「ウルトラマントリガー」で主人公の相棒・ヒジリアキト役を演じ、そのツンデレで愛らしいキャラクターとまっすぐな演技で人気を集めた金子隼也。お気に入りの特撮フィギュアとともにTV Bros.WEBに初登場! 幼い頃からの特撮への愛、夢の特撮俳優になったことへの思い、悔しさ、嬉しさ、大河ドラマへの憧れ……熱いその気持ちを、赤裸々に語ってくれました。キュートなメーキングムービーもあります!
撮影/カノウリョウマ
スタイリスト/佐藤純志
ヘアメイク/Kaco(アディクトケース)
目次
◆特撮俳優でありながら特撮オタク。CGも良いけれど、やっぱりナパームの特撮演出が大好き!
――TV Bros.WEB初登場ということで、まずは自己紹介をお願いします。
「1999年11月27日生まれの金子隼也です。趣味は読書と映画を見ることで、特技はサッカー。体を動かすことが好きです。休みの日は家にいることが多くて、本を読んだり、韓ドラを見たり。基本的にはインドアです。あと、特撮が大好きです!」
――特撮を好きになったきっかけを教えてください。
「完全に両親の影響です。もともと父がウルトラマンも仮面ライダーも好きで、幼い頃に初代のシリーズをほぼ強制的に見せられて(笑)。そこから完全にはまりました。幼い頃にリアルタイムで放送していたシリーズも好きだけれど、CGを使わずナパーム(特撮で用いられる焼夷弾)を本当に爆発させたり、ジオラマを壊したりする初期の頃の演出が特に好きです」
――実際にナパームを使用する場合とCG演出では、金子さんとしてはどこに違いがあるのでしょうか。
「やっぱり迫力ですかね! CGはCGで良さもあって迫力もあるけれど、幼い頃から見ていたから、ジオラマを爆発させる演出はかっこいいなと思います。自分が出ていたウルトラマントリガーのときはCGと併用だったので、ナパームも経験できて、すごく楽しかったです」
◆「登場人物」になった実感は、いまだにないです
――金子さんはご自身の少年時代の「憧れ」から、その「登場人物」になったわけですが、実感はありますか。
「それが、今でもそんなにないです! 仕事だという意識はもちろんありつつも、いちファンが出ているみたいな気分です。撮影の裏側を知ることができたのもうれしくて。見ていただけでは分からなかったけれど、大変な部分もあることを知ることができました。幼い頃から見ていた特撮の現場を経験できるなんて特別な気分で、ずっとテンションが上がりっぱなしでした」
――そうなのですね。撮影中、これが意外だったなということはありますか。
「意外というか、自分が視聴者として見ていた当時もこういう風に撮影していたんだとか、裏側を知ることをできたのが嬉しかったです。怪獣と隊員たちが闘うシーンって、後から合成して組み合わせているんです。自分達を先に撮るので、怪獣がどこにいて暴れているのかも分からないまま、絵コンテだけ見て、目線棒を動かしてもらって撮影するんですよ。過去の名優の皆さんも、同じように演じていたのかなと想像すると嬉しくなります」
◆特撮フィギュアは、特撮俳優だけど自分で買います!
――今回撮影のために私物のフィギュアをたくさん持ってきていただいて、ありがとうございます。フィギュアについては、どんな思い出がありますか。
「今日持ってきたものは、高校生の頃に買ったものです。それまでは子どもたちが遊ぶソフビ(小さなビニールのフィギュア)をずっと持っていたけれど、そこからちょっと進化したものが欲しくなって買いました。500円のガチャガチャで出たもので、何が出るか分からないから子供の時は回せなかったんですよね(笑)。今日は持ってこられなかったけれど、6000円くらいする、関節が動くタイプのフィギュアも持っています」
――フィギュアを買っていた時期は、役が決まる前ですか。
「決まる前です。でも役が決まってからも、ずっと自分で買っていました。スタッフさんに『なんで買っているの? シリーズに出ているんだから、スタッフに言えばもらえるのに』って言われていました。それでも、欲しいものは自分で買います。あ、買えなかったものはいただいていたかも。そこは、ちょっとだけ甘えさせていただいていました(笑)」
◆オーディションに受かったときは「変身できない役だけれど、どうする?」と聞かれました
――金子さんは、もともと俳優になりたかったのですか。それとも、特撮俳優になりたいという気持ちが先だったのですか。
「同時並行ですね。高校3年生のときには俳優になりたいと思っていて、でも最初に出るなら特撮がいいという思いでした。幼い頃から特撮には出たいな、とぼんやり思っていたことを覚えています。オーディションも、特撮だと5回は受けたのかな」
――役に受かった時は、どのように知らされたのですか。
「マネージャーさんから電話で聞きました。でも、もともと主役で受けていたので『変身できない役だけれど、どうする?』というのが第一声でした。多分それは、マネージャーさんが僕の気持ちを尊重してくれていたからだと思います。僕の『変身したいから特撮に出たい、変身するシーンが撮りたい』っていう気持ちが強いのを分かってくださっていて。本来ならすぐに『おめでとう』だと思うけれどそのときはやっぱり、嬉しい気持ち半分、悔しい気持ち半分で、複雑だったので」
――「変身できない役」で出演を決めたことについて、今はどう思いますか。
「正直……今も変身したい気持ちは残っているけれど。それでも、初めてのドラマがウルトラマンで良かったと思っています。9カ月くらい同じ現場で、同じスタッフさんキャストさんと過ごす機会ってあまりないことだと思うし、いろいろなことを勉強させてもらえて、とてもありがたいですし、貴重な経験でした」
◆「変身できないアキト」が泣いているのか、「金子隼也」が泣いているのか
――金子さん自身、これまでの特撮俳優の先輩方を見てこられたと思うのですが、自分はこれまでの俳優とここが違うと思う部分はありますか。
「演じたヒジリアキトの『変身したかったけれどできなかった』という部分は、自分と全く一緒だと思います。だからこそ素直に演じられたし、リアルだったかなと思います。『ウルトラマントリガー』の18話で敵に取り憑かれて、『宝くじが当たった』とか自分の夢が叶う夢を見るという話があったのですが、そのときアキトが見た『変身をする』という夢に関しては、僕だけとてもリアルでした(笑)」
「CGを使って変身するバンクという撮影方法をした時に、主人公が撮影しているのと同じように、僕も撮ることになったんです。その前日は僕、大泣きしましたね……。泣いているのは役としてなのか僕本人なのか、分かりませんでした。そのときは初めて、あんまり撮影に行きたくないなと思いました。きつかったです。撮影当日は画角やカメラの位置も(実際の変身シーンと)同じで、レールも引いて、リアルに撮ってもらったんですよね。だからこそ、余計に」
◆「人の心を動かすことができる仕事」、自分には俳優しかない
――金子さんは子役引退後、大学受験のために浪人もされていたと伺いました。色々な進路があったかと思うのですが、その中でも芸能界に戻りたいと思った理由はなんですか。
「高校3年生まで、どうしようか本当に悩んでいました。その時『湯を沸かすほどの熱い愛』を見て号泣して、人の感情をここまで動かすことができる職業は、『自分には俳優しかない』『自分もその存在になりたい』と思いました。大学にもちゃんと行きたいという思いもあったけれど、現役受験のときは自分が納得できる大学ではなくて……。だったら一度立ち止まってみてもいいんじゃないかなと思いました。ちゃんと勉強するなら一度リセットしよう、一旦集中しようと思って。以前所属していた事務所を辞めて1年間勉強しました。その後大学に入ってからは、さぁまた一から始めなきゃ、という感じでしたね」
◆憧れの気持ちは、共演したときに伝えてみせます
――今後、どんな俳優になりたいですか。
「作品ごとに自然体な演技で、ドラマや映画の世界観にいる存在になりたいです。どんな役でも自然に、その世界観に入ることのできる役者になりたいと思っています。憧れているのは妻夫木聡さん。事務所の大先輩で、何度かお会いしたこともあるのですが……」
――憧れの気持ちは、お伝えしているんですか。
「していないです。いろんな媒体でお話もしているけれど、直接はまだ。でも事務所でお会いした時に言うのは違うかなと思っているんです。いつか役で共演することができたら、その時に言いたいなと思っていて。ほかには、自分が芸能界に入ったきっかけが小栗旬さんなんですけれど、小栗さんとも共演できるまで頑張ろうと思って目標にしています。小栗さんはまだ、僕にとってはテレビの中の人です!」
◆実は歴史オタクでもある。絶対叶えたい、大河ドラマ出演の夢
――最後に、これからの俳優としての抱負を聞かせていただけますか?
「目標は大河ドラマ出演です。大河ドラマもすごく好きで、真田丸とか天地人とかは実際にその後ロケ地や名所に行ったりもしたので」
――放送中の「鎌倉殿の13人」の撮影地は地元の神奈川県ですよね?
「そうそう、地元のロケ地も巡りました。自分が勉強した所、いろいろな所を巡りすぎて……どこが良かったとかはしっかり覚えていないんですけれど(笑)。地元より京都や大阪が楽しかったですね。一人でお墓を巡ったり、何もない跡地に興奮したり(笑)」
――一人だと、ロケ地巡りで行っても石碑と一緒に写真撮ったりはできないですよね……!?
「あ、そこに自分は写さないですよ(キッパリ)。写真だけ撮って、満足して、またいろいろな所を巡って。むしろ友達と一緒だと、それはできないので(笑)。ひとつ行った後に、次は全く反対側の所に行ったりもするから気を遣うし。歴史好きじゃない人からしたら、え、ここ何もなくない!? みたいな(笑)。だから1人で行きます。それくらい人一倍、大河ドラマには強い憧れがあります。大河ドラマ出演を目標に、これからのお仕事を一歩ずつ頑張りたいなと思っています」
特撮への愛も、俳優の仕事も、勉強も、それから歴史にも!? 時にオタクと呼べるくらいにまっすぐ、愛と情熱がある金子隼也。これから先、彼がまっすぐ熱を注ぐ夢の先に、どんな未来が待っているのでしょう。
大切そうにフィギュアに触れる様子や、時にフィギュアに見守られながら!? 撮影中の金子さんの様子は、ここだけの限定公開! リンクからチェックしてみてくださいね。
<プロフィール>
金子隼也 Kaneko Shunya
1999年11月27日生まれ。神奈川県出身。子役時代に「大!天才てれびくん」(NHK Eテレ)シリーズ出演。「ウルトラマントリガー」(テレビ東京系列)で主人公の相棒・ヒジリアキトを演じる。「沼にハマってきいてみた」(NHK Eテレ)に準レギュラー出演中。
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