フィロソフィーのダンスメンバーが、偏愛ジャンルの達人と濃厚トーク! 十束おとはが憧れている大先輩で、元でんぱ組.incの成瀬瑛美とご対面! 前回はメンバーカラー黄色という共通点や、憧れの思いを激白しました。今回は2人のオタク歴を中心に話してもらいました!
取材&文/吉田可奈 撮影/飯田エリカ
――改めてお聞きしたいのですが、お2人がオタクに目覚めたきっかけをざっくりで良いので教えてください。
成瀬瑛美(以下成瀬) 私の母親が、アニメが大好きなだけでなく、趣味でマンガも書いていたんです。さらに、私がお腹の中にいる時からアニメソングをずっと流していたんですよ。
――胎教がアニメソングだったんですね。
成瀬 そうなんです! なので、その影響が大きいですね。一方父親は、アニメやマンガをほとんど見なくて、「俺は『がきデカ』と『静かなるドン』以外は認めん」と言っているタイプだったんです(笑)。でも、母親がものすごく濃いオタクだったので、小さなころからアニメやマンガをずっと見ていました。たぶん、遺伝子ですね(笑)。
十束おとは(以下十束) 私は家族にオタクがひとりもいなかったんです。
成瀬 そうだったんだね~⁉ どこからオタクになったの?
十束 小学校のときにポケモンがすごく流行っていて、ゲームもしていましたし、アニメも観ていたんですよ。そこからアニメやゲームが好きになり、中学で学校に行くのがイヤになった時期に深夜アニメにハマって、そこからズブズブと沼に足を踏み入れていきました。
成瀬 ポケモンはいいよね~。私、ポケモンのアニメの第一話が放送されると決まった時に、実家の福島よりも2週間ほど早く東京で放送されるという情報をキャッチしたんです。その瞬間に、絶対に最速で観たいという想い一心で、まだ子どもなのに親を説得して、東京の親戚の家まで見に行かせてもらったんですよ。
十束 小さなころから熱量がすごいですね!
成瀬 今思い返すとヤバイ子供だよね…(笑)。
十束 いい話です! だって2週間は大きいですよ。
成瀬 わかってくれてうれしいよ~(笑)。
――さて、そのほかにおとはさんがえいたそさんに聞きたいことはありますか?
十束 えいたそさんは、ステージングが本当に素晴らしいですが、一番何に気を付けてライブをしていますか?
成瀬 私が神だと思うことかな。
十束 すごい答え!
成瀬 あはは。アニメの影響で思い込みが激しくなっているから、ステージに立つときは我々がナンバーワン、宇宙ナンバーワンだって思いながら出られるようになったの。我々は絶対にみんなをハッピーにできるんだよってことを心底思いこんでステージに立っていますね。
十束 すごい! それはいつ頃からですか?
成瀬 最初からかな。お客さんが少ない頃からそう思っていましたね。
十束 それは全員の共通認識なんですか?
成瀬 う~ん…。全員の共通認識ではないね。ただ、ライブの前に、メンバーに“今日は一番のアイドルだよ!っ”て声をかけると、“はっ! そうだよね”って元気を出してくれたりするんですよ。
十束 言って欲しい~!
成瀬 じゃあ今度、ライブの袖に行くわ!
十束 お願いします! でも、そうやって他のメンバーにも気遣って声をかけられる余裕が、本番前にもあるというところが本当にすごいと思うんですよ。
成瀬 余裕はありますね。ただ、ダンスが不安な時はたま~にあります(笑)。でも、心構えはいつも100点!
十束 そういうアイドルってなかなかいないと思うんですよ。えいたそさんのような先輩がいると、さらに高みを目指せる気がしてきました!
成瀬 行ける行ける! 行けるよ!
十束 神になるところまでやらないとダメですね!
成瀬 なれる、なれる!
――その自己肯定感はもともと高かったんですか?
成瀬 もともと変身ヒロインものが好きなので、そういう思考なんです。たくさんの人を救う場所にでるからには私たちが一番無敵だと思うのが自然なんですよね。
十束 変身ヒロインもののアニメが道徳になっているんですね。
成瀬 そう! 学びになっているんです。
十束 私も変身ヒロインものが大好きなのですごく気持ちがよくわかります。ただ、自分が神になるまではまだ追いついていなかったので、明日から“自分が神だ”という気持ちで頑張ります!
成瀬 明日からGODだよ!
十束 はい!
――その思い込みはすごく大事ですよね。
成瀬 大事だと思うんですよね。言霊って本当にあると思いますし。詳しくはないですが、引き寄せの法則ってあるじゃないですか。だから、神になろう、高みを目指そうって思っているおとはちゃんはなれると思います!
十束 うれしい…!
――逆に、えいたそさんがおとはさんに聞いてみたいことはありますか?
成瀬 今お話ししていて、中学の頃、学校がイヤだったって言っていたけど…。
十束 そうですね。引きこもっていた時期があったのですが、その時に『WWD』を聞いてめちゃめちゃ救われたんですよ。
成瀬 そうだったんだね。
十束 きっと私だけじゃなくて、いまアイドル活動をしている子たちのなかで『WWD』に救われた子はたくさんいると思うんですよ。
成瀬 それはたしかに、すごく言われるね。そのたびに、やっていてよかったなっておもうし、その人の話を聞いてあげたいなってなりますね。たぶん、“救いたい欲”があるんだと思います。
――それは、母性?
成瀬 母性……だと思います。最近、つねに仏のような気持ちになっているんですよね(笑)。
十束 そうやって受け止めてくれる先輩がいるだけですごく嬉しいです。えいたそさんって、人を否定しないんです。
成瀬 しないね。
十束 肯定しまくってくれることが、当時の私も救われたし、今日もすごくいいなと思いました。
成瀬 めちゃくちゃ褒めちゃう! 今日もアイラインのキラキラかわいいし、黄色担当だけあって、光が見えるよ!
十束 うれしい~! どうしてそんなに瞬時に褒められるんですか?
成瀬 人間ってみんないいなって思うんですよ。本音で、否定的な気持ちが湧いてこないんです。
――それは昔からですか?
成瀬 そうですね。小学校の時に、「〇〇ちゃんって、こういうところイヤだよね」と言われても、「そう? 別にいいんじゃない?」って思っていて。
十束 たとえば、悪口を直接言われたときはどう思うんですか?
成瀬 「おお~! なんか言ってくれてる!」ってなる(笑)。ネットでいろいろ言われることもあったけど、“なんか言ってる”だけで終わりますね。もし、それでイライラしちゃったとしても、そうやって感情が動くことも大正解だし、怒っちゃう人がいたら何だか素直でかかわいいなって思ってしまうかも。
十束 すごい…!
――ものすごく怒っている姿も、ネコが威嚇しているように見える感覚ですか?
成瀬 そうですね。おお、怒ってるな~って(笑)。だって、人間楽しく生きないともったいないですよ!
十束 ゲームで負けるときも怒らないんですか⁉
成瀬 あ! ごめん! それは私も怒るわ(笑)。でも、おとはちゃんが何かに対して怒るのもすごく大事。アイドルとして負けん気は大切だからね。
十束 焦ったりすることもありませんでしたか?
成瀬 最初は焦りはあったかもしれない。10年前くらいだけどね。でも、いまは独自性を貫いているから、すごく余裕があるのかも。みんながテーブルを囲んでいる赤い椅子を狙っているとしたら、私は遠く離れた違う色の椅子に座ろうとしているので、あまり勝負にならないんだよね。
十束 私も違う椅子に座りたい!
成瀬 それでいいんだよ。でんぱ組.incも、最初は他のアイドルさんと一緒にライブをしてもお客さんが入らないことはたくさんあったし。でも、自分が好きだからやっているという感覚を貫いていたから今があるんだよね。もちろん、ご飯が食べられない生活の不安はあったけどね。
十束 どうやって乗り越えていたんですか?
成瀬 アイドルが楽しいと思えるのって、そもそもサービス業が大好きだからだと思っていて。昔、中華料理屋さんでバイトをしていたときに、お客さんに「おいしかった」っていわれたのがすごく嬉しかったの。人を楽しませるのが趣味なんだよね。趣味って、どんなに大変でも止められないでしょ?
十束 はい! なんだか、お話を聞いていたら元気が出てきました。
成瀬 元気が欲しくなったら、いつでも呼んでね!
十束 はい!
成瀬瑛美●でんぱ組.incの初期メンバーとして活動後、2021年2月にでんぱ組.incを卒業。声優や舞台、ソロのアーティストとして活動。アキバカルチャーを心底愛してやまないつねにテンション高めのヲタクアイドル!またの名をマキシマムえいたそ、口癖は 「バビューン!」。特技は「えい☆ラップ」。公式Twitterはこちら
十束おとは●フィロソフィーのダンスのメンバー。12月1日にメジャー4thシングル「サンフラワー」が発売! フィロソフィーのダンス公式Twitterはこちら。十束おとはのTwitterはこちら。
十束おとはが憧れの大先輩♡元でんぱ組.incのえいたそに会った【2021年11月フィロソフィーのダンス連載「偏愛記」】
『フィロソフィーのダンス 偏愛記』
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