猫のつまらない話 第11回【2021年5月号 能町みね子 連載】

文&題字イラスト/能町みね子 写真/サムソン高橋

前回ほかバックナンバーはコチラ!

https://tvbros.jp/%e3%80%90%e8%83%bd%e7%94%ba%e3%81%bf%e3%81%ad%e5%ad%90-%e9%80%a3%e8%bc%89%e3%80%91%e7%8c%ab%e3%81%ae%e3%81%a4%e3%81%be%e3%82%89%e3%81%aa%e3%81%84%e8%a9%b1/

 御簾越しならぬメッシュ越しの猫の写真を見ると、改めて、世界一かわいい猫なのでは?という確信がひしひしと我が身に伝わってくる。ごめんねルッキズムで、私は我が猫に関してはこの美貌を手放しで褒め称え、世界一かわいい猫だと主張することを誓います。私の猫に関しては、美醜によって評価することに一切ためらいません。だってどう見てもこの子は客観的に世界一かわいいからね。うちの猫だからかわいいんじゃなくて、世界一かわいい猫がたまたま私のところに来たんですよ。とんでもない偶然を引き当てました。異論は認めない。

 私はキャリーバッグにその世界一かわいい猫を入れて電車に乗る。

 私は電車でごくまれに猫や犬を持った人を見かけると、「猫や犬を運んでいる!」と思ってひそかに少し興奮する。きっと世の中の半分以上の人は興奮するだろう。そんなにお目にかかれるもんじゃないからな。

 つまり、私は今回、乗客を興奮させる側になってしまう。まいったね。

この記事の続きは有料会員限定です。有料会員登録いただけますと続きをお読みいただけます。会員登録はコチラ
Spread the love