オカモトレイジ(OKAMOTO’S)、Yohji Igarashi、音楽ライター・宮崎敬太のチング(友達)同士による、K-POPをサウンド面から深掘りしていく連載。Kカルチャーに造詣の深い2人がサウンドの面からK-POPを分析しつつ、トラックメイカーYohji Igarashiと共に元ネタを探りながら理解を深めていこうという企画。
今月は電撃復活したJvcki Waiや、aespaのリミックスを手がけたBRLLNT、そしてYAGIの話題まで盛りだくさんでお届けします。
取材&文/宮崎敬太
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目次
Jvcki Waiを俺に教えてくれたのはヨージ
ケイタ:『28 Reasons』(カン・スルギのソロ)のスペシャルバージョン買ってきたよー!
レイジ:ありがとうございます!
ヨージ:K-POPのCDってそんなに買えないものなの?
レイジ:最近全然買えない。すぐ売り切れちゃう。このスペシャルバージョンは3種類出てて、俺は1種しか買えなかった。
ケイタ:それをレイジくんのインスタで知って、調べたら近所のタワレコに在庫あったから買っといたの。
ヨージ:えー、今そんな感じなんですね……。
ケイタ:うん。円安の影響か数年前より高くなってるんだけど、お店に並んでる量が少なくなった気がする。売り場自体は広くなってるのに。ちなみに第73回NHK紅白歌合戦への出場が決まったルセラフィムの新作『ANTIFRIGILE』も結構少なかった。中身がすごく豪華だからみんな買いたくなるのかな? トレカは専用の封筒に入ってるし、ステッカーもいっぱい入ってるし。
レイジ:これすごいっすね。めちゃ豪華なお土産みたい(笑)。
ケイタ:しかも短編小説が入ってて。調べたら韓国の若手SF作家が書いてるんだって。
レイジ:山塚リキマルみたいな(笑)。
ケイタ:これをきっかけに韓国語勉強しようかな。表3のQRコードからネットでも読める。パッケージに短編小説入れちゃう発想ヤバイなと思って。『28 Reasons』のスペシャルバージョンにも言えるけど、前にヨージさんのアルバムができたらYAGIで売ろうみたいな話が出てたけど、こんくらいしっかりしたアイテムなら多少高くても買うなーと思った。
ヨージ:グッズとしてね。
ケイタ:うん。この前『Hiroshi Fujiwara presents ARCHIVE of MEMORIES』って雑誌が一冊まるごと藤原ヒロシ特集でさ。2200円と高いけど、特製ステッカーもついてて、内容もしっかりしててファンとしてかなり満足したの。中途半端なものより濃いものにお金使いたい。多少高くても全然買うなって。
レイジ:ヨージ流れでいくと、最近電撃復帰を果たしたJvcki Waiを俺に教えてくれたのはヨージなんですよ。
ケイタ:え、そうなの? しかも新しいレーベルがAOMGだったよね。ヨージさん先見の明ありすぎじゃん。
ヨージ:何かたまたま色々漁ってて発見したんですよ。フォロワーがまだ3000人くらいしかいなかった。
レイジ:あの子もいまはカリスマですからね。MANONちゃんもヨージが一番早い。見つけた時のMANONちゃんはまだめちゃくちゃ子供で、俺らも「さすがに声かけたらヤバいんじゃないか」みたくなってた(笑)。最近なんか面白い人いた?
ヨージ:BRLLNTって人がかっこいいね。
レイジ:aespa「Girls」のリミックスをやってた人でしょ? 俺も詳しくないけどあれカッコよかったよね。
aespa 에스파 ‘Girls (BRLLNT Remix)’ MV
ヨージ:うん。aespaのリミックスはEDMトラップみたいな感じだったけど、BRLLNT名義では幅広くいろんなタイプの曲をやってるんですよ。あの人がポップスのプロデューサーなのか、ベースミュージックのプロデューサーなのかが知りたくてさ。
レイジ:Soapから出してるわりとアングラな人だね。Paul Blancoとやってる「Cash」って曲とか良い感じだったよ。
ヨージ:韓国っぽい音だよね。
ケイタ:具体的にどういうこと?
レイジ:アタックが強いんですよ。硬い金属を叩いてるような(笑)。韓国って日本よりも電圧が高いから迫力ある音が出るんです。
ケイタ:普通にギター鳴らしてるだけどカッコよく聞こえるって言ってたもんね。
「EDMを好きな人がこんないっぱいいるんだ」ってシンプルに嬉しかった
ケイタ:そういえば『ULTRA JAPAN 2022』に出演した感想を教えてよ。
ヨージ:嬉しかった。最高でしたよ。
レイジ:俺、現場に行ったんですよ。ブラザーの晴れ舞台は見ときたかったんで。ちょっとかわいそうだなって思ったのは、ヨージはテックハウスのセットでオファーされてたんです。ウルトラにくる人たちはEDMが好きじゃないですか。テックハウスってEDMに比べるとダークというか、若干マニアックだから盛り上げるのが難しそうだった。
ヨージ:運営の人たちは『ULTRA JAPAN』をダンスミュージック全般を盛り上げるフェスにしていきたいみたいで。韓国の『ULTRA』にはテックハウスとかディープな感じのレジスタンスステージというのがあるんですよ。前は日本にもあったんですけど、今年はなくて。復活してほしいですよね。
レイジ:メインのステージに出てたのはDJの実績だけで呼ばれてる人? それとも曲をリリースしてる人たち?
ヨージ:やっぱり曲を出してるプロデューサーがメインだね。今回はチケットも完売して。出番のあとにメインステージを観に行ったんだけど「EDMを好きな人がこんないっぱいいるんだ」って驚いたよ。シンプルに嬉しかった。でも僕は今回の『ULTRA JAPAN』には呼ばれなかったけどイケてる曲を作ってたり、かっこいいDJする人たちが現場にいっぱいいるのを知ってるから、そういうところとももっとリンクしてくれたらもっと嬉しいな。『ULTRA JAPAN』がそういう人たちの目標になるフェスなら、ダンスミュージックのシーン全体がもっと盛り上がると思うんですよ。『FUJI ROCK FESTIVAL』はそういうフェスじゃないですか。外タレとKing Gnuが肩を並べても成立する場所というか。……なんか偉そうに語っちゃってすいません。
ケイタ:いやいや、正論だよ。
レイジ:ヨージは事務所には入らないの?
ヨージ:予定はないかな……。物腰は柔らかく見えるかもしれないんですけど、我は強いんでたぶん合わない(笑)。
レイジ:確かに伝統的なDJのシーンは上下関係もかなり厳しいらしいしね。俺も昔そういう現場に呼ばれたことあって。すっごい風当たり強かったよ。俺の持ち時間が終わる15分前くらいから次のDJが横に控えてて。(持ち時間を)1分たりとも押させない。「もうUSB抜いていいっすか?」みたいな。全部当たり前のことだし、大事なんだけど、あまりにも当たりが強いとねー、、、挨拶も超無愛想だったし。
ケイタ:謎のマウンティング行為……。全然クリエイティブじゃないな。そんなことしても意味ない気がしちゃうけど。
レイジ:意味があると思ってる人もいるんですよ。縄張り意識というか。「ここは俺がレギュラーで回してるクラブだ」っていう。そうなると俺は余所者だし。
ヨージ:そういうもんですよ……。すっごい昔の話ですけど僕もDJの途中に帰ったことありますもん。
レイジ:マジで!
ヨージ:20歳くらいの時。DJしてる横にずっとオーガナイザーが立ってるんですよ。で、数分ごとに「もっと盛り上げてもらえますか?」って言ってくる。最初は無視してたけど、あまりにしつこいから「じゃあ他のDJ呼んできてください」って帰りました。
ケイタ:当時のヨージさんっていろんなとこでDJして頑張ろうとしてた時期でしょ? そのヨージさんを怒らせるってよっぽどだったんだろうね。その人にはヨージさんがプロデュースしたAISHO NAKAJIMAの「LUNA」を聴かせてやりたいよ。あの曲めちゃかっこいい。
AISHO NAKAJIMAはナイスガイ
Aisho Nakajima – LUNA feat. Yohji Igarashi (Official Music Video)
ヨージ:マジですか。
ケイタ:めっちゃ好き。よく聴く曲のプレイリストを定期的に作ってるんだけど、「ANTIFRAGILE」の流れで聴くとブチ上がるよ(https://music.apple.com/jp/playlist/anhypnosis-landscape-hype-boy-30th-oct-2022/pl.u-XkD01NRHD7Z6Nd)。
ヨージ:それはすごく嬉しいな。しかもAISHOってすっごい良いヤツなんですよ。
レイジ:うん。ナイスガイだよね。
ケイタ:ちなみに2人はどういうきっかけでAISHOさんと知り合ったの?
ヨージ:僕はHIYADAMに紹介してもらいました。オーストラリアから帰ってきたばかりだったから2018年とかかな?
レイジ:知ったのはインスタですね。パーティーで実際に会ったら、思ったより小さくて華奢な男の子でしたね。
ケイタ:意外! ヨージさんくらいあると思ってた。
レイジ:全然。顔が超ちっちゃいんです。
ケイタ:俺、振り切った人に対する憧れがあるから、レイジくんのリポストを見て以来ずっとAISHOさんをチェックしてた。そしたら今回はヨージさんとやってて、しかもめちゃかっこいいからかなりブチ上がった。
レイジ:そういう意味では『メイクアップ・アーティスト:ケヴィン・オークイン・ストーリー』(https://www.uplink.co.jp/aucoin/)がおすすめですよ。たぶんケイタさんめっちゃハマると思う。ヨージもメイク男子として観たほうがいいよ。ケヴィン・オークインというメイクアップ・アーティストのドキュメンタリーなんですけど、ケヴィン以前はメイクアップアーティストのスターっていなかったみたいで。実際すごかったです。俺、ケイタさんの言ってる感覚もわかるんですよ。だからか、映画観たあと化粧したいって思い始めちゃいましたもん。
映画『メイクアップ・アーティスト:ケヴィン・オークイン・ストーリー』予告編
ケイタ:ほんとはネイルもやりたいけど、「45歳のおっさんが何ネイル塗ってんねん」と突っ込むインキャが心の中にいてなかなか一歩踏み出せない。だからAISHOさんにも憧れる。
レイジ手刷りのNewJeansTシャツ
ケイタ:「YAGI」のハロウィンはどうだった?
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