大人気オンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV』のオフィシャルバンド·THE PRIMALSが、6月4、5日に幕張メッセイベントホールにて、4年振りとなる有観客ワンマンライヴを開催。両日共にチケット即完となったライヴの模様が、Blu-ray『THE PRIMALS Live in Japan – Beyond the Shadow』としてリリースされことになった。その発売を記念して、メンバー全員にインタビューを実施。後編となる今回は、各メンバーが挙げるライヴのハイライトや、Blu-rayジャケットの秘話などの裏話も。さらにはオススメの音楽映像など、貴重エピソードが続出!最後には、GUNNのあのコールアンドレスポンスに絡めてのお願いもしちゃいました! 必読のインタビュー後半、スタートです。
取材・文/山口哲生
写真/笹森健一
『THE PRIMALS Live in Japan – Beyond the Shadow』
商品HP https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/ff14/primals/btsBD/
商品名:THE PRIMALS Live in Japan – Beyond the Shadow
発売日:2022年9月14日(水)
品番:SQEX-20089
価格:¥6,050 (税込)
仕様:Blu-ray Disc Music (1Disc)、
収録内容:本編24曲 + EXTRA MOVIES + MP3音源21曲 ※「悠久の風」「メインテーマ ~ マトーヤの洞窟」「ビッグブリッヂの死闘」を除く
封入特典:インゲームアイテムコード
・オーケストリオン譜:Close in the Distance(Beyond the Shadow)
・オーケストリオン譜:此処に獅子あり(Beyond the Shadow)
発売元:株式会社スクウェア・エニックス
権利表記:© 2010 – 2022 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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遂にかなったコージの夢
──本当に内容盛りだくさんなライヴでしたけども、みなさんそれぞれのテンションが昂ったハイライトであったり、実はこんな感じになっていたという裏話をお聞きしたいです。では、コージさんからお願いします。
コージ:やっぱり、ずっと昔からやりたかったステージ下からのポップアップが今回ついにできたことですね!
祖堅:おめでとう!
コージ:ありがとうございます! すっごい楽しかったです! あれってアナログなんですよね。機械とかを使ってやるのかなと思っていたら、3、4人ぐらいの人がヨイショー!ってあげてくれて。でも、スタンバイしているときに普通に立ってると、頭が出ちゃうんですよ。だから空気イスで待機しないといけなかったんですね。で、(足が)プルプルしてくるんです。やばいやばい、早く上がらないかな、早く上がらないかな……っていう。今、GUNNさんがおもしろくねえよっていう目でこっちを見てるけど(笑)。
GUNN:いや(笑)。ポップアップといえば、もはやコージとBon Joviぐらいしかいないからなって。
祖堅:しかも、これだけ熱く語ってたけど、生配信ではカメラにまったく抜かれていなかったからね(笑)。
コージ:でも! 今回のBlu-rayにはしっかり入っているので! おそらく気持ちよかったのは私だけだったと思うんですけど(笑)、8年目にしてようやくやらせてもらえて本当に嬉しかったです。でも、ずっとうるさく言っていたので、これでコージは黙るんじゃないかなっていうことになって、次からはもうないかもしれないですね。
たちばな:次は上から登場すればいいんじゃない?
コージ:いいですねー! ジーザスみたいな感じで降りてくる。
祖堅:そんな曲あったっけ?(笑)
GUNN:もしくはプロレス登場だよね。
──お客さんの間を歩いてくる感じで。
GUNN:(ステージに)辿り着く頃にはボロボロになってる。
──(笑)。次回の登場も楽しみにしてます。たちばなさんはいかがでしょうか。個人的なハイライトといいますと。
たちばな:全部と言えば全部なんですけども、アンコールの最後にやった「ローカス ~機工城アレキサンダー:起動編~」。いろんな緊張感やら大変な曲が多いなというところから、やっと何も考えずに演奏できるぞ!っていう。毎度やっている曲ではあるけれども、4年ぶりの有観客でもあったし、感慨深いものが個人的にはありましたね。
イワイの表情に秘められた秘密
──では、イワイさんの場合はいかがでしょうか。
イワイ:ハイライトというか、裏で起こっていた話なんですけど。「知恵の巻貝 ~オールド·シャーレアン:夜~ (Acoustic Version)」からの3曲が、なぜか僕の耳(イヤモニ)の中のクリックが爆音になって。
祖堅:あったなぁ(笑)。
イワイ:3曲続くので、エンジニアにそのことを伝えられなかったんですよ。曲が終わった後に戻してもらったんですけど、映像を見返したら、すごいしかめっ面でその3曲を弾いていて。
一同:ははははははははははは(笑)!
たちばな:(イヤモニを)外すわけにもいかないからね。
イワイ:その辺が注目ですね。
祖堅:イワイさんの顔に注目(笑)。
イワイ:かなりシワッシワッな顔で弾いていますよ(笑)。あと、「過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~」のとき、特効の炎の熱で、ベースのチューニングが微妙に下がっていくんですよ。
──熱さで弦が伸びちゃうんですか?
イワイ:そうです。それぐらい熱くて。弾きながら、合間を見て直してたんですけど、そこは映ってなかったですね。
コージ:あの曲だけみんなの行動が違っていたんですよ。とにかく熱かったから、私もあまり前に出ないで、できるだけ後ろにいるようにしていて。
祖堅:ギターのボディが触れないぐらい熱くなってましたからね。表面のポリマー溶けてんじゃね?っていうぐらい熱くて。
Blu-rayのジャケットが決まった瞬間
──でも、そんな状況の中で、祖堅さんは結構オラついた感じでお客さんを煽ってましたよね?
祖堅:あれはもうヤケクソですよ(笑)! でも、笑ったのが、ブレイクタイムというか、歌がなくて、みんなで演奏しているフィルインみたいなところがあるんですけど、あのとき、全員火に背中向けてたもんね(笑)?
一同:はははははははは(爆笑)!
コージ:みんなでたちばなさんの前に集まって(笑)。
たちばな:みんなが集まってきたのってそういう理由だったの? みんなキレイに後ろ向いてるなって思ってたけど。
祖堅:そのときの写真が今回のBlu-rayのジャケットになってるんですけど(笑)、あれはみんなで合わせて集まろうとしていたとか、そういうのじゃないです。熱かったから逃げてるだけ(笑)。この場所しかねえ! 助けてくれ!っていう状況ですね。
GUNNのハイライトはやはりあのシーン
──その瞬間がジャケットに(笑)。GUNNさんのハイライトはどこでしたか?
GUNN:選ぶのが難しいところなんですけど、「知恵の巻貝 ~オールド·シャーレアン:夜~ (Acoustic Version)」からの3曲ですかね。アコースティックみたいな、ちょっとしたミスでもすぐにわかっちゃうっていうのは普段はそこまでないけど、そのいい感じの緊張感と、顔を見合わせてタイミングを合わせたりとか、そういうのも含めて意外とうまくいったと思うし、そこからいい流れで「Close in the Distance」に行けたかなと思うので。ここは照明も含めて素敵な流れでしたね。
──あと、GUNNさんといえば、メンバー紹介の場面で、お客さんがコール&レスポンスで「イエーイ!」と叫べないのもあって、スクリーンに大きく「家」という文字を映してましたけど。
たちばな:あれが一番のハイライトだよね?
GUNN:まあ、そうですね(笑)。でも、あれは僕がお願いしたわけじゃないですよ? 映像の方に「作っといたから」って言われて、何を言っているんだろうって思ってたら、ああいう感じになってて(苦笑)。あれは前回のZEPPツアーぐらいからやっているネタで、盛り上がればいいなと思って、スベる覚悟で頑張って続けてきたことなんですけど(笑)。今回はもういいかなと思っていたら、「テロップ作った」って言われてしまうと、やらざるを得ないなと(笑)。ただ、今回で最後で、よかったねなんて言ってたら、「いや、次はみんな声を出したいでしょ?」って言われて。もうね、擦りすぎ。
一同:ははははははは(笑)。
GUNN:でも、微妙にちょっと浸透していてよかったです。
──実は編集部からリクエストがあって。あのMCから、GUNNさんはそういったダジャレ的なものが得意なんじゃないかと。それで、かなり無茶振りなんですけども、謎かけをひとつお願いしたく……。
GUNN:はい(笑)。
──お題は「THE PRIMALS」でお願いします。「THE PRIMALSとかけまして、○○と解く。その心は」という。ただ、今すぐにというのは難しいと思うので、あとでお聞きしますね。
一同:はははははははははは(笑)!
祖堅:ずっと考えないといけないやつだ!
GUNN:あの、忘れたら忘れたで、そのまま終わって大丈夫ですからね?
コージ:後からEメールで送ればいいですよ。
祖堅が生み出す無意識のハイライト
──「件名:整いました」みたいな(笑)。後ほどよろしくお願いします。では、祖堅さん、個人的なハイライトを挙げるとすると、どの場面でしょうか。
祖堅:プライオリティで考えると全部なんですけど、その次によかったのはどれ?っていうレベルだと、1曲目の「Endwalker」から、振り下ろしで「輝ける蒼 ~希望の園エデン:覚醒編~」に抜けるところ。僕らは幕の後ろで演奏していたので、そこを撮られているとは思っていなかったから、すごい油断しているはずなんですよ。案の定、油断してるんですけど(笑)、「輝ける蒼 ~希望の園エデン:覚醒編~」のイントロがかかって、さあ始めるぞっていうところで、テツさんがドラムスティックで「いくぞー!」みたいにやっていて。で、音を鳴らし始める一拍前で、オラー!って(ギターを振り上げる動きをして)やって、バーン!って始めるのが映っていたんですけど、そんなことをしていた記憶がないんですよ。
GUNN:やってたよ。
祖堅:やってました?
GUNN:かっこいいフィードバック出したなーって思ったもん。
祖堅:はははははは(笑)! 映像を見て、おおー、かっこいいーって思ったけど、やってたんですね。なんかバンドみたい。
──あの、バンドですよ(笑)。
祖堅: そっか(笑)。あと、もう一個だけどうしても言いたいのが、「メタル:ブルートジャスティスモード ~機工城アレキサンダー:律動編~」のラスト辺りからの「ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~」ですね。ラストで音玉がドーン!って鳴って、ざわついている中で「ライズ~」がスタートして、そのまま時間停止に流れ込むっていうのが、一緒に楽しんでいる感じがすごく出ていて。ゲームサウンドのロックライヴならではの感じが詰まっていたかなって思います。
様々な名演が飛び出した、メンバーおすすめの音楽映像
──あのダメ押し感は本当にすごかったです。ここからは少し趣向を変えまして、みなさんがオススメのライヴDVDや、音楽にまつわる映像についてお聞きしていきたいです。
一同:(なんだろう……と呟きながら考える)
GUNN:ちょこちょこ観てることは観てるんだよなぁ。
祖堅:そう、ちょこちょこ観てる。
コージ:ちょこちょこ見る暇あります?
祖堅:うん。この前も乃木坂46とか観ちゃった。こんなことやってるんだ? みたいな。でもなんだろう……俺、2つあるんだよな。
たちばな:じゃあ僕からいきます。最近、オリビア·ニュートン·ジョンが亡くなったじゃないですか。それもあって、いろいろ動画があがっていて。あれは日本でやったライヴをテレビで放送したやつだったのかな。それのね、オリビア·ニュートン·ジョンの人柄の良さね。そこにちょっとほっこりしたのと、あと、あの頃の人たちってやっぱり歌が上手いんですよ。イヤモニとかもない時代なのに、あのピッチの良さ。改めて感心しました。
GUNN:僕、最近oasisが再燃してて。『supersonic』だったっけな。あれを改めて観たら、今はソロでやっている兄弟の感じを知っているからかもしれないけど、なんか、最初はこういう感じやったんやなぁ……みたいな。あれはドキュメンタリーなんだろうけど、すごいよかったな。別のベクトルでグっときましたね。
イワイ:今年のフジロックのジャック·ホワイトがものすごくよかったんですよ。でも、もうYouTubeからは消えちゃってますね。
たちばな:アーカイヴないんだ?
祖堅:一回しか再放送しなかったんですよ。
コージ:私は最近忙しくて、あまり映像とかライヴを観れていないんですよ。音楽は作業しながら常に聴いているんですけど、映像があるとそっちを観ちゃうので。でも、最近観たなと思うのは、Talking Headsのコンサート。80年とか81年ぐらいだったかな。
イワイ:最初にラジカセ置いてやるやつ?
コージ:そうです!(『Stop Making Sense』)デカいスーツを着てるやつ。あれはすごいですね。たちばなさんと同じような感じで、あの時代ってイヤモニもなくて、たぶん音響もすごく悪い状態なのに、全部生で、しかもたくさんの人がいるんですよ。ダンサーだったり、パーカションだったり。だけど、すごいグルーヴがあって。それがすごく印象に残ってます。
──祖堅さんは2つあるとのことでしたけど。
祖堅: 考えてたら3つになっちゃったんだよね……(笑)。ひとつは、Rage Against The Machineが大好きなんで、イギリスのテレビ局が勧めるクリスマスソングをぶっ飛ばせ的なところから始まった伝説のライヴ映像(『Live At Finsbury Park』)がすごくよかったって言おうと思ったんですけど、またレイジかよってなっちゃうんで(苦笑)、違う切り口で、The Chemical Brothersの「Star Guitar」。あのMVは何かのタイミングでついつい観ちゃうんですよね。電車の窓からの風景がずっと映ってるんですけど、バスドラとかおかずのタイミングに合わせて電柱が流れてきたり、ブレイクのところで駅に着いたり。すごくアイデアが奇抜で、ハイテクノロジーでやっている感じがするんだけど、実はめちゃくちゃアナログでやっていたり、しかもそれがちゃんと映像とリンクしていて。今だったらCGでやればできるじゃんとか思うけど、CGじゃないし、なんか魔法みたいなMVだなって。あと、どうしても捨てきれなかったので、もう一個いいですか?
──ぜひぜひ。
祖堅:今回のライヴBlu-rayのマスタリングをしたのがBernie Grundman Masteringっていうところなんですけど、グラミー賞とかガンガン獲ってるスタジオなのもあって、お宝音源が眠ってるんですよ。そのスタジオに、とある音源が転がってまして。それがマイケル·ジャクソンの音源だったんですけど。僕は、マイケル·ジャクソンはもちろん好きだし聴くけど、嗜む程度というか、特にそこまで……みたいな感じだったんですけど、そこでね、「They Don’t Care About Us」のマスタリング音源を盗み聴きしたんです。それがもうアゴが外れそうになって! すごいんですよ!
GUNN:俺も聴いてたけど、動けなかったよね?
祖堅:そうそう。動けなかった。あんなに全身に電気が走るみたいなことって、生まれて初めてだったからビックリしちゃって。突然何の音かもわからない、ビャーン! みたいな効果音が入ったりして。すごいアバンギャルドなミックスなんだけど、あれはなんて言ったらいいんだろうな……。
たちばな:あの頃の人達って演奏者の力もすごいし、音圧も今よりもよくないだろうけど、なんかすごくくるものがあるよね。
祖堅:そうなんですよ。なんか、マイケル·ジャクソンって本当にすげえ人なんだなって。そんなことは地球上に住む人なら知っているんだけど、改めてマイケルがそのスタジオで作った当時の音源を聴いたら、度肝抜かれちゃって。その衝撃のままMVを観たら、2バージョンあるんですよね。ブラジルの貧民街に行って撮ったやつと、刑務所みたいなところで撮ったやつと。それがすごく攻撃的なビデオだし、訴えたい内容とすごくリンクしていて。マイケル·ジャクソンって、キング·オブ·ポップっていわれてるぐらいだから、あんまりそういう印象なかったけど、すごくロックを感じてしまって。音で動けなかったのに、映像を観てまた動けなくなりましたね。あれはホントにすごかったなぁ。
GUNN:すごかったよね。あれだけで三杯飲める(笑)。
フェスのお声がけはお気軽に
──(笑)。貴重なお話をありがとうございました! 今後の活動に関してですが、ワンマンライヴはどんどんやっていこうと考えているんですか?
祖堅:やりたいですね。スケジュールと新曲次第ってところもありますけど。
GUNN:スタッフの方みんなと作ったライヴなんですけど、これはもっとやらねばという思いはやっぱりあって。なので、一旦、いろんなフェスに出させてください!
たちばな:いろんなフェスって肉フェスでもいいの?
GUNN:オクトーバーフェスとかではないですね。ビール飲めるのはいいけど(笑)。今回のライヴで、照明も映像も音響も、いろんなプロの方々の本気とプラスアルファを見せていただけたところもあったんですよね。そこにお客さんが来てくれて初めて完成するものではあるんですけど、そこまでの準備も含めて、いいものができたなっていう思いがあるので。そこもね、今回のスタッフがいれば、いつでも行けますもんで。
祖堅:あとはゲーム系のイベントもいけると思うので。そちらもいろいろありましたら、馳せ参じられればと思います。
整うのか整わないのかそれが問題だ
──様々な場所でTHE PRIMALSのステージが観れることを楽しみにしてます。そんなわけで、GUNNさん、整いましたでしょうか。
一同:ははははははは(爆笑)!
祖堅:忘れてないんかい(笑)! どうだろう、整い気味?
コージ:祖堅さんがマイケル·ジャクソンの話を長めにしてたから、考える時間はあったはず。
GUNN:整い気味です!
祖堅:おっ!
GUNN:「THE PRIMALS」とかけまして、「配信ならびにBlu-ray」と解きます。
たちばな:その心は?
GUNN:どちらも「イエーイ!(家)で観れる」でしょう!
一同:ははははははははは!(拍手)
GUNN:あれですよ? よくよく考えたらなんかおかしいなとか、そういうのなしですよ(笑)?
たちばな:80点!
祖堅:高い……!
GUNN:いや、(祖堅を指差して)45点って顔してるけど(笑)。
イワイ:何でも「家」に持っていくっていうね(笑)。
たちばな:その勇気に80点!
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