池田エライザ ペットと暮らして気づいた動物の「ピュアな愛情とストレートな感情表現」【映画『ハウ』インタビュー】

2022年8月19日から公開の映画『ハウ』。ワンと鳴けない保護犬・ハウと、家まで購入したのに一方的に婚約破棄されてしまった気弱な青年・民夫(演:田中圭)の心温まる絆を描いた物語だ。

      

TV Bros.WEBでは映画『ハウ』を3日連続で特集、1日目の犬童一心監督に続き、2日目は池田エライザにインタビュー。今作では、ハウと離れ離れになって落ち込む民夫に優しく寄り添うヒロイン・足立桃子を演じる。今回のインタビューでは、劇中でハウを演じた俳優犬・ベックとともに撮影。自身も幼い頃からペットと暮らしてきた彼女が、ペットと暮らす日々から生まれた想いについて語ってくれた。(インタビューの最後には直筆サイン入りポラの抽選プレゼント企画も実施中。詳しくは【プレゼント情報】欄をご覧ください。)

      

取材・文/編集部
撮影/倉持アユミ
スタイリスト/福田春美
メイク/豊田千恵

映画『ハウ』3日連続特集

1日目 犬童一心監督
2日目 池田エライザ
3日目 長澤樹

【Profile】
池田 エライザ(いけだ・えらいざ)
●1996年生まれ、福岡県出身。2009年、ティーン誌『ニコラ』のモデルオーディションでグランプリを受賞。映画やドラマ、CMなど幅広く活躍。主な出演作に『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』、『騙し絵の牙』等。また自身が原案・監督を務めた映画『夏、至るころ』も話題に。21年9月、ELAIZA名義で音楽活動も開始。2021年11月には1stフルアルバム『失楽園』をリリース。多彩な表現に各方面から注目を集める。

           

「ベックは大きな身体に大きな愛が
バーンと詰まっている」


──池田さんが今作で演じるのは、主人公・民夫(演:田中圭)の同僚・足立桃子。愛犬・ハウと離ればなれになって落ち込んでいる民夫を気にかけて優しく寄り添うキャラクターですが、劇中では桃子とハウが一緒にいるシーンは少なかったですよね。

池田エライザ(以下、池田):そうなんです。映画の撮影では、一度しか会えませんでした。

──今回の取材ではベックとの撮影でしたが、久しぶりに会えていかがでしたか?

池田:私の撮影当時に記憶しているベックよりも2倍ぐらい大きくて(笑)! ビックリしました(笑)。

──撮影の時は、まだ一歳だったので、あれからまた大きくなったんですね。

池田:えっ! 一歳!? そっかあ…。でもお利口さんですね〜!

映画を撮影していた時も、写真で見たより実際はもっと大きく感じたんですよね。ベックは身体もあったかくて大きな身体に大きな愛がバーンと詰まっている感じがあって、「生きてる!」という感じがします(笑)。

──今作で池田さんが演じる桃子は、多くの人が見て見ぬふりをしていても周囲の目を気にせず街中で困っている人に声をかけて助けようとする心優しい女性ですね。

池田:きっと桃子はその行動が「優しい行為」だと思っていないと思うんです。困っている人を街中で見つけたから「どうしたんですか?」と声をかけているだけであって、ある意味では、本能に従う“動物っぽさ”がある女の子。

民夫のことを気にかけるようになるのも、ハウと離れ離れになって職場で元気がない様子の民夫を見て「どうしたんだろう?」と心配するようになったからなんだと思います。私も困っている人がいたら見過ごせないし、桃子のことはすごく理解できます。

──そんな桃子が、とある事情から派手な衣装を着ているシーンもありました。

池田:あのシーンはとにかく恥ずかしかったです(笑)。私も恥ずかしかったし、桃子も恥ずかしがっているシーンなのでその気持ちのまま演じました。私は椿鬼奴さんが大好きなんですけど、初めてお会いした時に鬼奴さんがあのシーンのような格好で「歌聴いてるわよ!」とおっしゃっていただいたことを思い出しました(笑)。

──桃子を演じる上では、どんなことを意識されましたか?

池田:時間が経過していく作品なので、時間を逆算して、その演じるシーンでどれぐらい気持ちが動いているのかについて考えていました。例えば「これくらい時間が経っているから、これくらい立ち直っているだろう」という考えも、それは自分の願望も入っているんじゃないか、とか。実際は、そうはいかないこともたくさんあって。折り合いがつけられない気持ちにすごく大切な感情があって、折り合いをつけない方がいいこともあるんだなということを考えていました。

           

「動物たちのピュアな関係性や感情に
力をもらえるんです」


──池田さんご自身もペットを飼われているんですよね。

池田:小さい頃から飼っています。私の家には小鳥も猫もいて、母が住む実家にはワンちゃんがいるので、動物まみれです(笑)。

──今作は、ベック演じるハウが遠く離れた飼い主・民夫のもとに向かう道中、傷を抱える3人の女性がハウと出会い、癒されていく物語です。池田さんはペットと共に過ごす中で、「癒し」を感じるのはどんな瞬間ですか?

池田:もう毎日ですよ(笑)! ある日、うちの小鳥たちがつがいになっているのを見つけると「そこが仲良くなったか〜」と思ったり(笑)。仲が悪かった小鳥たちが同じハウスの中で身を寄せ合っているのを見つけると本当に幸せな気持ちになります。そういった動物たちのピュアな関係性や感情に力をもらえるんです。

──ペットたちと一緒に暮らししていて、学ぶことはありますか?

池田:感情表現においても、うちの子たちはピュアに愛情を向けてくれるし、「ご飯くれー!」とか「トイレ片付けろー!」って、ストレートに自分の要求を伝えてくれるんです(笑)。そんな姿を見ていると、対人間におけるコミュニケーションも、もっとストレートでいいなと思うようになって。自分が難しく考えすぎていることに気づかされます。

──近年、池田さんはご自身で監督として映画を手がけるほか音楽活動としてライブ公演や音楽番組に出演されるなど、映画やドラマに限らず様々なジャンルの表現活動をされています。その活動を通じて、「映画」という表現手段についてどのように感じますか?

池田:映画の素晴らしいところは、見る人が判断することができて、見る人が好きに学ぶことができることだと思います。観た後に「つまらなかったわー」と言うのも一つの意見だけど、お金を払って映画館に行ったからこそ「その払ったお金分、楽しんでやろう!」と思うと、その作品の中から良いところを見つけることができるかもしれない。「結局は見る人次第」というのが映画の面白いところで、見る人にルールを強制しないところが魅力だと思います。

今作も「ここで泣きなさい!」という押し付けがましさはなく、観客を誘導しない物語の作り方をされていて。ただ起きたことを淡々と見せることで感情を映画を観る人に委ねる、犬童一心監督の物語の作り方が私はすごく好きです。

──最後に、今作の見どころを教えてください。

池田:私はこの作品を観たときに「大人になってから読む、かつて読んでいた絵本」のような感じがして。子供の時に読んで良い影響を与えていた作品が、大人になってから読むとハッと気づかされるような…。私は『ハウ』を観た後に、そんな感覚になりました。

ただ観終わって「良い話だったな〜」というだけでなく、自分にも少し前に置いてけぼりにした気持ちがあることに気づいて。気持ちをオフにしないとやっていけないような辛い出来事が世の中にたくさんあって、ないことにしていた気持ちがあったと思います。この物語でハウが旅先で出会う人々の心の底に押し込んでいた気持ちをゆっくりと解いて出してくれる過程を見て、私にも解く時間がいるかもしれない。そう思わせてくれたのはこの映画のたくさんある良いところの一つだと思います。


【作品情報】

(C)2022「ハウ」製作委員会 

映画『ハウ』

2022年8月19日(金)全国ロードショー 

原作:『ハウ』斉藤ひろし(朝日文庫) 

出演:田中圭、池田エライザ、野間口徹、渡辺真起子、モトーラ世理奈、深川麻衣、長澤樹、田中要次、利重剛、伊勢志摩、市川実和子、田畑智子、石田ゆり子(ナレーション)、石橋蓮司、宮本信子 

監督:犬童一心 
脚本:斉藤ひろし 犬童一心 
音楽:上野耕路 
主題歌:GReeeeN「味方」(ユニバーサル ミュージック) 
企画・プロデュース:小池賢太郎 
プロデューサー:丸山文成 柳迫成彦 
企画・製作プロダクション:ジョーカーフィルムズ 
製作幹事:ハピネットファントム・スタジオ 東映 
配給:東映 

                                            

予告


【プレゼント情報】

池田エライザさんのサイン入りフォトを
抽選で1名様にプレゼント!

池田エライザさんの直筆サイン入りフォトを会員限定で抽選で1名様にプレゼント。
ご希望の方は pipipi@tokyonews.co.jp 宛に、件名に「池田エライザ・プレゼント」、本文に「①郵便番号・住所 ②氏名 ③年齢 ④TV Bros.WEB 有料会員登録時のメールアドレス ⑤取り上げてほしい番組・映画などの作品やタレント名」を明記の上、ご応募ください。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。 ご応募締め切りは2022年9月31日17時まで。

                        

0
Spread the love