心に学び、第一線で活躍しているトップミュージシャン達と共演。2017年にリリースした自身初のリーダーアルバム『November』が大きな話題を集めたベーシストだ。

宮地 遼(バンドリーダー、ベース)
石川広行(トランペット)

長時間プレイして辿り着いたステージや、エンディングで流れる曲を、軽々しくは変えたくない。

 国内外から熱い視線を注がれている宮地だが、なんと小さい頃からゲームっ子だったとのこと。それもあって、今回のスペシャル番組であり、そのアレンジに並々ならぬ想いをもって臨んだと、収録後に笑顔で話してくれた。

「20時間、30時間プレイして辿り着いたステージで流れる曲、またはエンディングで流れる曲を、軽々しく違う形に変えられるというのが、僕がリスナーだったら耐えられないなと思ったんです。だから、その曲がどんなシーンで、どういうふうに使われていたのかを、僕なりに最大限配慮したんですが、僕のバンドの雰囲気や、メンバーのミュージシャンシップを否定してしまうような演奏を強要したくもなかったんですよね。ゲーム音楽の魅力を活かしながら、僕たちだからこそできる演奏をする。それを形にすることはなかなか大変ではありましたけれども、楽しくもありました」(宮地遼)

 『Lounge Jam – SQUARE ENIX MUSIC TGS 2021 Special Live -』で演奏されるのは、『ファイナルファンタジー』シリーズ、『KINGDOM HEARTS』、『聖剣伝説 Legend of Mana』、『NieR Gestalt/Replicant』、『OCTOPATH TRAVELER』など、近年の人気作や、今年アニバーサリーを迎えた傑作まで、新旧タイトル織り交ぜた全9曲。新進気鋭の音楽家が溢れんばかりのゲーム愛を注ぎ込んだアレンジであり、洗練されたアンサンブルを、金曜夜のリラックスタイムにぜひお楽しみください。

浅田拓馬(ギター)
井口なつみ(ドラム)
渡辺翔太 (ピアノ)

「この番組を通して、僕を知っていただけることはもちろん嬉しいんですが、僕としては、逆のことが起きてほしいんです。僕の音楽を普段聴いている人や、初めてゲーム音楽を耳にした人が、その魅力に入っていく一歩になれたら本望です。今までゲームには触れてこなかったけど、楽しそうだなと思って触れてくれるような人がいらっしゃったら、意味があることができたのではないかなと思います」(宮地遼)

ゲーム音楽史上初めてBillboard Liveでの単独ライヴを実現したスクエニジャズ

 スクウェア・エニックスが配信するTGS限定スペシャル音楽番組第2弾は“スクエニが贈る本気のJAZZ”として好評を博している『SQUARE ENIX JAZZ』シリーズ(通称:スクエニジャズ)。トロンボーン奏者・中川英二郎と、ベーシスト・川村 竜という世界的に活躍している2人が、ゲーム音楽にジャズアレンジを施した本格的なサウンドは、ゲームファンのみならず、ジャズファンからも高い評価を集め、これまでにアルバムを4枚リリース。2019年にはゲーム音楽史上初めてBillboard Liveでの単独ライヴを開催し、大きな話題を集めた。そんなスクエニジャズのTGS2021スペシャルライヴが、10月2日(土)22時より配信されることになった。

スクエニジャズを全世界のゲームファンに見てもらういい機会になると思い、興奮しました

 バンドメンバーには、中川英二郎、川村竜はもちろん、髭白健(ドラム)、宮本貴奈(ピアノ)、鈴木直人(ギター)、本田雅人(サックス)と、国内外で、ジャズを始め様々なジャンルで活躍している演奏家達が集結。また、このライヴは演奏のみでなく、同シリーズのCDジャケットを手がけているペインターのNOVOLによるライヴペインティングも行なわれる。

川村竜(ベース)

中川英二郎(トロンボーン)

 今回のオンラインライヴについて、「やっと来たか」と笑いながら話すのは川村。「世の中の状況的にもオンラインライヴが最も盛んな今、『SQUARE ENIX JAZZ LIVE』をやらなくてどうするの!?と思っておりましたので」と、開催を喜んでいた。NOVOLも、「何度もライヴを観に行かせていただいたのですが、いつかこの演奏を生で聴きながら描きたいと思っていましたので、お話をいただいたときは本当に嬉しかったです」と、念願が叶ったことを嬉しそうに話す。NOVOLとの共演について「メンバーが1人増えてさらにパワーアップ」と話す中川は、「ジャズの醍醐味はやはり生演奏でお客様と一緒に作っていくこと。それがNOVOLさんの絵で、直感的に画面から音楽が見える。僕にとっては初めての試みですので、楽しみで仕方ありませんでした」とコメント。「スクエニジャズを全世界のゲームファンに見てもらういい機会になると思い、興奮しました」と、オンラインだからこそできる可能性に意欲を燃やしていた。

NOVOL(ペインター)

最後に驚きの展開も

 ライヴで演奏される楽曲は、『ファイナルファンタジー』シリーズ、『クロノ・トリガー』、『NieR Gestalt/Replicant』など様々なゲームタイトルから選曲された全8曲。今年3月に発表された「サガ」シリーズの楽曲のみで構成されたアルバム『SQUARE ENIX JAZZ -SaGa-』の収録曲も披露されることになっている。ときに軽快に、ときにムーディーに、ときにスリリングに繰り広げられる演奏と、リアルタイムに産み出されるダイナミックなペインティングは、まさに圧巻。モニター越しからも、その熱気が伝わってくるものになっている。川村は「今しかできないやり方、楽しみ方があると思います。そんなひとつの形として、今回のコラボライヴを皆さんに楽しんで頂けたら嬉しいですし、こういう試みが今後もどんどん増えていって、皆さんと繋がれるチャンスをもっと作って行きたいと思っています」と、今後の意気込みを話していた。

鈴木直人(ギター)
宮本貴奈(ピアノ)
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