TV Bros.が仕掛け人に大抜擢!?「全落」「水落」シリーズに参戦の巻【あの頃ブロス2014年12/6号】

TV Bros.のそれなりに長い足跡をたどる不定期企画「あの頃ブロス」。創刊時のメンバーにして、9代目編集長、現在無職の(袴)が、担当した特集や編集長時代の出来事を振り返ります。

今回は2014年の『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の「全落」「水落」シリーズに不肖TV Bros.が参戦したお話をお送りします。あまりに私的な前口上も含めて、気楽にご覧ください。

2014年12/6号表紙

プロフィール
書き手(袴)●TV Bros.9代目編集長。ブロス創刊当初から編集参加(下っ端で)。ナンシー関が編集部で汗をかきながらブロス探偵団を書いていたのを目撃している数少ない1人。入社後すぐにブロスに配属された「人生」元メンバーのK3が、読者ページ・ぴぴぴ倶楽部で(袴)を名乗り好き放題下品ネタを書き散らかしたおかげで、名刺交換した初対面の人に「あなたが(袴)さんですか! ぎゃはは!」と指差されて笑われるという悲しい過去あり。

TV Bros.が仕掛け人に大抜擢!?「全落」「水落」シリーズに参戦の巻

※緊急事態宣言発令前に執筆しました

自慢ではないですが、昔からすぐに風邪を引いたり具合悪くなったりします。先日も調子にのって蛇口焼酎で飲み過ぎ、

前立腺が肥大してしまい、とうとう来月手術することに。前立腺…。爺さんですね、名実ともに。皆さん笑いますが辛いんですよ、膀胱パンパンなのにオシッコ出ないのって。我慢出来ず119番して深夜に救急車で搬送され尿道カテーテル(食事中の方すみません)。初体験の尿道カテーテルは、サイボーグになったみたいな気がしました。しかしアレですね、看護師さんは天使ですね。身体が弱っている時に優しくされるってマジ染みます。看護師さんは天使。救急隊員の方も天使。カテーテル入れてくれた女医さんは「コロナで大変なこのご時勢に尿閉で救急車呼ぶな」と怒ってましたが。すみませんごもっともです。

『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の収録に同行したハワイ出張の時も、なぜか具合が悪くなり、発熱と腹痛でさんざんな目に遭いました。木梨さんからは「取材でワイハ出張なんておいしいね!」と言っていただきましたが、実はあんまりおいしくなかったあの日を回顧してみます。

『とんねるずのみなさんのおかげでした』の、ただ“人が穴に(水に)落ちるだけ”というシンプル極まりない名コーナー「全落」「水落」シリーズ。げらげら笑いながらいつもTVで見ていたわけですが、このDVDが発売されることになり、TV Bros.で広告タイアップ記事を掲載しませんか? というお話をいただいたのが2014年9月末。せっかくなので、DVD発売時期に放送される「第9回 水落ハワイアンオープン」の収録を現地取材しつつ、TV Bros.編集部として穴に落とす仕掛け人役もやってみませんか? と。「全落」「水落」コーナーのディレクターはマッコイ斎藤さん。ちなみにマッコイさんはかねてからTV Bros.を愛読していただいていたようで、ほんとにブロスは業界内で愛読してくださっている方が多くてありがたい限りです。

それはそうと、我々素人が番組の中でタレントを穴に落とす仕掛け人なんて出来るのだろうか…と、この打ち合わせ時点ですでに軽く腹痛。そんなことお構いなしに「ダミーのハワイ特集のTV Bros.を1冊作ってくれません? ハワイ特集っぽい表紙で」「あ、落とすのはこじはるです」と話はどんどん進んでいく。こじはる? 小嶋陽菜? AKB48を我々が落とすんですか?

私とカメラマンI氏と編集部・T崎の3人のブロス取材班は、不安を抱えたままハワイへ。しかし着いてしまえば、そこはハワイですから。浮かれちゃいますよね、やはり。早朝便で到着するやホテルのフロントに荷物預けて、速攻でビーチに行ってビールやらピナコラーダやら飲んで、やめときゃいいのにサーフライダー沖で波乗りまでするはしゃぎっぷり。初日は夕方に打ち合わせがあるだけなので、翌日の取材や収録のミッションも忘れてアロハオエ。

翌日、番組収録が行われるのはワイキキから車で1時間弱のクアロア・ランチ。映画『ジュラシック・パーク』のロケでも使われた広大な牧場で、この一角に壮大な落とし穴をいくつも作り、様々なシチュエーションでタレントを穴に落としていく収録が始まります。我々は番組収録の様子を取材しつつ、収録合間にタカさんノリさんにインタビュー&撮影。そして、こじはるを落とす仕掛け人ミッションも…。

現場で黙々と落とし穴を作っているスタッフの中に、清原和博に激似のこわもてな方がいます。この方こそ知る人ぞ知る、“番長”こと美術スタッフの内山さん。怖い…。ところがお話をさせてもらうと超が付くほど優しい方で、しかも男気あり。収録で使う椅子を我々取材班が誤って壊してしまい、やばい叱られる…と顔面蒼白な時も、「あ、いいんです、そんなところに置いたこちらが悪いんです」とかばってくれました(涙)。男はこうありたいです。

早朝から始まった収録は、やっと昼ご飯休憩。豪華なケータリングのランチバイキングを我々もゴチになりました。しかし陽射しが強烈で、ともかく水分が欲しくてたまらない暑さ。美味しそうな肉やらパスタやら並んでいるんですが、なんだか食欲があまりないです。日陰でタバコでも吸うか。あれ? なんかめまいがしてきた。頭も痛くなってきた。熱中症か? おなかも痛いぞ。まずい。午後は仕掛け人役もあるのに――。

 

そしていよいよ出番です、“ベンチコースター落ちホール”。一見すると普通のベンチですが、こじはるがそこに座るやいなや急発進し、湖に突き落とす大掛りな装置。マッコイさんのリクエストに番長内山が見事に応えた製作費900万円と噂の大仕掛け。台本では「雑誌TV Bros.の取材でやってきた小嶋陽菜が、ブロス編集部員と打ち合わせのため腰かけたベンチが突然急発進、湖へドボン」。「“こじはるのありえないハワイ”というブロスの特集で、こじはるが紹介する、ありえないハワイのスポット紹介というテイで――」。いやいや、この設定は無理です。ブロスの取材で小嶋さんをハワイに連れ出すなんて財力ございません、買いかぶりですってマッコイさん。そんな心の叫びなど重戦車のように進行する収録現場では屁の役にもたたず、出番がやってきました。現場でスタンバイする我々ブロス取材班。そしてくどいようですが、私は熱中症と腹痛でフラフラ。もうすぐ本番。台本にはなかった木梨リポーターからの愉快なツッコミに気の利いた返しも出来ず、だめだこりゃ、という雰囲気が現場に漂う。ああ、せめて具合が悪くなければ…。結局こじはるをベンチに誘導するのは偽ブロス編集部員(フジテレビI氏)が務めることに。あれ? では我々はナニをすれば? そんなこと現場では誰も気にしません。画面に映りたいなら自分で何とかしないと。で、肝心のこじはるベンチコースター落ちは大成功。その衝撃的な映像は、のちのちまで伝説となることに(後述)。「雑誌TV Bros.の取材でやってきた小嶋陽菜」と、全くからめなかった本物のブロス編集部の我々。仕掛け人失格。

そんな我々を不憫に思ってかマッコイさんが、「次のジローラモさんもTV Bros.の取材ってことにしましょう」と。え? ジローラモさんは現場に来るまで何の仕事か知らないの? など野暮なことは言わない。おかげでチラチラ見切れて出演させていただきました。これで少しは会社にも顔が立ちます。意外にも(?)ジローラモさんもブロスをご存じで「爆笑問題のコラムが載ってるヤツですよね」とニヤリ。お、読まれてますよ、太田さん田中さん。身体はフラフラでしたが、今度は仕掛け人役はこなせたかな。体調さえ良ければもっとブロスをアピール出来たかもなのに、ああ。

結局、体調不良は熱中症と食あたり、その遠因は初日のはしゃぎ過ぎによる疲労か。まさに自業自得とはいえ、収録後ホテルに戻っても回復せず苦悶は続く。それなのに、ひと仕事終わった感満々のT崎は「旨いもの食いに行きましょうよ!」、カメラマンI氏も「いいね!」と鬼畜の如し。腹痛やらで苦悶する私に、美味しいと評判の中華レストランを予約させ、お財布係として店へ連れて行かれて。「俺、蟹のブラックビーンズ炒め!」、「フカヒレもいっちゃう?」…コイツら私をガン無視で食欲爆発。ごちそう横目に、私はお店に頼んで作ってもらった病人用お粥だけいただきましたよ。T崎、覚えてろよ。

 

2014年12月25日『とんねるずのみなさんのおかげでした』にて「第9回 水落ハワイアンオープン」オンエア。いやあ、番組内容はまさにプロの仕事。収録時のあれやこれやのトラブルも笑いに変えてさすがの仕事っぷり。なかでも、こじはるが水落するシーンはいろんな意味で反響を呼び、今でも「AKB48 小嶋陽菜 水落ドッキリ」などで検索すると現れるYouTube動画は、再生回数1,000万超えというエゲツない数字。「雑誌TV Bros.の取材で」と連呼してくださっている塩原アナ、ありがとうございます。馬鹿馬鹿しくも清々しいセクシーさで湖に落ちる彼女の後ろで、よく見るとかすかに我々ブロス取材班も見切れてます。マッコイさん、ご配慮ありがとうございます。どう見ても我々の存在は意味不明ですが…。ブロスキャップ被ってるのが私、眼鏡の仏頂面がT崎、あたふたしてるカメラマンがI氏。そして自腹で駆けつけた表紙デザイナーT氏の姿も。ああ、体調さえ万全だったら…。以上、落とし穴だけに深掘り回顧してみました、よっ! ナイスイ~~ン。

とんねるずのみなさんのおかげでした 水落オープン 1巻

今もこちらで番組復活を願う書き込みが。復活の折には、ぜひTV Bros.も取材にうかがいたい!

「あまちゃん」と「ウッチャン」2013年8/17号【あの頃ブロス】

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