真犯人フラグ佐野・芳根京子

芳根京子×佐野勇斗「笑いの絶えない現場だから、シリアスな作品でも気が落ちない」【『真犯人フラグ』インタビュー】

日曜ドラマ『真犯人フラグ』(日本テレビ系)が、SNSを中心に大きな盛り上がりを見せている。本作は、秋元康による企画・原案、大ヒットドラマ『あなたの番です』制作スタッフが再結集した2クール放送の完全オリジナル新作ミステリー。1月9日から『真犯人フラグ-真相編-』がスタートする。

今回は西島秀俊演じる主人公・相良凌介を支える、部下の二宮瑞穂役の芳根京子と、凌介の長女と交際中のITベンチャー社長・橘一星役を演じる佐野勇斗にインタビュー。ドラマの反響や、2021年を振り返ってもらった。

撮影/友野雄
取材・文/於ありさ

「犯人でしょ!」って言われます(芳根)


──SNSを中心に盛り上がっていますが、おふたりの元にはどんな反響が届いていますか?

佐野勇斗(以下、佐野):まずは「犯人教えて」って声が多いですね。あとは先が読めない展開なので考察しながら見ている方も多いようで「おもしろい」って言っていただけます。

芳根京子(以下、芳根):私は犯人教えてと同じくらい「犯人でしょ」って言われます。

佐野:ははは(笑)!

芳根:え? 言われない? いろんな現場で言われるよ。

──芳根さんは視聴者の方からも、かなり疑われていますよね。

芳根:そうですね。ぶっちぎりで疑われていて、先日4回目の1位(取材当時)を取りました。

佐野:疑われすぎでしょ(笑)。

『真犯人フラグ』公式HPでは、視聴者が「真犯人」だと思うキャラクターに投票できる「一番怪しいのは誰!?#みんなの真犯人フラグ」が毎週開催され、投票結果はランキングで発表される。ちなみに芳根京子さん演じる二宮瑞穂は前半12回のうち7回、1位に。

──怪しさと怪しくなさの両面を見せるのが、考察系のドラマ特有の難しさかなと感じるのですが、役作りのこだわりを教えてください。

芳根:監督に「怪しさを表現しようとかは、あまり考えなくて良いよ」と言われたので、意識しないようにしています。それなのに怪しいと思う人ランキングで4回も1位なんですよね…。(取材当時)

佐野:普通にやってるのにね。

芳根:考察してくださっている方々が、瑞穂のバックボーンを想像して怪しんでくださっているのは、見ていてすごく嬉しいですね。

佐野:僕も「そのままでいいよ」と言われたので、あまり意識しないようにしています。

芳根:怪しくしようとすることはないよね、結果怪しく見えている時はあるけど。

佐野:うん、それに近いのかもしれない。

芳根:でも、オンエアを見て「絶対、これ怪しまれるじゃん!」って思うことはあります。

佐野:まあ、たしかに瑞穂に関しては「どこから出てきたの?」って思うようなシーンもあったよね。

芳根:うん。でも、瑞穂は、これからさらにいろいろなことが起きるので、ぜひもっと楽しんでもらいたいです。

──オンエアされたものなど、客観的に本作を見ての感想を教えてください。

芳根:事前に結末まで知っちゃっているので「この人、こういうこと言うのか」と驚くことがあって、そういうところがおもしろいですね。

佐野:脚本がおもしろいのはもちろんなのですが、犯人は…。

芳根:え?言うの?

佐野:いや、言わないよ(笑)! 犯人は誰かを考察してくれている人もいる中で、演者側と視聴者側の関係性がおもしろいなと思っています。

芳根:実際に考察班の人たちの意見を見て気付かされることも多いよね。

佐野:そうそう。自分が何の気なしに、自然に演技した目線の動きとかが考察に影

響することもあるんですよね。だから、余計なことをしないようにしています。

芳根:放送されるまで知らない場面というのも結構あるんですよね。視聴者の一人としては、菱田さん(演:桜井ユキ)の動向は毎度楽しく見ています。台本で読む以上に不気味に表現されているので、おもしろいんですよね。

──結末を知った上で、演じることはどういう感覚なのでしょうか?

佐野:多少それぞれの役に対して「やってるな~」と感じることはありますが、演じづらいなという感覚はありません。

芳根:西島さんは、私たちが結末を知っていることを知らなかったので、それがおもしろいんですよね。たまに「どう思う?」って聞かれることもあったのですが、知らないふりをしていました(笑)。

                     

西島秀俊は「現場の空気を作るのが上手」


──お互いの第一印象を教えてください。

芳根:実は、かなりの人見知りなのですが、今回の現場は半年一緒なことがわかっていたので「どうせなら、みなさんと仲良くなりたいな」と意気込んで入ったんですね。でも、佐野くんは頑張らなくても仲良くなれました。

佐野:最初から仲良くしゃべらせていただいたので、あとから「人見知りなんだよね」と聞いて驚きました。僕も全然気を使わなかったですね。

──撮影が始まってすぐのインタビューでは和気藹々とした雰囲気だったとのことでしたが、撮影が進んだ今の雰囲気を教えてください。

芳根:笑いが絶えなくて困っています(笑)。こんなにシリアスな場面がたくさんあるドラマなのに、こんなに笑いがあふれている現場でいいんだろうかって。

佐野:わかる。半年間、シリアスな物語に向き合う中で、本当にありがたいんですよね。

芳根:そうそう。だからこそ良いバランスが取れてるのかなと思いますね。気持ちを落としすぎることなくキープできているというか…。

佐野:いつも西島さんを起点に笑いが起きているので、西島さんが上手に現場の空気を作ってくださっているからだなと思っています。

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俳優、そしてプライベートでの2021年の振り返りと、2022年の野望


──おふたりにとって2021年は、どんな1年でしたか?

佐野:めちゃくちゃ長く感じた1年でしたね。「ドラゴン桜」からまだ1年経っていないのかってしみじみ思います。本当に濃い1年を過ごさせていただいたので、来年も、さらに濃くなればいいなと思っています。

芳根:上半期はいろんな現場に行かせていただいて、下半期は真犯人フラグという現場にずっといて、ホームができた気分で…と前半と後半で対照的な1年だったなと思います。毎年「前の年の自分を超える」ことを目標にしているのですが、来年はどう超えればいいんでしょうねというくらい濃かったです。もっと頑張って行くことには変わりないのですがね。

──テレビで見ない日はないと言っても過言ではないくらい多忙なイメージなのですが、プライベートで始めたことはありますか?

佐野:英語を始めて、やめました。

芳根:え?やめたの?

佐野:10か月、ほぼ毎日、日記を書いたり、いろいろな方法で勉強していたのですが、ここ1か月できていないんですよ。また、どこかのタイミングで再開したいです。

芳根:私はももいろクローバーZの玉井詩織ちゃんと桃鉄100年を始めました!

佐野:100年って結構だよね?

芳根:そう! でも、始めた直後に別のゲームにハマっちゃったので、まだ15年しかやっていないんです(笑)。年末年始にやろうと約束しているので、もう少し進めます!

──2022年は、どんなことをしたいですか?

佐野:僕は自然を見にいきたいですね。休みの日は家に篭ってしまうことが多かったのですが、人がいないところに行きたいです。世の中が落ち着いたらですが、山に行ったり、サーフィンをしたり…自然の中でいろいろやりたいですね。

芳根:私はプロフィールの特技欄に書ける特技を見つけたいなと思っています。全然更新していないので…。

佐野:今は何って書いているの?

芳根:今はね、たしかピアノとフルートと…。

佐野:ピアノとフルート!?音楽できるんだ!

芳根:でも、バリバリにやっていたのは過去の話なんだよね。だから、今は「これが得意です!」と言えるものがなくて。資格でも取ろうかな…。

佐野:えー!どこまで頑張るの。人生頑張りすぎじゃない?

芳根:だって、栄養なんちゃらの資格とか持ってたらかっこよくない?

佐野:まあ、そうだけどね。

芳根:まあ、でもたしかに、自分が何を目指しているのかわからなくなることはよくあるけどね(笑)。

                   

真犯人フラグ』を通じて伝えたい言葉の重み


──いよいよ1月から「真相編」が始まります。おふたりが『真犯人フラグ』という作品を通して伝えたいことを教えてください。

佐野:7話で西島秀俊さん演じる凌介が芳根さん演じる二宮瑞穂を庇ったシーンは、ぜひ見てほしいですよね。言葉1つで人の人生を救うこともできるし、壊すこともできる。SNSが普及している今の世の中だからこそ、伝わって欲しいです。

芳根:人から聞いた話を間に受けちゃいけないんだなというのを強く感じています。嘘って広まりやすいこと、事実ではないことを広まったりすることを実感して、自分が見聞きしたこと以外は、100%で信じちゃダメだなって。表に立つ仕事をしていることもあるので、言葉を大切にしなくちゃいけないなというのは私自身、痛感しています。

──これから物語はどのように進んでいくのでしょうか?

佐野:内緒ですよ!言えないです(笑)!

芳根:どこまで言っていいのかな…。ただ、徐々に各キャラクターのバックボーンが見えてくると思うので、そこは楽しんでほしいです!

                                                   

【番組情報】
日曜ドラマ『真犯人フラグ-真相編-
日本テレビ系 2022年1月9日スタート 毎週日曜午後10:30~11:25
企画・原案 :秋元康  脚本:高野水登

【プロフィール】
芳根京子(よしね・きょうこ)
●1997年生まれ。東京都出身。NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』では主演を務めた。出演映画『峠 最後のサムライ』が2022年公開予定。

佐野勇斗(さの・はやと)
1998年生まれ、愛知県出身。2021年には『ドラゴン桜』(TBS系)、『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)に出演し、大きな反響を呼ぶ。

                                                    

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