12/27発売!ブロスコミックアワード2022大賞は高野ひと深『ジーンブライド』【TV Bros.2月号コミックアワード号】

毎年恒例のコミック大特集
「輝け!ブロスコミックアワード2022」開催

「TV Bros. 2023年2月号コミックアワード号」が現在発売中! おうちでまったり過ごす年末年始におすすめなコンテンツを、毎年開催のコミック特集「ブロスコミックアワード2022」を筆頭に、マンガ愛あふれる中村倫也を表紙に迎えてお届けする、この時期にぴったりの最新号です。
詳しい特集内容はこちら!

【商品情報】

「TV Bros. 2023年2月号コミックアワード号」
●発売日:2022年12月27日(火) ※一部、発売日が異なる地域がございます
●定価:1,200円
●発行:東京ニュース通信社
全国の書店、ネット書店にてご予約いただけます。

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ブロスコミックアワード2022大賞作は、高野ひと深『ジーンブライド』(祥伝社)に決定!
高野先生の作品に対する向き合いやキャラクターへの想いなどのお話をうかがい、掲載しています。

本記事では、2月号本誌巻頭特集「ブロスコミックアワード2022」に掲載している、大賞作品の選考理由&作者インタビューをちょっとだけ公開!

 

<大賞作品総評>

今求められている、鮮烈なフェミニズムSF

生まれた身体が「女性」である。ただそれだけのことで、仕事相手に侮られ、変質者に目をつけられ、他にも様々な社会的抑圧や、構造的搾取を受け続けながら生きていかねばならない……。残念なことだが私たちの生きる社会は、制度面でも、人々の意識の面でも、根深い性差別が未だ残り続けている。『ジーンブライド』はSFエンターテインメント作品としての魅力と、そうした現状に対する鋭利な異議申し立てが高いレベルで融合した快作だ。主人公はそうした抑圧的な現状をやり過ごしつつも、日々苛立ちを感じている諫早依知。エンタメ情報媒体のライターとして働く彼女は、ある日、元同級生を自称する、尋常ではなく空気の読めない男・正木蒔人と出会う。二人のあいだに芽生えた奇妙な共闘関係は、依知そっくりな少女・壱との遭遇を経て、この社会の暗部へと迫り始める。謎が謎を呼ぶジェットコースターのような展開。一度触れたら、目が離せない!(文・前田久)

 

『ジーンブライド』
作者 高野ひと深先生 インタビュー

変化するために作品を描く

――受賞おめでとうございます! 今のお気持ちはいかがですか?

高野 これまでこうした賞には無縁で、「この物語を必要としている一部の人たちに届けば良いな」という思いで描いていましたから、本当にうれしいです。最初に受賞のお話を聞いた時には、うれしすぎて詐欺じゃないのかと思ったくらいで(笑)。

――(笑)。

高野 ただ、一方で複雑な思いもしています。そうやって評価していただけるくらい、まだこの作品で描いている内容は「新しい」のか、と。「こういう頃もあったけど、もうこんな物語は古いね」といわれるくらい社会が変わって、この物語がどんどん必要とされなくなるといいんですけどね。

――そもそもフェミニズムを作品の中心に据えて連載を始めることも覚悟が必要だったとか。

高野 必要としている一部の人たちだけではなく、できれば自分とは無縁な世界だと感じている人にも、すぐ隣りにいる人たちの話として聞いてほしかったんです。なのにフェミニズムと打ち出すと、それだけで最初から手に取ってくれない方も一定数いるので「フェミニズム」という言葉は避けたほうがいいとまわりから言われたりもしました。「『フェミニズム』は基本的人権意識の事なのに、どうして腫れ物のような扱いなんだろう…」と、担当さんとともにこの作品の打ち出し方についてはよく悩んでいましたね。

――連載が始まって1年と4カ月が経った現在は、状況は変わられたのでしょうか?

高野 今は私が日々感じていること、この時私は怒っていたんだぞ!  と言うことを自由に残せる状態になっています。念願が叶ったようで、おかげで楽しいですね。もちろん、キツいときもありはするのですが。フェミニズムは本当に幅広く、すべてを包括する分野の学問なので、いくら掘っても掘り尽くせない。どんどん新しい目線が見えてきて、学びがあり、常に発信することに悩まなくて良い。でもそれはつまり、毎日地獄も更新されているということですから、「うわーっ!」となることもあるんです。描いていくうちに「言えなかった」「足りなかった」と思うこともあります。常に学んで、自分を変えていかないといけない。私がなにかを搾取していたり、誰かの尊厳を踏みにじることに加担することが無いようにしたい。そのためのチェックは欠かさないようにしています。

――フェミニズムの話題はスピードが速く、少し前まで正しいと思えたものに、ある時から違和感を覚えることもあります。こうした速度感には、どう向き合われているのでしょう?

・・・

この続きは現在発売中の「TV Bros.2月号コミックアワード号」にてご覧ください。

登場するキャラクターへの想い、今後のストーリーの展望などなど、じっくりお話しいただいております。また、今、一番面白い漫画を各界著名人がコラムでレコメンドするほか、ファイルーズあいと劇画狼の漫画対談、編集部のオススメ漫画など、漫画漬けの年末年始のお供にうってつけな特集も掲載しています。

高野ひと深 自画像イラスト

高野ひと深(たかの・ひとみ)●2015年「フラッシュノイズ」でデビュー。30歳のOLと、12歳の少年……年齢や立場の違いを超えた二人の交流を描いた『私の少年』(全9巻)で「このマンガがすごい! 2017」オトコ編第2位、「俺マン2016」第1位など多数選出。『ジーンブライド』は『このマンガがすごい!2023』オンナ編第2位にランクイン。そのほか著書に『「す」のつく言葉で言ってくれ』、『つらなるステラ』などがある。

 

 

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TV Bros.編集部
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