三宅伸治 PART2 「本当にね、音楽しかないんですよ、僕は。音楽だけなんですよね。馬鹿みたいだけど」 【不定期連載「旅と酒とブルーズと」】

ブルーズやソウル・ミュージックに根ざした、パワフルで共感性の高いロックンロール/ブルーズンロールで着実な人気を誇る三宅伸治。多い年は190本ものライヴを行なうそのタフさと音楽への純粋な思いが彼の音楽に輝きを与えているのは間違いない。忌野清志郎との深い関わりを中心に聞いた1日目に続く2日目のスタートだ。ここ2年でなんと6枚ものアルバムをリリースしてきた旺盛な創作意欲の秘密は? 興味津々!

取材・文/染野芳輝

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中学・高校の頃にめちゃくちゃ影響を受けた方々と共演させてもらえているのは本当に光栄だし、とても刺激になります。

ーー清志郎さんだけじゃなく、憂歌団の木村充揮さんとも度々共演してるし、今年の年明けには木村充揮ロックンロールバンドのバンマスとして3日連続でライヴをやったでしょう? あれは強力でした(そのうちの京都・磔磔での演奏がライヴ・アルバム『Rock Steady』として7月6日に発売されることが決定!)。

もともとは数年前のイベント「キムロック」のためのバンドだったんですけど。

『Rock Steady』7月6日発売

ーー1回だけじゃもったいない。木村さんや有山じゅんじさん、亡くなる前の石田長生さんとはお正月恒例の「新春!南吠える!!」で共演してきて、石田さん亡き後はそのポジションを三宅さんが受け継いだ形になってますよね。かつては友部正人さんとツアーをしてライヴ・アルバムを発表しているし、最近では友部さん、鮎川誠さんと3 KINGSとして活動している。いわば一世代上のレジェンドたちと互角に渡り合っているのは凄いなと思う。

互角っていうのはどうなんでしょう。でも、木村さんは憂歌団、有山さんはサウス・トゥ・サウス、石田さんはソー・バッド・レヴュー、鮎川さんはサンハウス、友部さんは最初から孤高の存在というか、そんな方々、清志郎さんやチャボさんも含めて、中学・高校の頃にめちゃくちゃ影響を受けた人たちですから、そんな方々と共演させてもらえているのは本当に光栄だし、とても刺激になります。あの人たちもいろんな先達から大きな影響を受けて音楽を始めたはずだけど、そこから一歩も二歩も踏み出して自分だけの表現というものを確立されている。僕はそういうところに影響を受けたし、尊敬しています。

ーー話を戻すと、87年にMOJO CLUBでデビューしたわけですけど。

時はバブルの時代でしたから、ロンドンにミックスで行かせてもらったり、ニューヨークに行ったり、それなりにいい思いもさせてもらったし、「君が降りてきた夏」というシングルがポカリスエットのCM曲になってちょっとヒットしたりしましたけど、ある日突然レーベルとの契約がなくなってバンドは路頭に迷うという経験も何度かしました。それでも曲を作ったりライヴをしたりすることは続けていて、次第に自分達でブッキングしてツアーするようになっていった感じですね。

ーーレコード契約がなくなって音楽をやめようとは思わなかった?

それはなかったですね。清志郎さんだって70年代に不遇の時期が何年間もあったわけだけど、それでもやめなかったでしょう? 僕がそういう目に遭っても不思議はないと思ってた。そりゃあ契約の更新はしないと告げられた時は“参ったなぁ”とは思いましたけどね。メジャーのレコード会社との契約がなくてもちゃんと活動している先輩たちがいることは分かっていたから。

ーーそれでインディペンデントな活動に移行していった。

MOJO CLUBではレコード会社や事務所がライヴのブッキングをしてくれてたわけだけど、ライヴで訪れるたびにライヴハウスのブッキング担当者や店の店主、ライヴを企画してくれる人たちと繋がりが深まっていくのを感じていたから、契約がなくなってもその繋がりが頼りになったし、あとは遠藤ミチロウさんが書いた「音泉マップ」(98年に出版された「音泉map 150:全国インディーズ・ライブスポット情報」)という本があって、あの本には本当に助けられましたね。僕が知ってるお店の数なんて限られてたし、とくに95年にソロになってからは小さなお店も数多く回る必要があったので、あの本はとても参考になりました。実際に行ってみたら全然話が違うなんてこともあるにはあったけど(笑)。

『ソングライター』というタイトルは僕をよく表していると思います。

ーーなるほど。「音泉マップ」に助けられたという人は多いですよね。そういうD.I.Y.的なやり方は得意なほうなんですか? オフィシャルサイトなんて、かなりしっかりしてますよね。

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