第14回 劇画狼が選ぶ、「2021年上半期に1巻か短編集が発売されたオススメマンガ」10選

まんがだいすき! 特に暴力と殺戮のまんがが大好き!
ということで2021年も半分が過ぎましたので、今月の記事では「面白いマンガが始まったから読み始めてみよう」という劇画狼オススメの「始まったばかりのマンガ」を10作ほど紹介しますので、ご参考まで(ランキングじゃないので思いついた順に書いていきます)。

ネルノダイスキ『いえめぐり』(KADOKAWA)※一巻完結

次に住みたい家の内見に行くだけのマンガ……というのがなぜこんなに面白いのか不明。不明というか全部「家」なのかどうかが不明。怪生物の腹の中を「家」と言っていいのなら家。カラーの使い方も見事なので大推薦。
暴力と殺戮度 ★★★☆☆


野部優美『ミカヅチ(1)』(少年画報社)※ヤングキングで連載中

この国の政治経済の争いはすべて、国会議事堂内オクタゴンで各省の代表者による殴り合いで決められている! 代表者タイマンジャンルは明日への活性剤! 四角い人がめちゃくちゃ四角く描かれているのも最高です。
暴力と殺戮度 ★★★★☆

いおり真『すまひとらしむ(1)』(白泉社)※ヤングアニマルで連載中

誰に対してもタメ口の力士が相撲協会にケンカを売るマンガは明日への光!  筆致もめちゃくちゃ荒くてワクワクする相撲マンガ。
暴力と殺戮度 ★★★★☆


作/中丸洋介 画/あずま京太郎『テンカイチ 日本最強武芸者決定戦(1)』(講談社)※月刊ヤングマガジンで連載中

本多忠勝、風魔小太郎、柳生宗矩、宮本武蔵、などなど、実在の剣豪同士の夢の16名トーナメント。単純に出場剣士の実力だけで予想をしても面白いし、それぞれ雇い主同士の政治的な裏工作・結託による八百長も大幅に絡んでくると思うので、多分2回戦以降が荒れまくるはず。
暴力と殺戮度 ★★★★★


安田佳澄『フールナイト(1)』(小学館)※ビッグコミックスペリオールで連載中

人を植物に変えるなど、作品の設定も面白いが、主人公の「持ってない側の人」の描かれ方がとにかく最高。全ての人間に、他人から見たらどうでもいいような呪いがかけられている。
暴力と殺戮度 ★★★★☆


三堂マツリ『ブラッディ・シュガーは夜わらう(1)』(コアミックス)※コミックぜにょんで連載中

『サイコダイバー』(作/夢枕獏)みたいなマンガは全部面白いの法則2021! かわいらしい絵柄で今後どんどん不穏にもなりそうで期待。サイコダイバーだったら俺はもちろん毒島獣太が好き!(余談)
暴力と殺戮度 ★★★☆☆


ippatu『虎鶫<とらつぐみ>(1)』(講談社)
※週刊ヤングマガジンで連載中

崩壊した日本の廃墟ビル群の描き込みが異常。今一番「頭がおかしくなりそうなカケアミ」が楽しめる一作。ストーリー的にもまだまだ広がり方の予想がつかなくて大期待。
暴力と殺戮度 ★★★★☆

吉田真百合『ライカの星』(KADOKAWA)※一巻完結

みんな大好きソ連のスプートニク2号に乗って旅立った宇宙犬ライカが、宇宙で犬王国を作り、軍団を率いて復讐に来る! 装丁も可愛い。
暴力と殺戮度 ★★★☆☆
犬がしゃべる度 ★★★★★


岩澤美翠『千年ダーリン(1)』(リイド社)※トーチwebで連載中

フェティッシュ、アンニュイ、そして気合いと根性! 全世代の「心の中の懐かしさを刺激する部分」を刺激するバトル。主人公の一人である仮初銀色(かりそめぎんいろ)の、<仮初>が名字で<銀色>が名前なの最高というか全キャラのネーミングセンスが異様。
暴力と殺戮度 ★★★★☆


ミナモトカズキ『怪獣になったゲイ』(KADOKAWA)※一巻完結

悩みを抱えて生きる者から見た「やさしさを出し間違える人」の残酷性が容赦なく描かれていてすごい。LGBTだけでなく、すべての人間の「勝手に分かって寄り添った気になるなよ」の脳の部位を強めに殴られるマンガ。
暴力と殺戮度 ★★★☆☆

ジェントルメン中村『異世界プロレスラーマキト(1)』(ソルマーレ編集部)※第1~7巻を収録した電子特装版

みんな大好き異世界転生×ジェントルメン中村の「プロレス」! 理屈じゃないことを伝えるのは「気持ち」ではなく「技術」! 素人(作者以外の全人間)には理解不能のメソッドで最終的に必ずホッコリ確定の約束された読後感、なんなんだこの再現性の高さは!
全部 ★★★★★

大山海『奈良へ』(リイド社)※一巻完結

描かれているもののほとんどが異様に自虐的で、「しょうもないキラキラ」に気持ち悪いくらいのリアリティがある。あとがきまで一気読み推奨。
暴力と殺戮度 ★★★★★


10選と言っているのに12作挙げていますが、それはそれとして、水上悟志『最果てのソルテ』雨瀬シオリ『松かげに憩う』金田サト『デッドミートパラドックス』熊倉献『ブランクスペース』文野紋『呪いと性春』作/稲垣理一郎 画/池上遼一『トリリオンゲーム』住吉九『ハイパーインフレーション』山崎楽『奇種博物録』江戸川治『インスタントライフ』真鍋昌平『九条の大罪』鳩野マメ 『血まみれリグレット』あたりもよかったですね。

『すまひとらしむ』は残念ながら次巻で終了のようですが、好きなマンガすべてが長期連載されることはないし、「長いから面白い・短いから面白くない」では全くないので、下半期も「すごいマンガが始まった」と思う心に誠実にやっていきたいと思います。

げきが・うるふ●マイナーマンガ紹介ブログ・なめくじ長屋奇考録の管理人&特殊出版レーベル・おおかみ書房編集長。編集を担当した、やまだ紫先生の短編集『ねこのふしぎ話』が8/11(水)に興陽館さんより発売です。

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