栁俊太郎 映画『神は見返りを求める』インタビュー 言葉の重みを知った4歳の出来事とは「人が話す言葉って誰かの人生を変えてしまうもんなんだなと思う」

 『ヒメアノ〜ル』『空白』で評価を高めた𠮷田恵輔監督の最新監督作『神は見返りを求める』が2022年6月24日に公開を迎える。

                          

本作は「YouTube」を題材にした𠮷田監督のオリジナル作品。再生回数に伸び悩む彼女を不憫に思った田母神は見返りも求めず彼女のYouTubeチャンネルの運営を手伝うようになり、さまざまな企画動画を投稿するも依然として動画再生数は横ばいのまま。そんなある日、ゆりちゃんは人気YouTuber・チョレイ(演:吉村界人)、やり手のデザイナー・村上アレン(演:栁 俊太郎)に出会い、彼らの協力によって制作した過激な動画が大バズり。YouTuberとして大きく知名度を高めたゆりちゃんは、次第にチョレイやアレンと行動を共にするようになり、田母神を邪険に扱い始める……。  

                            

TV Bros.WEBでは今作を3日連続で特集。1日目に岸井ゆきの×𠮷田恵輔監督による対談、2日目は栁俊太郎、3日目は吉村界人の単独インタビューを公開する。6月24日という梅雨時期に公開される今作にちなんで、それぞれの「雨」にまつわるエピソードを展開。本日公開の村上アレンを演じる栁俊太郎の単独インタビューでは、今作で演じた絶妙に嫌なキャラクターを演じた想いのほか、幼少期に言葉の重みを感じたエピソードを語ってくれた。 (インタビューの最後には直筆サイン入りポラの抽選プレゼント企画も実施中。詳しくは【プレゼント情報】欄をご覧ください。)

取材・文/編集部
撮影/倉持アユミ

■『神は見返りを求める』3日連続特集

DAY1 岸井ゆきの×𠮷田恵輔監督
DAY2 栁俊太郎
DAY3 吉村界人

【Profile】
栁 俊太郎(やなぎ・しゅんたろう)
1991年5月16日生まれ、宮城県出身。 2009年、男性ファッション誌『MEN’S NON-NO』が開催する『第24回メンズノンノモデルオーディション』で選出されモデルデビュー。 2012年には映画『東京プレイボーイクラブ』で俳優デビューを果たす。以降、『猿楽町で会いましょう』(21/児山隆監督)『弱虫ペダル』(20/三木康一郎監督)『るろうに剣心 最終章 The Final』(21/大友啓史監督)、『桜のような僕の恋人』(22/深川栄洋監督)『生きててよかった』(22/鈴木太一監督)等話題作に出演。

                 

「ムロさんが絶妙に言いやすい
佇まいでいてくれるんですよね」


──今作でさんが演じる村上アレンの印象を教えてください。

栁 俊太郎(以下、栁):絶対に友達にはなりたくないタイプですよね(笑)。でも演じるにあたって、イメージがつきやすいキャラクターでした。デザイナーをやっていて、プライドが高くて、でもちゃんと結果を残しているから人を下に見てしまう…。そういう人っていますよね。 

──確かに(笑)。ただ、どうしてもムロさん演じる田母神の気持ちになって作品を観てしまうので田母神に強く当たるアレンは「嫌なキャラクター」に見られますが、YouTuberの裏方としてシビアに結果を追求しているという見方をすると、そんなに悪い人間だとは思えなくて。 

嫌なやつだと思われがちですけど、そんなに間違ったことは言ってないんですよね。「言い方とかあるじゃん」とは思いますけど、アレンはこの作品の中でも数少ない、デザイナーとしてちゃんと社会に出て戦ってきた人間で、他のキャラクターはぬるい感じで続けてるだけで戦えてないから、そんな周りにいる人たちを見下してしまう気持ちも分かる気がします。 

──だから演じるのは心境として複雑だったのかなと思いました。

そうですね。ただ今回は嫌なやつでいないと主演の二人を揺さぶることができないなと感じていたので、嫌なキャラクターに見せるように、というのはやっぱり意識していて。台本を読むと田母神の切ない感情も分かっているから演じる上で難しさがあったんですけど、それは主演の二人にすごく助けていただきました。例えば、浜辺でYouTubeを撮影するシーンでアレンが田母神に「田母神さん、早くしてよ!」と声を荒げて言うんですけど、その時もムロさんが絶妙に言いやすい佇まいでいてくれるんですよね。だからキャラクターの感情の自然な流れとして「怒るところはちゃんと怒らなきゃ」と思わせてくれてました。

──予告編でも使用されているシーンですね。YouTube動画の撮影シーンは、ほとんどアドリブだとお聞きしましたがやはり難しかったですか? 

栁:アレンがゆりちゃんのYouTubeチャンネルに登場する動画があって、それは岸井さんと撮影したんですけど、それまでに俺もYouTubeを撮ったことはなかったし、セリフもなかったから難しかったですね。アレンは口数が多いキャラクターじゃないので、どちらかというと岸井さんの方が自分から発信しなければならないのでとても大変だったと思います。そういう部分も岸井さんに助けていただいたと思いますね。 

                             

雨の日の露天風呂が超好きなんですよね


──今作は6月24日、梅雨時期に公開ということで「雨」をテーマに質問させてください。さんは「雨」で連想する作品はありますか? 

:今、二つ思いつきました。一つはポール・トーマス・アンダーソンの『マグノリア』。雨じゃないんですけどラストシーンでカエルが空から降ってくるんですよね。もう一つは思い浮かんでるんですけど、タイトルが思い出せない…(笑)。携帯見てもいいですか?  

…あ!『クラッシュ』だ。でも今調べたら『クラッシュ』って、雨のシーンがあるわけじゃないかもしれない(笑)。なんで雨でこの作品が思い浮かんだんだろう?  

──雨のシーンで覚えているというより、作品に「雨」のイメージがあったんですね。 

:すげえ切ない作品なんですよね。社会派の作品で扱っているテーマも人種差別や家族、警察の腐敗とか苦しくなるもので、悲しいイメージがあって雨だと感じたのかもしれません。だからこの映画のパッケージで映っている空もすごく天気いいし綺麗な青空なんですけど、暗いテーマの作品だから、よりその青空も重く感じて見えるんですよね。だから俺が勝手に雨だと頭の中で変換したのかもしれない。ちょっと見かえしてみよう、もしかしたら雨が降ってるかもしれない。 

──栁さんは雨の日はお好きですか? 

:晴れている方がそりゃいいですけど、雨がやたらロマンチックだなとふと感じる瞬間がありますね。あと俺、雨の日の露天風呂が超好きなんですよね。 

──すごく分かります。 

:あれ、なんか気持ちいいですよね(笑)。なんででしょうね? 雨が降っているからわざわざ行くってことはないですけど、上からは冷たい水が当たっているけど下はお湯に浸かっている、あの感じは結構好きですね。 

                 

言葉の重みを知った4歳の出来事


──村上アレンは、田母神とゆりちゃんの性格と人生を意図せず変えてしまうキャラクターです。さんご自身は、他人の言葉で「変えられてしまった」と感じた経験はありますか?

僕が小さいころ──4歳ぐらいの頃、母親と散歩していたら知らないおじさんから「なんだ、坊や。不貞腐れた顔して!」と言われたことがあって。おじさんは多分ジョークのつもりで言ったんだと思うんですよね、結局のところは発言の真意は分からないですけど。俺は不貞腐れた顔をしている自覚もなく母親と楽しく歩いていたから言われてもポカンとしていたんですけど、母親が「私の息子ってそんな顔してるのかな…」って傷ついて。その出来事があって、僕は写真コンプレックスになりました。今は克服したんですけど、集合写真とかもあまり映りたくなかったんです。だから母親にとっては、そんな子どもがファッションモデルになったということは不思議なことだったと思います。 

──幼少期のその出来事で身をもって言葉の重みを感じたんですね。

:そうですね。それくらい人って繊細だし、人が話す言葉って誰かの人生を変えてしまうものだと思うんですよね。そのことがあって俺が写真コンプレックスになったから、その反動で今のように表に出る仕事をしているのかもしれないし、写真コンプレックスになっていなかったら、表に出る仕事はしていなかったかもしれない。それは「たられば」のことだから分からないけど、母親が傷ついていたのを思い出すと、言葉の持つ力ってやっぱりでかいなと思いますね。 

──悲しいエピソードを思い出させてしまいました。

:全然、全然! この話は、自分の人格を形成する上でも大事な出来事だと思っているので。全然悲しくないですよ(笑)。

──最後に改めて今作の見どころを教えてください。

:𠮷田監督の作品って、感情の動きもすごいし展開もおもしろいじゃないですか。今作も絶対に楽しめる105分になっています。エンタメ作品なんですけど社会的なテーマを扱っていて、その中に現代社会の危うさと問題点が含まれていて。楽しく見れる作品だと思いますけど、観た後にきっと怖くなるし色々考えてしまう作品だと思います。 


【作品情報】

『神は見返りを求める』ポスター

©2022「神は見返りを求める」製作委員会

『神は見返りを求める』

2022年6月24日公開

■出演:ムロツヨシ 岸井ゆきの
若葉竜也 吉村界人 淡梨 栁俊太郎
田村健太郎 中山求一郎 廣瀬祐樹 下川恭平 前原滉

■監督・脚本:𠮷田恵輔

■主題歌:空白ごっこ「サンクチュアリ」 挿入歌:空白ごっこ「かみさま」(ポニーキャニオン) 音楽:佐藤望

■企画:石田雄治 プロデューサー:柴原祐一 花田聖

■撮影:志田貴之 ■照明:疋田淳 
■録音:鈴木健太郎 ■美術:中川理仁
■装飾:畠山和久 ■編集:田巻源太
■VFXスーパーバイザー:白石哲也

■衣裳:松本紗矢子 ■ヘアメイク:杉山裕美子 
■スクリプター:増子さおり ■音響効果:渋谷圭介 ■キャスティング:川口真五 ■助監督:松倉大夏 
■制作担当:森田勝政 

■音楽プロデューサー:杉田寿宏 ■ラインプロデューサー:島根淳 ■宣伝プロデューサー:宇佐美梓 

■配給:パルコ 
■宣伝:FINOR 
■制作プロダクション:ダブ


【プレゼント情報】

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抽選で1名様にプレゼント!

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