ミキ亜生「感度ゼロからのスタート」

ミキ・亜生によるカメラ連載「感度ゼロからのスタート」            第3回「ボケ感を知る」後編

一緒に暮らす愛猫5匹をきれいに撮りたいという思いから、昨秋、ミラーレスデジタルカメラを購入した亜生。カメラテクニックのレベルアップを目指して、このたび連載を始めることになりました。
第3回前編では、カメラマン・大槻志穂さんが『ミキ漫 全国ツアー』のアザーカットを使って作成したオリジナルのF値強化セットで、ボケ感を学んだ亜生。後編では吉本本社の中でボケ感を意識した写真を実際に撮影してみることになりました。

編集=竹村真奈
取材・文=高本亜紀
撮影=大槻志穂

連載「感度ゼロからのスタート」過去記事はコチラから
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ボケ感を実践で体験する

亜生 このF値強化セット、めっちゃわかりやすいですね! これ、すごい! 

大槻 それならよかったです。前編でF値についての基礎を学んでもらったので、これから外に出て撮影しましょう。今みたいな練習をしておくと、後ろにあるものを撮りたいときに意識してピントの位置を変えられるようになりますよ。

亜生 わかりました。

大槻 ここからは吉本本社で撮りたいものを探していきましょう。(と、会議室の外へ出るふたり。しばらく歩いて)……この窓は横から撮ってみるといいかもしれません。

亜生 奥行きを意識するってことですね。うわ、ほんまや。

大槻 コードも面白いですよ。F値でボケ感を意識すると、撮りたいものにいろいろと変化がつけられますよね。

亜生 この消火栓、四角の中に丸がある! すごい!

大槻 (笑)。消火栓の中に、亜生さんが好きな丸を見つけてるのがいいですね。

亜生 うわー! うまなってきてますわ、どんどん。はあー! ボケ感を覚えたらなんでも撮れますね。うわー、この椅子すごい! 丸もあって三角もあって……むちゃくちゃやん!(と言いながら、夢中でカメラを構える)

大槻 外の風景を撮るのであれば、手前をぼかして後ろにピンを合わせてもいいかもしれないですね。そうすると、手前の木がぼけて全体的にふわっとした印象になります。

亜生 難しいなぁ。けど、むちゃくちゃ楽しい!(と言いながら撮る)

亜生、F値の奥深さに感嘆


大槻 では、撮影した写真を見ていきましょう。この本社の廊下を撮った写真は最後に曲がっているのがいいですね。

亜生 手前にピンを当てて、奥はボケみを出しました。手前の配線とかも見せたかったのと、後ろをぼかしたほうが奥行きが出るかなと。ずっと廊下が続いているかと思ったんです。

亜生 さっきの窓の撮り方ってこういうことですよね? 窓枠の古い感じが出たらいいなと思って、手前の枠にピントを寄せて奥をぼかしてみました。奥にピントを合わすとしたら、手前をぼかして撮ればいいっていうことですね。消火栓の写真、光のバランスを撮るのが難しくて。

大槻 ちょっと暗い場所にあったので、撮り方は確かに難しかったですよね。どうしたんですか?

亜生 ピントを最初、赤いところに合わせたんですけど、張り紙に合わせたらきれいに撮れました。

大槻 白い部分でホワイトバランスを取ったことによって、絶妙な明るさを出せたんですね。これF値は?

亜生 2.8で撮りました。

大槻 この配線、いいじゃないですか! 

亜生 色に集中して撮影してみました。こういうことかって思いましたね。F値深い! というか、これを知っていたら、ひとつの撮影対象に対して撮り方が3~4パターン浮かびます。僕よりも上手な人はもっと浮かぶんでしょうね。携帯で撮るだけでもめっちゃパターンが出てくるんやろうなって。楽しいです! 知り合いとか友達とか撮るってなったらめっちゃ楽しそうですね。

大槻 そうですね。例えば、海に行ってみんなではしゃいでるときに、ピンを合わせる人次第で写真の印象は変わるでしょうし。

亜生 想像するだけで楽しそう。これはいい! めっちゃ楽しかったです。このF値強化マシーンはこのあとどうするんですか?

大槻 どうにも……(笑)。私が持ち帰るだけです。

亜生 僕、もらってもいいですか? せっかく作ってもらったんで持って帰って練習します!

〜今日のまとめ〜
・F値を意識するだけで、撮りたいものがより明確になる

・F値を知ると撮りたいシチュエーションが増える

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亜生(ミキ)
1988年7月22日生まれ、京都府出身。2012年、兄の昴生とコンビ結成。2020年『第5回上方漫才協会大賞』大賞受賞。毎週日曜『ミキの兄弟でんぱ!』(KBS京都ラジオ)、毎週月曜『ミキBASE』(MBS)、毎週金曜『ミキの深夜でんぱ!』(文化放送)など出演中。公式Instagramでは愛猫との生活が垣間見られる。

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