撮影:西槇太一、MASANORI FUJIKAWA
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「THE PRIMALS Live in Japan – Beyond the Shadow」 DAY.1公演のライブストリーミング放送を6月12日まで販売中!
ライブ「THE PRIMALS Live in Japan – Beyond the Shadow」で演奏された曲の数々を収録!
『THE PRIMALS – Beyond the Shadow』
『Modulation – FINAL FANTASY Arrangement Album
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THE PRIMALSは、ファイナルファンタジー(以下、FFXIV)』のサウンドディレクターである祖堅正慶(Vo&Gt)を中心に、GUNN(Gt)、イワイエイキチ(Ba)、たちばなテツヤ(Dr)、マイケル・クリストファー・コージ・フォックス(Vo/『FFXIV』ローカライズスーパーバイザー)によって結成された、累計プレイヤー数が2500万人を超える『FFXIV』のオフィシャルバンド。

約4年ぶりの幕張ライブが即日SOLD OUT
このバンドは、日本、北米、欧州、韓国、中国で開催された『FFXIV ファンフェスティバル』への出演や、公式アレンジアルバムへの参加だけでなく、2018年には単独アルバムの発表と、Zeppツアーを開催。2021年11月には「FFXIV」の最新拡張パッケージ『暁月のフィナーレ』の主題歌「Endwalker」を、7inchアナログでリリースした。パンデミックの影響もあり、有観客のライブは開催が難しい状況が続いていたが、ようやくこの2022年、単独としては約4年ぶりのライブ【THE PRIMALS Live in Japan – Beyond the Shadow】が6月4日、5日の2日間、幕張メッセイベントホールにて開催された。
ちなみにサイリウムも約9分でSOLD OUT
チケット販売が開始されると、即日で2daysのチケットが完売してしまった事からも光の戦士達(作品のファン達の呼称)が、いかにこのライブを待ちわびていたかが分かる。ちなみに、ライブの2日目当日には物販で販売されたサイリウムが販売開始約9分で完売し「サイリウム完売」がTwitterの国内トレンドに上がる事態も発生。このライブの注目度の高さを示していた

吉田Pも客席から見守る中ライブがスタート、進行を努めるのはエメトセルク!
本編スタート前の影ナレで作中の人気キャラクター、エメトセルク(CV:高橋広樹)が今回のライブのナレーションを依頼されていることが判明。ヒュトロダエウス(作中のキャラクター)から渡された台本を読み上げる形でライブの諸注意を案内、続けて、遂にライブの開幕が告げられる。1曲目は最新拡張パッケージ『暁月のフィナーレ』の主題歌「ENDWALKER」。ステージ全体を覆う振り落とし幕に『暁月のフィナーレ』の映像が映し出される中、印象的なギターイントロから曲がスタート、切なくも力強いギターロックが響き渡る。最新拡張パッケージの表題曲が1曲目に演奏されることに驚いたが、この先の展開に否応なく期待が高まる。

『暁月のフィナーレ』の楽曲で思い入れのある曲は「知恵の巻貝 ~オールド・シャーレアン:夜~ (Acoustic Version) 」
続いて、振り落とし幕が落とされバンドの姿があらわになったタイミングで2曲目が始まる。次の曲は「輝ける蒼 〜希望の園エデン:覚醒編〜」。曲サビで祖堅の「リヴァイアサン!」の声が響き渡ると客席のボルテージは一気にマックスに。会場は蒼いサイリウムの海となっていた。3曲目の「究極幻想」ではバンドのボーカル、コージがこの場面で登場。壮大なゴスペルのコーラスに相応わしい堂々たるステージングで曲を盛り上げる。

『暁月のフィナーレ』の楽曲で思い入れのある曲は「ENDWALKER」
その後の最初のMCパートでは、祖堅が2階客席にFFXIVプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹がいることを紹介。吉田Pにファンへの挨拶を求めると吉田Pは「本当に台本にないことやるなよ」と返しつつも約1万人クラスを収容する会場にマイクなしで「会場にお越しの皆様、最後までお楽しみください!」と挨拶。喉のパラメータも非常に高いことを会場に示していた。MCに続くバンドメンバーの紹介シーンではGUNNがギターソロをかき鳴らした後、どこに住んでるの? どっから来たの? とスクリーンに「家」の漢字を大写しにしながら声をかけていた。これはつまり、ライブの掛け声とかけまして、みんなが帰るところと解く、その答えは「家」(yeah!)(編集部意訳)という謎かけである。どうやら、GUNNは謎かけが得意なのでは? 今後編集部としてはこの点を追いかけていきたい。

さらに、祖堅が「こういったライブに初めてくるという人はどれくらいいますか?」と声を掛けるとかなりの手が挙がる。初めて参加するライブが様々なエンターテインメントで詰まったこのライブであることを羨ましく思った。
5曲目の「忘却の彼方 〜蛮神シヴァ討滅戦〜」ではGUNNがボーカルをとり、祖堅が高速ギターリフで彩る。ゲストボーカルを含めて曲によってボーカリストが変わることで音楽性にバリエーションをもたらしていることもTHE PRIMALSの魅力の一つだ。

『暁月のフィナーレ』の楽曲で思い入れのある曲は
「知恵の巻貝 ~オールド・シャーレアン:夜~ (Acoustic Version) 」
と「Close in the Distance 」
FF IIIの名曲「悠久の風」を奏でるのは誰
8曲目にはゲーム中のキャラクター古代人の衣装をきたアナログシンセサイザーのプレイヤーが登場。『ファイナルファンタジーⅢ』の曲「悠久の風」を披露する。

ベース音の最後にメロディが繋がる展開が美しい。加えて、ファイナルファンタジー(プレリュード)などをサンプリングしながら現代性と懐かしさが交差するアレンジが施されている。この演奏者がマスクをとると、なんと「ファイナルファンタジー」シリーズの様々な名曲を手掛けたゲーム音楽界のレジェンド、植松伸夫だった。会場からもどよめきが起きる。そのまま、続けて初代『ファイナルファンタジー』の楽曲「メイン・テーマ~マトーヤの洞窟メドレー」、『ファイナルファンタジーⅤ』の楽曲「ビッグブリッヂの死闘」を演奏した。
ゲームサウンドのライブの魅力の一つは、特にファミリーコンピュータなど80年代、90年の曲を演奏する際に顕著なのだが、ゲーム中で再生するには多くの制限があった時代の音楽をどうやってその制限の無い、現代のステージ上のライブ表現として再構成するかという部分にある。その再構成の試みの結果として、ゲームサウンドのクラシック楽団での再現や、JAZZミュージックへのアレンジなどが行われている。
植松が今回のライブ表現のために行なったのは、自身の曲の電子音楽としての再構成だった。
自身の曲をサンプリングし、チョップ&フリップすることで曲に新しいイントロを作る。自身のメロディをゲームで使うPSG音源で流し、ライブ中に鍵盤でなぞることで、さらに音を分厚くする。別の場面では、自身の曲に四つ打ちのビートを加え、曲に肉体性を与える。

そのようにしてレジェンドが過去の栄光に飽き足らず、自らの楽曲を進化させていく様は非常にエキサイティングだった。ライブ後のインタビューでは、「当時の自分の未熟さを自分が一番わかってしまうから、昔の曲はあまり聞くことはなかった。けれども昔の曲も言うなれば自分の子供だし、今だったらこの曲をどうやったら満足いく形で世に出せるかを考えていた。例えば、若い頃の写真そのままを見ると恥ずかしい部分もあるがフォトショップで加工するとまた面白く見えることもある。今の私はかつての曲をそのようなイメージで変調(モジュレーション)させたいと思っている。曲を作ってから35年経って、そんな風に面白がれるようになった」と話した。
祖堅は植松の出演に対して「ゲームのプレイヤーがゲーム中で出会う古代人と同じようにライブの中でゲームサウンド業界の実際のレジェンドの植松さんと出会う。そんな体験を通してゲーム体験とライブを密接にリンクさせたかった。それができることがゲームサウンドの魅力」と語った。また、植松が登場したMCでは、祖堅が若い頃はお金も無く、お腹が空くと植松さんに食べさせてもらったという話を披露。「ファイナルファンタジー」シリーズの音楽、そして音楽家たちが連綿と繋がっていることを感じた。

11曲目は「貪欲」。2021年開催の『FFXIV』のファンイベント『ファイナルファンタジーXIV デジタルファンフェスティバル 2021』では、原曲のボーカルを務めているアメリカ在住のシンガー・Jason Charles Millerの歌唱映像と共にライブのオープニングを飾った楽曲だ。今回はプレイヤーから募集したゲームのプレイ映像をバックに演奏された。インタビュー中に祖堅も話していたが、ゲームのPVかと思うほどのクオリティの高い映像で驚いた。GUNNの泣きのギターに、重厚にメロディを奏でるベースが重なり、会場の雰囲気をゲストシーンから一変させる。

『暁月のフィナーレ』の楽曲で思い入れのある曲は「此処に獅子あり 〜万魔殿パンデモニウム:辺獄編〜 」
14曲目「知恵の巻貝 ~オールド・シャーレアン:夜~ (Acoustic Version)」では、たちばなのボンゴがリズムをリードしながら祖堅のキーボード、GUNNのエレキギター、イワイエイキチのアコースティックギターがゲーム中のオールド・シャーレアンと同じ、海辺の夜の雰囲気を再現していた。

16曲目には、インタビューでたちばながお気に入りの曲と話していた「Flow Together」。激しい楽曲の多いTHE PRIMALSの楽曲の中で優しく、聞く者を包みこむような楽曲だ。
17曲目は、「此処に獅子あり 〜万魔殿パンデモニウム:辺獄編〜」。ライブはここで再度ペースアップ。ボーカルをとり讃美歌のようなコーラスと共にステージを盛り上げるコージはライブ中、手の表情が豊かなのでより目を惹きつける。

『暁月のフィナーレ』の楽曲で思い入れのある曲は「Flow Together 」
おじさんダンサー達の行方
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