注目のお笑いコンビを紹介する『OWARAI Bros.出張版 これからの芸人百景』第25回は、シンクロニシティ。
昨年の『M-1グランプリ』で準決勝に進出。会社員として働きながらフリーで活動していた2人は、今年4月に吉本興業入り。プロ1本で生きる決意をした今の心境を訊きました。
なお、この記事は『TV Bros.』本誌8月号(発売中)でも読むことができます。
編集/竹村真奈
取材・文/高本亜紀
撮影/大槻志穂
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準決勝進出で晴れてプロ1本に
――社会人として会社勤めをしながらフリーで芸人を続けていた理由は?
西野諒太郎(以下、西野) コンビを組んだ当初はお互い、バイトをしながら芸人をやっていける関係性ではなかったというか。コンビを結成したのは私が社会人1年目で、相方が大学3年生くらいのときなんですけど。
よしおか 自分も卒業から5年、社会人をしていたんですけど、本当は卒業してすぐ芸人になりたかったこともあって『M-1』(ABC・テレビ朝日系)準決勝まで行けたら(会社を)辞めようって毎年思ってました。けど、社会人の頃は『M-1』の予選で落ちると“働いてるからいいや”、働いていて嫌なことがあったら“私はお笑いの人だから”って思っていたりもして。
西野 プロの人にも会社員の人にも嫌われそうな発言ですけどね(笑)。そうやって精神的なバランスを取ってたってことで、どっちかだけだとしんどかったかもしれないなとは僕も思います。で、2018年に初めて準々決勝に行けて。来年準決勝に行ったら辞めようと言ってたのに、結局2023年まで辞められなかった。準決勝の壁は厚かったです。
よしおか 去年、初めて準決勝には行けたんですけど、敗者復活戦までに怖くなっちゃったというか。お茶の間の批判があったらお笑いを辞めようかなと思うくらい、(プロになる決意は)揺らいでましたね。
西野 昨年12月中に社会人だけにするかお笑いだけにするかを決めようと話してたんです。けど、敗者復活戦に出たあと、カメラ(担当)の人に今後どうするかと聞かれたとき、まだ話し合ってないのに相方が「プロになります」って言っちゃって。ああ、そうなんだなと。
よしおか やっていけるなと思ったんです。
西野 プロになることを決めて、吉本以外の事務所の知り合いに話したら、みなさん口を揃えて「行けるなら吉本に入ったほうがいい」と言ったので、ダメ元で知ってる吉本の芸人さんにお願いして。そうしたら、社員さんに伝えてくれてすぐ連絡がきて所属できることになったんです。
――ちなみに、相談した芸人さんは誰だったんですか?
よしおか 令和ロマンの髙比良(くるま)くんです。正しい入口でした。
西野 彼がいなかったら間違いなく今はなかったので、ありがたいですね。
よしおか プロになってすぐ、寄席にも出させてもらうようになって。今まではたくさん芸人さんが出るライブで3分ネタをやるだけだったんですけど、寄席では客層に合わせて「私たち知ってますか?」って自己紹介したりとネタ以外も求められるんだなということを実感して。
西野 ゴールデンウィークに10分出番をいただいたんですよ。普段作ってるネタは『M-1』の4分に合わせて3分55秒くらいのものばかりなので、似たような内容のネタを2本繋げてギッチギチにやったんですけど、我々が終わったあとに出て行ったマユリカさんはバク転とかしてて(笑)。別のライブでは、僕らのあとに出たすゑひろがりずさんがお客さんからもらったお題を和風変換してポンポンポン! って(鼓を打っていた)。我々も(寄席への見せ方を)考え直さないとなと思いましたね。
――となると、ネタに対する考え方も変わってきそうですね。
よしおか 以前は『M-1』で準決勝まで行って仕事を辞めることが目的だったので、年に2本しっかりとしたネタを作ろうという感じだったんです。けど、これからはたくさんネタも必要だし、且つどの層のお客さんにも受け入れてもらえるようなネタをやらないといけないなと思ってます。
西野 何より年2本だと全然ネタ数が足りないなと気付いて、今は月2本くらいのペースで作ってますね。
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