押井守のサブぃカルチャー70年「オマケの巻 その2」【2020年12月号 押井守 連載第10回】

前回に続き、今回も「オマケ」について。オマケ文化にも強い関心を持つ押井さん。その1つには雑誌のカラーグラビアも含まれ、そこから押井少年のエロ話に突入!? 勢いあまってエロ本エピソードで関係者の実名が飛び出した(プライバシーは保護しております)、危険な第10回です。
取材・構成/渡辺麻紀

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オマケの変遷を語るだけで、戦後75年の歴史が語れる

――さて今回、オマケ文化の2回目です。前回の終わり、押井さんは『週刊漫画アクション』(1967年に週刊誌として創刊。2004年から現在は隔週誌に)のカラーグラビアの話をしていらっしゃいました。

私に言わせれば、雑誌のカラーグラビアもオマケですから。
『アクション』は、私が高校生の頃に創刊された青年向け漫画雑誌だった。ウリの漫画はモンキー・パンチの『ルパン三世』。いまのルパンはいいヤツだけど、連載当時のルパンは人を殺すわ女は犯すわの悪党だった。みんな『カリ城』(『ルパン三世 カリオストロの城』<1979年>)のイメージだろうけど、それは大間違い。あれは宮さん(宮崎駿)の勝手な捏造ですから。
モンキーさんはそれが不満で、亡くなる数年前に会ったとき、
「あんた、『ルパン』やってよ」
「いや、一度やろうとして失敗したんですよ」
「今度やろうよ、何をやってもいいからさ。今の『ルパン』はオレの『ルパン』じゃないんだよ」
なんて会話を交わしたからね。モンキーさんのルパンはピカレスクの悪党だったのに、その悪党の部分がすっかりなくなっちゃって、本人はとてもイヤだったみたいだった。
まあ、そんなわけで、当時の『アクション』は青年向けだったので、カラーグラビアもおねえさんのヌードだったんですよ。

――当時はそれが珍しかったんですか?

そうです。だって外国人、それもスウェーデンの金髪のおねえさんのフルヌードだったんだよ! メチャクチャかわいくて、とてもきれいな体をしているおねえさんのフルヌード。これはもう革命的だったんですよ。

――スウェーデンと言えば、当時はポルノの印象ですよね。

そうそう。要するにスウェーデン・ポルノのノリ。それがセンターの見開きになっている。ドライバーを使ってホッチキスを丁寧に外せば、1枚のグラビア写真になるんです。表紙は『ルパン』等の掲載されている漫画だったから、中学生も普通に買えていた。ヌード目的なのに、本屋のカウンターに持っていける。これはとんでもなくポイントが高い。超かわいい金髪おねえさんの美しいヌードのフルカラーグラビア。アサ芸(『アサヒ芸能』)じゃないんだから!

――『アサ芸』はちょっとオトナ向けっぽすぎそうですが、ヌードグラビアは当時もあったんですよね?

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