上坂すみれが愛してやまないものをハードコアに語る連載「すみぺは〜どこあ♡」。
これまでに披露したテーマは デヴィッド・ボウイ、秋葉原、ハロー!プロジェクト、プロレス、運動、サンリオ!
こうして並べてみると統一感がないようで、どこか法則性があるような…。いつか、上坂さんに聞いてみたいと思います!今回は音楽シリーズから、ヴェイパーウェイヴを語っていただきます。で、上坂さん、「私の脳みそはヴェイパーウェイヴ」って一体どういうことなんでしょう?
取材&文/南波一海 撮影/tAiki ヘア&メイク/北川恵(クララシステム)スタイリング/佐野夏水
衣装協力/kill remote、M企画
――今月のお題は「ヴェイパーウェイヴ」です。近年の上坂さんのインタビューなどを読むと、よく聴いている音楽としてヴェイパーウェイヴを挙げていることが結構ありますよね。ただ、それを掘り下げるような展開にはなかなかならなくて。
たしかに「ヴェイパーウェイヴを聴きます」と言っても特に広がることはなく。あれ、もしかして流行ってはいないのかこれは、と思っています。流行っているのは私のYouTube内でだけですか? 私のYouTubeはヴェイパーウェイヴと(ハリウッド)ザコシショウさんと、北斗晶さんの入場曲しか流れてないのに。
――その流行は我が道を行き過ぎてますね(笑)。声優さん関連のインタビューだと話題が離れすぎてしまうんですかね。
音楽のインタビューでも話しているとは思うのですが、結局のところ私のレコメンド方法とか話術に問題がある説が…(笑)。そういった感じで、これまではあまり掘り下げていただく機会がなかったので、今回は存分に話せるようでうれしいです!
――ヴェイパーウェイヴをメイクルームでよく流しているんですよね。
はい。ここ2年くらいで好きになったんです。メイク中はたくさん喋ったりするのと、あまり意味を持たない言葉しか耳に入れたくないときがあるんですよね。でも無音なのもなぁというときに、ヴェイパーウェイヴは、うまく表現できているか難しいのですが、なんだか、たる〜〜いじゃないですか。歌が引き延ばされていて、言葉の意味もなくなっていて。「Plastic Love」(竹内まりや)とか、菊池桃子さんやオメガトライブの歌を、そんなに加工する?というくらい加工してますよね。美味しいお魚にタルタルをつけてチリソースをかけ、ピザに乗せて焼きましたみたいな感じじゃないですか。だから全く別物として楽しく聴けています。あまりわかってないんですけど、フューチャー・ファンクはまた違うんですか?
――ほぼ同じ意味で使われたりもしていますが、ヴェイパーウェイヴのなかでもディスコやシティ・ポップをネタにしたものがフューチャー・ファンクということみたいですね。諸説ありますが。聴くきっかけはどこからだったのでしょうか?
私が最初に知ったのはNight Tempoさんからで。
――まさに歌謡曲やシティ・ポップをエディットしたものから入って。
そうです。歌謡曲やイタロ・ディスコが好きなあなたにおすすめ、みたいな感じでSpotifyさんに教えてもらって。あとはラグジュアリー・エリートさんを聴いたり。ラグジュアリー・エリート……検索ワードに引っかかりにくそうで、あまり目立ちたくないのかな?みたいなお名前ですよね。
――(笑)。マクロスMACROSS 82-99とかも初めて知ったときはびっくりしました。
本当に(笑)。文化の違いでしょうけど、海外のオタクのかたって思い切りが良いというか。少し前のアニメ等の映像を独自にミックスしておしゃれなループ動画にしたりされている映像が流れてきたりすると、かっこいいなと思いつつ、ドキドキしてしまいます。
――アニメ関連という意味では上坂さんの仕事とも繋がっているとも言えそうですね。
そうですね。ただ、セル画のアニメが使われることが多いので、世代的に先輩のさらに先輩という感じではありますけど。私はあの少しジャンクな味わいが好きなんです。マクロスMACROSS 82-99も好きですし、これはちょっとジャンルがずれるかもしれないですけどミッチ・マーダーさん(※カテゴリー的にはシンセウェイヴのアーティストとされている)も好きです。この人は真面目にやられているお方と言いますか、オリジナル曲をいっぱい出されていて。「Prime Operator」という曲が好きで、この曲が流れるバーに1人で行ってこれだけを5時間くらい聴いてた日もありました。
――5時間! めちゃくちゃハマってたんですね。上坂さんは80年代のうさんくささというか、あの変に煌びやかな雰囲気も好きじゃないですか。だからヴェイパーウェイヴに惹かれるのも納得なんですよね。
その、なんだか妙に得体の知れなさ、うさんくささへの憧れはありますよね。聴いていて虚しくなる感じがなんともいいんですよ。
――虚しくなる感覚ですか。たしかにバブル期の虚栄感がよかったりしますよね。上坂さんの「ノーフューチャーバカンス」で東新レゾナントさんが起用されているのも繋がるなと思うんです。あれは正しくEspeciaのアプローチだし、Especiaはヴェイパーウェイヴの文脈で語ることができますし。
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