【ケビンスのトーク&マンガエッセイ連載「ケビ通」】第1話 ケビンスの自己紹介

ヨシモト∞ホールなどで活躍する人気急上昇中のお笑い芸人・ケビンスの新連載がスタート!コンビのネタ作りを担い、独創的な視点とイラストセンスを持つ仁木恭平が、快活なキャラクターで何かと注目を集める山口コンボイを主役にマンガを描き下ろします。

2人に話してほしいテーマや連載の感想はこちらまで!

取材・文/釣木文恵
撮影/武石早代

第1話「ケビンスの自己紹介」

 “バカ”と“ネタ書き”のコンビ

仁木恭平 この連載ではテーマに沿って2人でトークをして、さらに僕が山口コンボイを主役にしたマンガを描くということなんだけども。

山口コンボイ ありがたいねぇ~っ!

仁木 編集部さんから「マンガは仁木さんにお任せします」って言われたけど、トークも僕にお任せってことでいいかな?

コンボイ おい! トークは2人でするんだよ! でも正直、俺と会話するより、仁木くんにお任せしたほうが早いかも……。

仁木 初回のテーマは「ケビンスの自己紹介」ということで、初めましての方に、どんなところを知ってほしいかってことなんだけど……やっぱり「バカ」かな。

コンボイ バカ!?

仁木 山口コンボイは、仕事でミスしたりとか、自信がなくなったときに見たら安心できるような芸人だから。

コンボイ まあ、ファンの方から「コンボイさんが大きい声を出して動き回って漫才しているのを見ると、『明日も仕事がんばろう』って思えます」って書かれたお便りをもらうことはあって。俺はいつも情けないところとか、平場でダメなところとかをみんなに見せちゃってるけど、明るく元気にネタをやっているだけで元気をもらってくれてる人がいるんだと思うと、それはマジでめちゃくちゃうれしい。

仁木 うれしいよな。

コンボイ あのね、俺は、ケビンスってどんなコンビって言われたら「かっこいい」だと思う。白、赤、青。見た目の色味がいい。

仁木 「バカでかっこいい」、たしかに。あと、コンボイの場合、最近そこに「いちばん普通」が追加されてね。

コンボイ そう。占い芸人のますかた一真さんに占ってもらったら、「これまで占ってきた数千人のなかで、コンボイはいちばん普通の人間」って言われちゃって。

仁木 残念だな。

コンボイ 残念だよ。でも「いちばんいいヤツ」とも言われたよ。

仁木 普通っていうか、無個性・無趣味なのかな。

コンボイ 無趣味・無関心は多少あるかもしれないけど、どう考えても無個性ではないだろ!

仁木 個性ってことで言うと、見た目で関係性がわかりやすいコンビではあるよな。真空ジェシカさんきっかけで知ってくれる人も多いんだけど(※真空ジェシカのラジオで、山口コンボイの名前が良く出てくるため)、「2人の関係性がいいなと思って、気になって見てみたらファンになった」ってよく言われる。俺が先輩で、コンボイが2年後輩。ネタを書いてる方と、身体を動かす方。それぞれ役割分担がしっかりあって、それがパッと見でわかるみたい。

コンボイ そうだね。

仁木 別に演出したつもりはなくて、2021年にコンビを組んでだんだんお互いの役割がわかるようになって、自然とこうなっていったんだよな。だから、ケビンスは見た目通り、 “バカ”と“ネタ書き”のコンビです。

飛ばすぜ、山口コンボイ

仁木 芸歴でいうと、僕が13年目、山口コンボイが11年目だけど、まだまだお笑いを勉強しているところがあるから、変化を楽しめるコンビではあると思うんだよね。特にコンボイの成長過程を、観察日記的に楽しんでもらえたらうれしい。

コンボイ あー、いいね!

仁木 コンボイほど日によってコンディションに浮き沈みのある芸人、いないよな。

コンボイ 確率でお笑いやっちゃってるところがあるからなー! 毎朝サイコロ振って、面白い/面白くないがランダムで出てくる感じ。

仁木 コンボイって漫才のたびにすごい汗かくから、周りの芸人から「そんなに動いて漫才やってすごいな」とか言われたりするじゃん。でもあれ、本当はネタ飛ばしそうで汗かいてるだけだもんな。

コンボイ そう、本当は冷や汗のほうが多いんだよね。でも、めっちゃ汗が出てくれるおかげでみんなにかまってもらえるよ!

仁木 最近もよくネタを飛ばしてるしな。

コンボイ 飛ばしてるねー。ただ、前向きな飛ばし方だと思ってる。

仁木 どこがよ? いちばんよくない飛ばし方してるよ。

コンボイ ウソ!?

仁木 昨日だって大事なフリを飛ばしたせいで、漫才の途中で紹介されてないキャラが突然出てきたしさ。

コンボイ あーそっか。でもさ、仁木くん、出番のギリギリまでネタ書いてるじゃん? で、新しいことを思いついたら、出る直前の舞台袖で伝えてきたりするじゃん?

仁木 いや、ワード1個変えるとかだろ? この前も出番の少し前に「『こんにちは』を『はじめまして』に変えてくれ」って伝えて、お前も「オッケー!」って言ってたのに、試しにちょっとやってみたら5、6回「こんにちは」って言ってたでしょ。

コンボイ こんにちは!

仁木 で、その後にやりたかった部分の練習をする時間がなくなって、結局めっちゃ飛ばしたでしょ。

コンボイ いや、あれもまあまあ直前だったから……。

仁木 出番直前だと厳しいってこと? 「こんにちは」を「はじめまして」に変えるのも?

コンボイ 「こんにちは」を「はじめまして」に変えるんだったら、1時間前には言ってほしい。

仁木 そんなのコンビ組む前に言ってよ!

コンボイ そっか。組む前に「仁木さん、相談があるんですけど。たとえば『こんにちは』を『はじめまして』に変えることになった場合は、1時間前に言ってください」って伝えるべきだったか。

仁木 そしたら「他の相方候補にも声かけてみるわ」って返したのに。

コンボイ 仁木くんと組みたくて騙しちゃった!

仁木 勘弁してくれよ。しかもさ、コンボイがネタ飛ばす直前って、顔見てたらわかるんだよ。目つぶってるから。

コンボイ あれは目をつぶって外の情報を遮断して、必死にネタを思い出してるんだよね。

仁木 お客さんにも「あれ、そろそろ飛ばすぞ?」って伝わるようになってきちゃってる。お客さんからしたらあれは不安だよ?

コンボイ 今年6月にあった単独ライブでは気をつけようと思って、なんとか目を開けて新ネタ5本完走したんだよね。そこからはもう、目をかっ開いたガンギマリの顔でネタを飛ばすのと、目をぎゅっとつぶって飛ばすのと、両方のパターンを持ち合わせるようになって、ややこしくなっちゃった。

仁木 これはよくないわ。ネタを飛ばしたことでウケてた時期もあったけど、だんだんシャレにならなくなってきた。2024年はネタとばしゼロでいこう。

ケビンスを組んで本気でリスタート

仁木 僕ら、新たにコンビを組み直してリスタートした2人だから……。

コンボイ (食い気味に)うん、うん。

仁木 どこで相槌打ってんの(笑)。

コンボイ その入り、いいぞって。「リスタート」って言葉いいよ。

仁木 ちょっと、邪魔しないで。

コンボイ あーいいね!

仁木 邪魔だけしないでください。……お互い芸人になってからケビンスを組むまでの10年くらい、たぶん本気で頑張ってこなかったんだよ。2人とも怠惰に芸人やってた。そんな人間が本気で取り組んでみたらどうなるかを楽しんでもらいたい。まあ、コンボイが本気になるのはこれからだと思うけど。今はまだ、僕がネタ書いてる間、家で眉毛整えてるだけだもんな。

コンボイ そうだね。眉毛を抜いたり、あとは都こんぶを細かく刻んで炊き込みご飯を作ったりしてるだけだから……。いや、そりゃ仁木くんに比べたら俺は全然努力が足りてないよ。仁木くんって、今まで見た芸人の中で一番努力してる人だと思う。楽屋でずっとでっかいノートに汚い字でネタ書いてるじゃん。あの姿を見て、周りの芸人も触発されてたりするもんね。

仁木 そこにコンボイの足並みも揃ったらもっとお客さんが楽しめるんじゃない? その、僕らの本気の姿を、ぜひ見てほしいです。

 

作:仁木恭平

ケビンス
仁木恭平(1991年6月19日生まれ、北海道出身)、山口コンボイ(1993年5月25日生まれ、新潟県出身)。2021年結成。ヨシモト∞ホールを中心に活躍。ラジオアプリGERAにて「ケビンスの男前放送」配信中。

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