ロイヤルホストから違和感をこめて…08/5月号・高橋ユキ連載「【珍妙】各テレビ局系ニュースサイトの見出し」

「つけびの村」の著者で「ロイヤルホストを守る市民の会」代表でもあるフリーライターの高橋ユキさんがお届けする、ブロス的社会派連載!
事件や報道を追う中で引っかかった“違和感”を、ロイホでひと息つきながら軽妙に綴ります。今回はテレビ局が運営するニュースサイトの見出しの変化に着目してます。
(マイブームメニューの紹介つき、みんなもロイヤルホストを守りに行こうね!)

写真・文/高橋ユキ
編集/西村依莉

終わる前にと駆け込みで食べてきた春のデザート『苺のヨーグルトジャーマニー』。

 

 連載5回目、2月号の記事で、北海道の報道について取り上げた。〈北海道のニュースがやたらと詳しい〉という【独自】の情報だ。あまりにこの件に夢中になりすぎて、4月に開催した能町みね子さんとのイベント『非週刊女性ポパイ 第6号』でも話してしまったほどである。

 ところで、さっき、なぜ【独自】と「【】つき」で表記したかといえば、かつて読売新聞オンラインの記事に頻繁に【独自】と打たれていたことについてのオマージュである。読売新聞オンラインでの【独自】乱発現象は、メディア関係者らからザワつかれるだけでなく、SNSでもそこそこ話題になった。記事にもなった。それを受けてか、同媒体で【独自】表記の記事は激減したように思える。1日に1〜2本程度に落ち着いているようだ。

 いま私が原稿を書いている5月21日現在、読売新聞オンラインにおける【独自】記事を探してみると、こんな記事がヒットする。

【独自】マスク着用「人と距離とれる屋外・保育所内の園児は不要」…専門家が見解案提示へ(5月19日7時56分)

 

 ただこれと似た内容の記事は他紙にもあった。

 

「屋外で会話なし」→マスク不要 「2歳以上の園児」→マスク推奨せず 専門家有志提言 政府も方向性明示を検討へ(5月19日 23時14分 東京新聞)

 

 どこよりも早く出すことで【独自】と銘打っているのでは疑惑は消えないが、数が減ったことで、読み手としてはいささか安心して読めるようになった気がしている。なんでもかんでも【独自】と打たれると、どんな特ダネなんだとドキドキしてしまうし、読んでみて「え……ホントに【独自】なの?」と疑惑の目を向けてしまう。そんな時間が少なくなったことがありがたい。

 ところが一方で、由々しき事態に気づいてしまった。こんどは他社が【独自】を多用するようになってしまっているのである。またも【独自】な発見をしてしまった自分がおそろしい

 なんと言っても【独自】表記が目立つウェブ媒体は、各テレビ局が運営しているニュースサイトだ。ここのところ、テレビ系媒体の【独自】表記が異様に多い。そして確かに【独自】かもしれない……と思われるような地域の情報を発信している。

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