FFXⅣ『暁月のフィナーレ』MV撮影を追え!THE PRIMALS『ENDWALKER 7-inch Vinyl Single』 MV撮影密着レポート

累計プレイヤー数が2200万人(※日本·北米·欧州·中国·韓国の5リージョンの累計アカウント数。フリートライアル版のアカウントを含む)を突破し、いまもなお全世界のゲームファンを魅了し続けているオンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)。そのオフィシャルバンドであるTHE PRIMALSが『FFXIV』のために新曲のミュージックビデオを制作しているとの情報を入手した我々TV Bros.取材班は、笠雲が煙る撮影地に、その秘密を求め向かったのであった…。以下はそのレポートである!

 オンラインRPG『FFXIV』が、ひとつの局面を迎えようとしている。

 2013年に『新生エオルゼア』をリリース以降、2015年には『蒼天のイシュガルド』、2017年の『紅蓮のリベレーター」、そして2019年に発売された『漆黒のヴィランズ』に続く、待望の最新拡張パッケージ『暁月のフィナーレ』が、2021年12月7日にリリースされるのだが、約10年の月日をかけて繰り広げられてきた物語が、ついにクライマックスに到着。全世界のプレイヤーがその行く末に熱い視線を注いでいる中、その期待を煽るように、『暁月のフィナーレ』の主題歌を収録した7インチアナログ盤『ENDWALKER 7-inch Vinyl Single』が最新パッケージに先駆けてリリースされ、大きな注目を集めている。その主題歌「Endwalker」のミュージックビデオが制作されるということで、初日の撮影現場に潜入! 楽曲制作を担当したTHE PRIMALSに今回の主題歌についてインタビューを敢行した。

取材・文/山口哲生
写真/小坂茂雄
編集/TV Bros.編集部

▼リリース情報
7インチ·レコード盤
『ENDWALKER 7-inch Vinyl Single』
2021.11.17 ON SALE!!
SQEX-10899/¥2,420(税込)
<ファイナルファンタジーXIV 最新拡張パッケージ『暁月のフィナーレ』主題歌>
Endwalker 
Endwalker – Footfalls
※楽曲(MP3)ダウンロードパスコード封入
商品HP:https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/ff14/Endwalker/
【ファイナルファンタジーXIV 公式サイト】
レベル60までいつまでも無料で遊べるフリートライアル  https://sqex.to/0excD
「ファイナルファンタジーXIV」プロモーションサイト  https://sqex.to/oRZf0
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレプロモーションサイト https://sqex.to/8sakn
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ENDWALKER 7-inch Vinyl Single Music Video (FINAL FANTASY XIV)
FINAL FANTASY XIV: ENDWALKER Full Trailer

『ファイナルファンタジーXIV デジタルファンフェスティバル 2021』でのTHE PRIMALSのライブレポート

世界中でLIVEを行う『FFXIV』オフィシャルバンド”THE PRIMALS” 

 「Endwalker」を制作したTHE PRIMALSは、2014年に結成された『FFXIV』のオフィシャルバンド。メンバーは、『FFXIV』のサウンドディレクターを務めている祖堅正慶(Gt、Vo)を中心に、GUNN(Gt/ultra UB、DEPTH)、イワイエイキチ(Ba/チリヌルヲワカ)、たちばなテツヤ(Dr/SPARKS GO GO、ultra UB)、マイケル・クリストファー・コージ・フォックス(Vo/『FFXIV』ローカライズスーパーバイザー)の5人。『FFXIV』開発チームとミュージシャンという一風変わった編成のこのバンドは、日本、北米、欧州、韓国、中国で開催された『FFXIV ファンフェスティバル』への出演や、公式アレンジアルバムへの参加だけでなく、単独アルバムのリリースやZeppツアーの開催など、『FFXIV』のプレイヤーから熱い支持を集めている。

左から、イワイエイキチ(Ba)、祖堅正慶(Gt、Vo)、たちばなテツヤ(Dr)、GUNN(Gt)

 また、「Endwalker」のメインボーカルは、ARCHITECTSのサム·カーターが担当。ARCHITECTSは、日本では知る人ぞ知る存在かもしれないが、本国イギリスではアリーナクラスの会場でライヴを開催するほど、人気·実力ともにトップクラスのロックバンドだ。そのフロントマンが参加しているということからも、『FFXIV』が今もなお世界的に人気なゲームタイトルであることが窺い知れるだろう。

月をイメージしたロケ地での撮影、そして降りかかる試練!

 今回のMV撮影は、10月下旬、場所は某県のとある山の麓で行なわれた。『暁月のフィナーレ』では、物語の中で“月”が重要なポイントになってくることもあり、MVも月面をイメージできるような場所を探したとのこと。THE PRIMALSのMV監督を務めている守屋 匠氏によると、当初は富士山の五合目で撮影をしようと考えていたそうなのだが、今年はもうすでに閉山してしまっていたため、別のロケーションを探すことに。2つ出てきた候補の中からこの場所が選ばれたそうだ。THE PRIMALSとしては、これが初の野外ロケになるのだが、今回はメインボーカルにサム·カーターを迎えていることもあって、マイケル·クリストファー·コージ·フォックスは作詞で参加。また別の機会に彼が野外でパフォーマンスしている姿を楽しみにしたい。

某撮影地の、某植物である。

 他にも、今回のMVを制作するにあたって、THE PRIMALSの祖堅と守屋監督の中で決めたテーマがあったそうだ。ひとつは、『暁月のフィナーレ』でひとつの区切りを迎えるということもあり、「これまで発表してきた各拡張パッケージをオマージュしたシーンを入れる」ということ。もうひとつは、「THE PRIMALSが(MVの)主人公の女の子を音楽の力で助ける」というもの。それもあって、この日の撮影はTHE PRIMALSの演奏シーンが終了した後、役者さんのドラマパートの撮影を同場所で行なうことになっていた。ただ、陽が暮れる前に撤収しなければいけないこともあって、演奏シーンの撮影を15時までに終えなければいけないという、なかなかタイトなタイムテーブルに!MV撮影は比較的時間が押してしまいがちなのだが、はたして無事に間に合うのだろうか、取材班にも緊張が走る。

美しい撮影地と緊張感が走っている(かもしれない)スタッフ

 XX時00分。待機していたロケバスから移動車に乗って、THE PRIMALSメンバー達が撮影現場に順次到着。一足先に現場に着いたたちばなテツヤが、すでに搬入されていたドラムのセッティングをしていると、ほどなくして後発隊が到着。目の前に広がる雄大な大自然にテンションがあがったようで、楽しそうに写真を撮っていた。ちなみに、月面をイメージさせる場所なのもあって、ロケバスから撮影場所までの道のりは、ゴツゴツとした岩場が続くかなりの悪路。それもあって「車がスタックするわ、天井に頭をぶつけるわ、大騒ぎだった」と祖堅。感染拡大対策のため、移動車に乗れる人数が制限されていたこともあり、取材班は徒歩で撮影現場に入っていて、その途中、とんでもないオフロードをハイエースが猛然と走っていく光景を見ていたのだが、想像以上に車内は大変なことになっていたようだ。

オフロードに苦しむハイエースを助けるTHE PRIMALSとスタッフ

 XX時40分。メンバーが立ち位置に付き、サウンドチェック。カメラには映らない位置に置かれていた2台のモニタースピーカーから「Endwalker」が大音量で流れ始める。メンバーが現場入りする前に行なわれたサウンドチェックで、実際にメンバーが演奏する立ち位置で音を聴かせてもらっていたのだが、目の前に広がる大自然とパワフルなロックソングの相性は抜群で、とてつもない開放感! MVを撮るぐらいの場所なので、相性がいいのは当たり前の話ではあるのだが、ご時世的に、野外で、爆音で音楽を聴くという体験が久しくなかったこともあって、興奮しつつも、ちょっとだけしみじみとしてしまった。

祖堅正慶(Gt、Vo)

 守屋監督が待機しているメンバーを見て「みんな寒いと思うので急ごう」と気遣いつつ、XX時45分。「身体を大きく動かすぐらいのアクションをください!」という一言から、撮影がスタート。まずはドローンを使った全体撮影から。上空まで高くあがったドローンが、演奏している4人に目がけて勢いよく飛んでいく。それを何回か繰り返した後、「アクションばっちりです!」とプレイバックへ。迫力のある映像に「おおー」と声をあげるTHE PRIMALSメンバー。かなり上空から引いた画なのもあって、「アリみたいだね」「違う楽器持っていてもバレないんじゃない?」という会話も飛び交い、撮影は和やかな空気の中で進んでいった。

ドローンでの撮影風景

 そこからメンバー全員での引きカットの撮影に移ったのだが、「弦が冷たい……」と苦笑いするイワイエイキチ。「ギターはそうでもないかもしれないけど、ベースは弦が太いから(笑)。でも、この景色の中でやれるのは気持ちがいいですね。僕自身、人生初野外(撮影)なので。みなさん大変そうだなぁ……と思いながら見てますけど」と、寒い中でもスタッフを気遣っていたのだが、スマホで調べたところ、この日の撮影場所の気温は11℃。太陽が出ていると多少はなんとかなるのだが、雲に隠れてしまうとかなり肌寒い。しかも、風をさえぎる場所もないため、薄着でいるのはかなりハードだ。

THE PRIMALSの魅力は「大人の色気」

イワイエイキチ(Ba)

GUNNも「寒いと指が動かないんですよね」と、ベンチコートのポケットに忍ばせていた使い捨てカイロで手を温めている。「(日比谷)野音と一緒で、風向きで音が全然聴こえなくなったり、急にドーン!と聴こえてきたり(笑)。でも、いいもんですね。外でガーン!とやるのは」。

GUNN(Gt)

 集合カットを撮り終えると、各メンバーの立ち位置はそのままで、カメラの位置だけ変えて撮影を続けていく。THE PRIMALSの特徴として「若者には出せない大人の色気がある」と話していた守屋監督。事実、風格ある佇まいに目を奪われる。クールな表情を映像に収めていく中、撮影の合間には、GUNNがカメラに向かって変なポーズをして現場の空気を暖めていたが(笑)、

ギターを弾く祖堅と場を暖めるGUNN

ドラムのたちばなテツヤは、MV撮影時は「叩いている風だけど、ちょっと派手めにしている」とのこと。「やっぱり観ている人からしたら、動きが激しいほうがいいんですよ。でも、楽器を弾いている人間が見たときに、動きが演奏から逸脱しすぎていると、“こいつちゃんとやってないな”ってわかっちゃうんですよね。たまに、あまりにも激しすぎて“これ、絶対に弾いてないじゃん!”とかね(笑)。それはミュージシャンとしてカッコ悪いから」。

たちばなテツヤ(Dr)

 たちばなのソロカットを最後におさえて、14時40分、予定時間よりもかなり巻いて演奏シーンの撮影が終了。メンバーがロケバスに戻る中、撮影班はすぐさまドラマシーンの撮影に移っていった。なお、オマージュシーンについては、翌日に様々な場所で撮影された
とのこと。どんな映像になっているのか、ぜひMVを楽しんでもらいたい。

 目まぐるしい勢いで進んでいった撮影だったが、その合間に、メンバーから今回の主題歌「Endwalker」について話を聞くことができた。『暁月のフィナーレ』の主題歌を制作するにあたって、「とにかくゲームコンテンツに合う、合わないを優先する」という絶対条件はさることながら、祖堅に「ロック」というチームオーダーがあったそうだ。前パッケージ『漆黒のヴィランズ』の主題歌「Shadowbringers」も同じくロック調で、少し埃っぽさのあるずっしりとしたクラシック·ロック的な雰囲気だったのだが、それとはまた違うものを意識したとのこと。そんな「Endwalker」において、ベースのイワイが大事にしたのは「疾走感」だ。

イワイエイキチ(Ba)

 「特に転調した後の最後のサビとかは、そこを結構意識してましたね。ただ、レコーディングをしたものとまったく同じものが弾けなくて(笑)。いつも大まかなパターンは決めているんですけど、テイクごとにちょっとずつ変えてるんですよ。だから、今後ライヴでやるときは、毎回違う感じになると思います(笑)」(イワイ)

 どっしりとしながらも、流れるように動くベースラインが心地よいが、同じくリズム隊であるドラムのたちばなは、プレイしていて「超難しい」と笑いながら話す。

「ちょっとジャジーな感じもあり、ファンキーな感じもあり、だけどロックで構成されているリズムパターンなんですよね。祖堅が作る曲って、複雑なところもあればストレートなところもあるし、かといってゲームから離れすぎてはいけないから、そこの絶妙なアレンジメントが難しいところだと思うんですけど、そこは祖堅の凄さですよね。リズムにも
こだわりを持っているから、逆に勉強になる」(たちばな)

たちばなテツヤ(Dr)

 「絶妙なアレンジメント」という話があったが、「Endwalker」がまとっている空気感も独特だ。グランジ、シューゲイザー、ドリームポップ、エモといったロックミュージックを混ぜ合わせて、2020年代仕様にアップデートしたような印象がある。その音像を作るために、ギターのGUNNは祖堅と「細かいところまで結構話した」とのこと。

GUNN(Gt/ultra UB、DEPTH)

なぜ、今回サム·カーター(ARCHITECTS)がボーカルになったのか

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