第17回 「自分だけが怖いもの」をたくさん集めて、キラキラした大人になろう!

みなさんには、怖いものがありますか?
今月の新刊は、ちょっと『フォビア』が異常に怖い。

原作/原克玄 作画/ゴトウユキコ『フォビア(1)』(小学館)※ビッグコミックスペリオールで不定期連載中

隙間、匂い、高所、集合体、閉所。
殺人鬼や巨大生物に殺されることだけじゃない、自分の脳で作り出すものは本当に怖いということが分かる「恐怖症」連作ホラー。充分なホラー要素の中に、ゴトウユキコ作画と相性100点の「性と尊厳」要素も混ざるので必読。

劇画狼は小型犬が怖いです。彼らは「背骨のしなりをあまり使わずに、脚の回転力だけで走ってくる」から。俺は工業系の事故のグロ動画を見過ぎて、小さなものが高速回転してるのが、巻き込まれそうで怖い。完全に自業自得!

と、そのまま余談に入るけど、1990~92年くらいに「小学5~6年生」の付録の冊子に載ってた(多分)、『見えないドラキュラ』という話をもう一回読んでみたいと思うので、情報あれば教えてください。
ヨーロッパが舞台で主人公の少女の名はクリシュナ。見えない怪物が緑色の液体を吐きながら襲ってくる作品で、ラストに姿が見えた時の見開きが未だにトラウマ。どんな絵かもはっきり覚えていないけど「当時めちゃくちゃ怖かったこと自体が未だに怖い」ので、何とか見つけて、絶版なら自腹で復刻させてでも、皆さんと共有したいと思っています。

小型犬が怖いといえば、単純にポメラニアンは音の響きがピラニアっぽいから、それもちょっと怖い。あれは「ポ」で始まることでうまく可愛さを混ぜて薄めているけど、基本的には殺人生物の名前。


原作/蔵石ユウ 漫画/イナベカズ 原案/水谷健吾 『食糧人類Re:-Starving Re:velation-(1)』(講談社)※コミックDAYSで連載中

「悪意」でいうと、『食糧人類Re:』が最高のロケットスタート具合なのでこちらも必読。
「よーし! 悪いもの描いて世界をキラキラさせてやるぞー!」という最悪の誠意&全力の善意がストレートに伝わる気持ちいい作品。思春期の若者にオススメしたい「こういうマンガ」は、なんぼあってもいいですからね。


大野将磨『リモデリング(1)』(集英社)※となりのヤングジャンプで連載中。最新2巻が11月19日に発売

『リモデリング』もすごくいい。他作品の名前を挙げて褒めるのはベストではないかもしれない&似てるわけではないんだけど、『銃夢』(作/木城ゆきと)でガリィが(モーターボールではなく)チャンピオン・キヌバがいたコロッセオの方に参戦する世界に連載が進んでたら、的なノリで楽しい。あとなんせ、仲間のアメリアが色々うますぎる。主人公が何度も信じて何度も裏切られるマンガ、なんぼあってもいいですからね。


たべ・こーじ『女任侠伝 修羅(1)』(LINE Digital Frontier)※LINEマンガで連載中

『女任侠伝 修羅』も読みましょう。とにかく気合入った作画で殺陣と決めポースが異常にキマるし、なにより第1話の1コマ目で核爆発が起きて、「はい! 世界観説明完了!」という感じで、あとはかっこいいものを描くだけだ!というのがストレートに伝わってくるところが最高。

暴力と殺戮のマンガ、こんなんなんぼあってもええですね。

げきが・うるふ●マイナーマンガ紹介ブログ・なめくじ長屋奇考録の管理人&特殊出版レーベル・おおかみ書房編集長。10/23(土)~11/14(日)、大阪で「忍者と極道展」やりますよ!悪いグッズいっぱい作りました!https://www.momomogura.com/

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