「週刊ヤングジャンプ」で連載中、累計発行部数100万部を突破している人気漫画『少年のアビス』が実写ドラマ化。主人公に「心中」を提案するヒロイン・青江ナギ役を演じる北野日奈子にインタビューした。
取材・文/編集部
撮影/倉持アユミ
ヘアメイク/大場聡美
スタイリング/優哉
引きこもりの兄、認知症の祖母、その2人の世話と介護に疲れ切った母親。何もない田舎町で、家族4人で暮らす高校生の主人公・黒瀬 令児(演: 荒木 飛羽)。母に早く楽をさせるため、令児は高校卒業後は進学せず、自分をパシリに使う幼なじみの同級生・峰岸 玄(演:堀 夏喜)の父が経営する会社に就職することが決まっていた。これからも変わるはずのない日々の中で平凡に生きていく、そんな毎日に嫌気がさしたある日、令児は、田舎町に居るはずのない、憧れのアイドル・青江 ナギと出会う。とある事情で町に滞在するナギに頼まれて、町を案内する令児。人生で最も幸福な瞬間を味わった令児は、ナギに自分の身の上を打ち明ける。それを聞いたナギは、川にかかる橋の上で「心中」を提案する。驚きつつも、自分の未来に希望を持てない令児は、その選択肢に「救い」を見出す…。
今作でドラマ初出演となる北野。自身もアイドルグループ・乃木坂46のメンバーとして活動していた経歴だけでなく、パーソナリティの面でもナギと重なる部分が少なくないという。今作で演じる青江ナギの印象のほか、グループ卒業後の活動への想いについて語ってくれた。
【Profile】
北野 日奈子(きたの・ひなこ)
●1996年7月17日生まれ。北海道小樽市出身、千葉県育ち。2013年3月、乃木坂46の2期生オーディションに合格し、2014年4月に8thシングル「気づいたら片想い」で初選抜、正規メンバーに昇格。今年4月30日をもって乃木坂46を卒業した。女優としては、乃木坂46のメンバーとともに、舞台『じょしらく』シリーズ(2015、2016)や『あさひなぐ』(2017)に出演。今年7月に上映された舞台『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』でヒロイン・小夏を演じた。
明るいイメージを持たれがちだけど
実はそんなに「陽」なタイプではなく…
━━原作の印象はいかがですか?
北野日奈子(以下、北野):このドラマのオファーをいただいてから原作漫画を読んだのですが、読み始めた時は何日かに分けて読んでいくつもりだったのに、すごく惹き込まれて、ページをめくる手が止まりませんでした。
以前、ニュース番組を観て、令児くんのように家庭の事情により自分の時間がなく、町からも出られないような環境にいる子どもたちがいることを知りました。このような実状を漫画で描くことはとても難しいことだと思うのですが、漫画で描くことで、たくさんの人たちにこんな現実があることが伝わりやすいと思いました。『少年のアビス』でなければこんな感情を感じない、と思えるほどの衝撃的な作品でした。
━━今作で北野さんが演じる青江ナギは、主人公・令児の前に現れて「心中」を提案する女性。陰のあるキャラクターですが、明るい印象の強い北野さんとは対照的なように思えますが…。
北野:ナギちゃんはクールなキャラクターなんですけど、私は、アイドル時代には「天真爛漫だね」と言われることが多いくらい、私自身とは全くカラーが違う役です。
━━真逆なキャラクターというか。
北野:そうですね。喋るトーンから変えることを意識して、乃木坂のクールな先輩を思い出しながら演じています(笑)。
ただ私は明るいイメージを持たれがちなんですけど、実はそんなに「陽」なタイプではなく、ナギちゃんとはまた違った、誰にも言えないような「陰」の部分があって。私もアイドル時代に休業していて、ナギちゃんと重なる部分があることも感じています。
どんな分野に進んでも
誰かの心に届くお仕事をしたい
━━今年3月に9年間在籍していた乃木坂46を卒業されました。卒業してまだ日も浅いですが、7月には紀伊國屋ホールで上映された舞台「蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く」に出演、そして今作にヒロインとして出演されるなど、順風満帆に個人でも活動されていると感じるのですが、ご自身の手応えはいかがですか?
北野:手応えはあまり感じていないというか…。どんなお仕事も始まる前に「始まらなければいいのに」と思うほどに不安なんです。だけど、いざ始まると初めて知り合うスタッフさんや共演者の方の空気感に影響されて。皆さんどの現場でも一生懸命にお仕事してらっしゃるので、そこに迷惑をかけたくないな、という一心で取り組んでいます。自分がどう映るか、ということよりもその現場で迷惑をかけないように過ごせるか、みたいなところをすごく気にしちゃうので。でもそうすると、周りをよく見たり聞くようになるので、そうやって心がけていることでより作品の雰囲気を感じ取りやすくなるのかな、と思いますね。
━━今作の撮影現場の雰囲気はいかがですか?
北野:撮影前から、スタッフの方々と撮影シーンをひとつずつ打ち合わせさせていただけるなど、とてもありがたい環境でやらせていただいています。私はこれまで乃木坂46というアイドルグループに在籍していて、そこでの活動を軸に置いていたので演技の経験がほとんどなかったんです。とても不安だったので、オファーをいただいた時に「やります!」という返事がすぐにはできなかったのですが、その不安はスタッフの方々が一緒に解消していただきました。
撮影現場に入ってからも主演の荒木くんをはじめ、かとう監督、制作スタッフの皆さんが原作をすごく大事にされているのが伝わってきて。私も皆さんのように原作ファンの方々にも認められるように原作を大事にしつつ、このドラマで新たに『少年のアビス』に出会う人にも、その魅力が伝わる作品にしたいと思います。
━━アイドル活動中はモデル・バラエティ・舞台・音楽活動など幅広くお仕事をされていましたが、卒業してしばらく経って、個人で進みたい分野は定まりましたか?
北野:卒業してから三ヶ月くらいしか経ってない間にも、お仕事をいろいろさせてもらって一人での経験を少しずつ積んでいるんですけど、まだ自分の中で明確な目標はできていなくて。
今は「北野日奈子」として一人で頑張っていくことで乃木坂に恩返ししていきたいし、ずっとお世話になっていたスタッフさんに立派になったね、と言ってもらいたいです。自分のために頑張るというよりも、一緒にお仕事させていただくスタッフさんにちゃんと感謝を伝えながら、その分を返せたらと思います。
今はまだ、誰かのために、ということしか考えられてないので、どうしても「歌いたい」とか「お芝居をやりたい」とかは、まだ明確にはないんですけど大きな目標としては、どんな分野に進んでも、誰かの心に届くようなお仕事をしていきたいです。どんな分野でも、誰かの支えや元気の源になるような活動ができたらなと思っています。
【番組情報】
ⓒ峰浪りょう/集英社
ⓒドラマ「少年のアビス」製作委員会・MBS
公式SNS
ドラマ特区「少年のアビス」
2022 年9月1日(木)より順次放送スタート
■MBS 9月1日(木) 1話放送 24:59~
■テレビ神奈川 9月1日(木) 1話放送 23:00~
■チバテレ 9月2日(金) 1話放送 23:00~
■とちテレ 9月8日(木) 1話放送 22:30~
■テレ玉 9月8日(木) 1話放送 23:30~
■群馬テレビ 9月8日(木) 1話放送 23:30~
原作:峰浪りょう『少年のアビス』
(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載中)
出演:荒木飛羽 北野日奈子
本田望結 堀夏喜 和田聰宏 片岡礼子 / 松井玲奈
監督:かとうみさと、湯浅弘章
脚本:狗飼恭子
制作プロダクション:ホリプロ
製作:「少年のアビス」製作委員会・MBS
配信 Hulu にて見放題独占配信
※TVer、GYAO!、MBS 動画イズム
見逃し配信 1 週間あり
【予告動画】
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