OWARAI Bros. WEB版「同級生〜ときどき幼馴染〜」連載第1回後編 ミキ×相席スタート・山添

しばらく会っていなくても、不思議と当時の関係性に戻れる学生時代の友達。そんな関係だからこそ引き出せる表情や知られざるエピソード話が楽しめる新連載「同級生〜ときどき幼馴染〜」対談。

前編では相席スタート・山添 寛とミキ(昴生/亜生)。1歳違いの山添と昴生が同じ中学校のサッカー部で出会い、そのサッカー部の試合を観に来ていた昴生の弟・亜生を含めて、家へ遊びに行く仲になったという3人。山添の高校卒業後、一度、交流はなくなったものの、別々に進んだお笑いの世界で再会。今も家族ぐるみで付き合いのあるほど、仲がいい間柄だという。今回お送りする後編では、芸人として再会後の関係についてトーク。最後は思いもよらない展開も!?

構成/竹村真奈 村上由恵 取材・文/高本亜紀 撮影/大槻志穂
写真提供/ミキ、山添 寛(相席スタート)

OWARAI TV Bros.WEB版「同級生~ときどき幼馴染~」連載第1回 前編 ミキ×相席スタート・山添

上下関係はなくそうと約束したはずが……?


――芸人として再会した3人。昴生さんは山添さんよりひとつ年下ですけど、芸人としては1年先輩。芸人さんは上下関係が厳格ですが、どうしてたんですか?

昴生 会ってすぐ、敬語どうする?みたいな話はしました。けど、寛ちゃんに敬語を使われるのは気持ち悪いし、僕も昔、敬語を使っていたわけじゃなかったので、昔と一緒でタメ口にしようって。そのとき、ご飯も割り勘にしようって決めたんですよ。

亜生 それ、僕も覚えてる。

昴生 そうやろ? なのに、ほぼ100%、俺が寛ちゃんにおごってる!

亜生 幕張出番で一緒にご飯を食べに行ったときも、誰よりも早く店を出て、店の前でお兄ちゃんにめっちゃ深々と頭下げてたもんな。

昴生 嫁と3人でご飯に行ったときも、早めに出て店の前で頭下げてたもん。

亜生 プライドゼロやん(笑)。

山添 いやいや。ミキのほうが余裕で売れてるやん。なのに、俺がおごってたら、こいつ自分が全国区の芸人になってきたと思ってるやんって思われるやろ?

昴生 何それ。自惚れてるって思われるのがイヤやから、おごられてるってこと?

山添 俯瞰で見たら、そうやって。それにね、昔、ミキがなんかで賞獲ったとき、昴生に焼肉をおごったやん。亜生には「猫の世話で忙しいから」って断られたけど。

亜生 (笑)。あの頃、猫を拾ったばかりで大変やったから。

山添 そのとき、昴生に7000円くらいおごってるんです。今の価値やと70万円くらいやで?

昴生 そんなわけないやん。

山添 70万円分はまだおごってもらってないから。今、50万円分くらいやから!

昴生 いやいや、結構おごってるって。衹園花月で寛ちゃんと一緒の出番やって、実家の近くのラーメン屋へふたりで食べに行ったんですよ。会計しようと思ったら、いち早く外に出てるし、やっぱり店の前で深々と頭下げてて。

亜生 嘘やろ? 地元なのに?

山添 (笑)。なかなかできんやろ?

昴生 ほんまにイヤやったから、帰りのタクシーの中で「地元に帰ってきてまで、芸人の先輩後輩引きずるのやめようや」って言うたら、寛ちゃんが「それはこうで……」って言い訳してきて。そのやりとりを繰り返してたら、気づいたときに運転手さんが笑ってたんです。

山添 「おふたりは芸人さんか何かですか? コンビ組んでいらっしゃるんですか?」って聞かれて。「いや、コンビではないです」って返したら、「ああ、そうなんですね。コンビでやられたらいいのに」って。で、「やっぱり芸人さんなんですね。面白いなあ」って言いながら、「私、ずっと(ふたりの会話を)聞いてましたけど、メガネのお兄さんが絶対に正しくて、隣のお兄さんはずっとおかしい。あなたの言ってることは、ずっとおかしかったですよ?」って言われて(笑)。あれ、手応えあったなあ。

亜生 あははは! 衹園花月に帰ってきたとき、ふたりとも「手応えあったわあ」って、ずーっと言うてたもんな。

幕張の帰りは車内でイントロクイズ


――今はライブで一緒になることが多いんですか?

昴生 なぜか一緒の現場が多いですね。

山添 最近、幕張(よしもと幕張イオンモール劇場)での出番や営業で一緒になるときは、亜生の車で送ってもらったりしてて。帰りは3人でイントロクイズするんです。

亜生 寛ちゃんの出す曲が絶妙で!

昴生 ほんまに絶妙! 寛ちゃんがクイズ出して、僕が「Take On Me」って答えたときの車内の盛り上がり、すごかった! 車跳ねてた。

山添 ラッパーの車みたいに揺れてたよな。

亜生 僕、寛ちゃんの家まで迎えに行くこともあるんですけど、前日に「明日、幕張で一緒か。まあまあ、待ってるわ」みたいな連絡が来るんです。で、迎えに行くんですけど、普通そういうときって家の近所のコンビニ前とかで待ってるじゃないですか。けど、寛ちゃんは家の前までビタビタに迎えに行かせるんです。

昴生 しかも、家の前の道、細いねんな。

亜生 そう! 帰りも「この辺でええで」とかも絶対に言わずに、家の前まで送らせるんです。結構遠回りしてるのに。しかも、曲かけてる僕のiPhoneを平気で抜いて、自分のiPhone挿して曲かけるし!

山添 あははは!

昴生 その前は、僕が嫁に送ってもらう車に便乗してて。嫁が運転してるから、寛ちゃんもさすがに気を遣ってお菓子とかくれてたけど、そのチョイスが悪すぎて、毎回、嫁が「ああ……」みたいな微妙な反応してた(笑)。話題を提供してくれることもなく、後ろの席でずーーっと携帯をイジってるし。

山添 ……ただ、今のはミキ視点の話なんです。僕視点で言わせてもらうと、昴生も亜生も僕と一緒に現場まで行きたいな、出番の合間は一緒にご飯食べたいなっていう顔してるから、応えてるだけなんです。しかも、昴生は照れ屋なんで、僕から「どうする? どこ連れていきたい?」って聞いてあげてるだけで。

昴生 いや、いつも聞くタイミングがおかしいって。舞台袖で、僕らの出囃子は鳴ってるときに「ご飯、連れて行きたいやろ?」って聞くやろ?

――その状況だと、「うん」って言うしかないですよね。

昴生 そうなんです!「え? あ、ああ……」みたいな感じになって、結局おごることになってしまうんですよ。

山添の『ラヴィット!』出演、ミキの両親の反応は?


――幼なじみといえる人と、違うところから芸人を目指して同じ世界で一緒に仕事できているってすごいことですね。

昴生 ほんまですね。ちょっと不思議な感じがします。

亜生 素直に嬉しいですしね。こうやって取材してもらえるのもめちゃくちゃ嬉しいです。

昴生 今日も『ラヴィット!』(TBS)で一緒やったんですけど、視聴者プレゼントのキーワードを「#兎番組破壊神」にしてて。前回出たとき、寛ちゃんのお母さんがめっちゃ心配してたらしいんですよ。

亜生 親から汗マークの絵文字が送られてくることなんて、なかなかないですからね。

昴生 うちのおかんも、寛ちゃんのこと心配してると思う。この間、寛ちゃんが京都に営業で来てたらしくて。そのとき、おかんから「お花を楽屋に渡しに行ってもええか?」って連絡が来たから、「今(コロナの影響で)会いに行ったらあかんねん」って言うたら残念がってたもん。

山添 優しいんです、ミキのご両親は。

亜生 2~3年前かな。地元のお祭りも、うちの家族と寛ちゃんの5人で行って。僕ら、正月に帰られへんかったから、あの祭りを三木家のお正月にしようかって言うてたのに、寛ちゃんも一緒に来て「あれ食べたいなあ」って。

昴生 うちの両親にもおごってもらってました。

山添 そうかあ。おばちゃんとおっちゃん、『ラヴィット!』観てたかな?

亜生 絶対観てるよ! 新聞配達に来てくれてた寛ちゃんが僕らと一緒に出てて、観てないわけがない。……電話して、聞いてみるか?

山添 つながらへんかもしれんけど、1回かけてもらっていい?

昴生 じゃあ、俺がするわ。(スマホを取り出して)……あ、もしもし? 今日の『ラヴィット!』観た? 寛ちゃん出てたけど、どうやった? ……え、おとんがめちゃくちゃスベってたって言うてる(笑)? おかんは……ああ、わざとスベってる感じにしてると思ったんや。いつもの寛ちゃん、知ってるからなぁ。(と、山添への奇譚のない意見を聞いて)今、実は寛ちゃんも一緒に聞いてて。

山添 (スマホを受け取って)お世話になってます、おばちゃん! いろいろとお話しいただいてありがとうございます。胸を張って、おばちゃんに会いに行けるようにがんばります。僕、ビッグになるんで待っててください!(※山添のビッグになる発言については前編参照)昴生に替わりますね。

昴生 ほなまたね。ありがとう。

亜生 おかん、ありがとう~!(電話が切れて)新聞配達の途中で「ビッグになる」って言われたとき、ゾッとしたって言うてたな(笑)。

山添 それ、おばちゃんのほうがおかしない?

昴生 あはは! おかんは洗いもんとかしてて、ちゃんと観てなかったけど、おとんの認識ではめっちゃスベってたって。

亜生 あと、おかんが寛ちゃんはどっちつかずでいい子にも悪い子にもなられへん。中途半端に生きてるって言うてたわ。あーー、めっちゃおもろかった!

昴生 こうなったら、『ラヴィット!』で全ウケするしかないな。

山添 そうやな。全ウケして、視聴者プレゼントのキーワード「#おっちゃん笑ってる?」にするわ。

亜生 え……なんか、おとんがスベった感じになってない、それ。巻き込まんといてくれ!

昴生 おとんまで傷つけんといてくれ! 

ミキ
昴生(1986年4月13日生まれ、京都府出身)、亜生(1988年7月22日生まれ、京都府出身)。2012年結成。2020年『第5回上方漫才協会大賞』大賞受賞。毎週日曜『ミキの兄弟でんぱ!』(KBS京都ラジオ)など出演中。書籍『ミキ、兄弟、東京』(ヨシモトブックス)好評発売中。

山添 寛(相席スタート)
1985年6月11日生まれ、京都府出身。東京NSC14期生。2013年山﨑ケイと相席スタートを結成。10月よりさらば青春の光YouTubeチャンネル内でインディアンス田渕とともにラジオ『激イタ珍道中』配信中。

OWARAI TV Bros.WEB版「同級生~ときどき幼馴染~」連載第1回 前編 ミキ×相席スタート・山添

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