ブロス探偵団が、先月の番組を振り返る定例テレビ調査報告書「第36回」。NHKの朝ドラ『らんまん』がスタートし、毎朝、神木隆之介が登場することのさわやかな効果で心も「らんまん」になりがちな4月は、坂本龍一の“うなぎ事件”や、ムツゴロウさんこと畑正憲の過激な正憲っぷりをプレーバック。また「黒柳徹子に時間を忘れさせるヒコロヒー術」「SixTONESの田中樹のお風呂事情」「女性アナを呼ばれたい名前では呼ばない大吉先生」「2万300年の神田正輝」などの報告が集まっておりますよ。
文／ブロス探偵団
＜プロフィール＞
ブロス探偵団とは、1987年のテレビブロス発刊時に発足した、テレビを観察し小ネタを見つけてはほくそ笑む謎の集団。番組表の隅から愛あるツッコミを叫んでいた彼らが、TV Bros. WEB版にもまさかの招集。かつてはナンシー関も在籍したという噂だが、メンバーの総数は編集部の誰も知らない。
4月1日（土） 前 8：00
『朝だ！生です旅サラダ』（テレビ朝日）
神田正輝と心中覚悟
向井亜紀、三船美佳、ラッシャー板前と番組を支えてきた古参レギュラーが3月をもって卒業。30周年となる節目に新ファミリーとして松下奈緒を迎えて番組セットもテーマ曲も一新、ついでに「プレゼントの電話応募がスマホか携帯のみ、今週から固定電話からは応募できません」という細かなシステムまで進化に舵を切ったかに見えたが、肝心の番組冒頭あいさつにて、「おはようございます！ 20300年4月1日…エイプリルフールでーす（笑）。正しくは2023年4月1日です」と、かましてみせた神田正輝を見て、1人だけ時が止まっているように感じた反面、熱心な旅サラダファンが見たいノリはこれなのかもしれないとも思いました。
【探偵団（井）】
4月4日（火） 後7：30
『クローズアップ現代「坂本龍一 最期まで音楽と共に」』（NHK総合）
海外のファンは絶対に見つけないで！
坂本龍一を偲んだ『クロ現』の緊急企画。1983年公開映画『戦場のメリークリスマス』で共演し、長期海外ロケを共にしたビートたけしは追悼コメントで、坂本が撮影現場で自分の分のうなぎ弁当が食べられて落胆し、怒りをあらわにしたという当時の鉄板エピソード「ラロトンガ島うなぎ事件」を披露。この期に及んでまさか平成以降のファンに過去恥部が知られてしまうとは。救いは『ワイドナショー』（フジテレビ）をすでに松本人志が降板し、コント共演の思い出が振り返られずに済んだこと。1995年放送の『ダウンタウンのごっつええ感じ』（同）で股間と尻が汚れた白ブリーフの衣装を身に着けた、松本演じるアホアホマンの兄を教授が演じていたことだけは絶対に掘り起こしてはならないのだ。
【探偵団（川）】
4月8日（土） 後7：00
『ありがとう！ムツゴロウさん』（フジテレビ）
猛獣より手強い、現代のコンプライアンス
ムツゴロウさんこと畑正憲が亡くなり、1980年から20年以上にわたってフジテレビ系で86本が放送された『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』を編集した追悼特番には、懐かしさとともに制作スタッフの苦心がうかがえた。放送は、それまでの死去報道で流されていた、ムツゴロウさんがゾウの口に顔を突っ込んだり、牛の乳から直接牛乳を飲むような行動から、マネをしたら噛まれて怪我をしたり、感染症になるおそれがあることを専門家が注意していたことを踏まえてのもの。だが、追悼番組で「視聴者の皆様はくれぐれもマネしないでください」という注意は、あまりにクールで愛情に欠ける。そんな心配をする中、放送中にひっそりと画面下に流されたテロップは「ムツゴロウさんの人柄を伝えるため放送当時のままお送りします」。これは実にいい塩梅だ。どんな衝撃映像番組より過激なのに温かい追悼番組をありがとう。
【探偵団（川）】
4月14日（金） 午後1：00
『徹子の部屋』（テレビ朝日）
『アメトーーク！』での検証も待ってます
ドラマに『NHK短歌』（NHK Eテレ）のMCと新レギュラーも増え、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのヒコロヒーがゲスト。恒例の冒頭のネタ披露で大概の芸人は出鼻をくじかれるものですが、落語を思わせるネタがお気に召したのか「面白い」と意外に好感触。さらに「徹子先輩の本は全部読みました」発言から、徹子の親友・向田邦子の話題へと移って盛り上がり、シメは自作の“ティンカーベル風の徹子”のイラストで徹子のご機嫌は最高潮に。エンディング曲が流れると「あら、早いですね随分」と、まさかの徹子から名残を惜しむ発言まで引き出したヒコロヒーに、令和の「北風と太陽」を見ました。
【探偵団（ア）】
4月14日（金） 後9：58
『人志松本の酒のツマミになる話』（フジテレビ）
松本人志も知らないみたいだった
SixTONESの田中樹が『人志松本の酒のツマミになる話』に登場。「5人兄弟で自分だけ容姿が違う」そうで、たしかに元KAT-TUNの兄貴とも似ていないもんね。その後「田中家では母と息子たちがずっと一緒に入浴してる」と告白して藤田ニコルにドン引きされ、「こういう話、外でしゃべるのもタブーなんですね」と驚いてたけど、兄貴の話のほうがタブーだろう。似ていない分、兄弟だと知らない人が多いのはラッキーかもだけど。
【探偵団（宝）】
4月18日（火）・19日（水） 前8：15
『あさイチ』（NHK総合）
大吉先生VSもみじ饅頭（仮）
4月からリポーターとして登場した安藤結衣アナ。自ら提案した呼び名「あんゆい」を、博多大吉から「言いにくいからやめない？」とやんわり拒否されるも、「え～新しい名前を思い付いていただいたらやめます！」とまさかの宣戦布告。翌日は、視聴者から番組に寄せられた呼び名候補のひとつ「ゆいゆい」で呼ばれ、「300通くらいいただいたようで」と嬉しそうに応えた安藤アナに「“ゆいゆい”か“もみじ饅頭”かで悩んだんですけど」と、くぎを刺した大吉先生…。彼女が番組を卒業するまで、このまま毎回違うニックネームで呼ばれ続けてほしいと密かに期待しています。
【探偵団（ア）】
4月18日（火） 後8：00
『踊る！さんま御殿！！』（日本テレビ）
マツケンサンバという個体
「尊敬する先輩＆かわいい後輩」というくくりでゲスト出演した紫吹淳＆はいだしょうこ。「松平健さんに焼肉をごちそうしていただいているのに（はいだが）肉3枚ぐらいしか食べていなかった」と不満を漏らす紫吹に、はいだは「緊張してたんですよ、マツケンサンバと宝塚トップスターですから」と釈明。さらに「いや想像してみてくださいよ、目の前にマツケンサンバさんが…」と言い逃れを続けるはいだには、もう「暴れん坊将軍」どころか「松平健」の実体そのものも映っていないのかもしれない。
【探偵団（井）】
4月24日（月） 前8：00
NHK連続テレビ小説『らんまん』（NHK総合）
話題性なら朝青龍（“明徳”出身）だが
高知が舞台の朝ドラ『らんまん』に島崎和歌子が出演。広末涼子、中村里帆、小野大輔、三山ひろしと同じ地元出身枠だが、角界からタレントに転向したばかりの豊ノ島大樹あたりも使ってやってほしい。酒造りも出てくるので吉田類を推す声もあるけど、NHKへの貢献度はこちらのほうが上。年間90日の大相撲中継に加え「NHK福祉大相撲」のお楽しみ歌くらべでも活躍してたしさ。舞の海になれるか大至みたいになるか、ここが正念場ということで。
【探偵団（宝）】
＜さ～て、5月のテレビは？＞
セカンドチャンスを狙う新たなお笑い賞レースが登場！
計画を立てずにGWに突入しちゃった方々、大丈夫です、楽しそうな特番がございます。全身地蔵カラーのお地蔵さんとなった小峠英二が、EXILE・TAKAHIRO＆小沢仁志と京都＆奈良で恩返し旅する5月1日『小峠地蔵旅』（テレビ東京）、矢作兼が生田斗真＆福士蒼汰という豪華ゲストと早朝に集合し、秘境の名店にランチ繰り出す5月3日『なぁんで昼メシ食いに行くのにこんな時間かけて行くのかなぁ。』（テレビ東京）、5月5日～12日にわたって各番組とのコラボや歌番組を放送するNHKの「2023 君の声が聴きたい」プロジェクトもあったりして。
また、ドラマの新枠として4月30日からスタートしたばかりの『日曜の夜ぐらいは…』（テレビ朝日）は、岡田惠和脚本で描く、サチ（清野菜名）、翔子（岸井ゆきの）、若葉（生見愛瑠）の女性たちの友情の物語。岸田奈美のエッセーをドラマ化したプレミアムドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』（NHK BSプレミアム・NHK BS4K）は5月14日スタートですよ。
さらに、吉田沙保里、村重杏奈、狩野英孝らの芸能人チームが歌う5月14日『オールスター合唱バトル』（フジテレビ）、斉藤和義を迎える5月18日『The Covers 10周年スペシャルLIVE』（NHK総合）、そして5月20日には、結成16年以上の漫才師による新たなお笑い賞レース『THE SECOND～漫才トーナメント～』（フジテレビ）があります！ セカンドチャンスをつかむベテランは誰でしょ。
5月5日の『ルパン三世 カリオストロの城』に加え、5月・6月は「インディ・ジョーンズ」シリーズを送るという、中高年泣かせの『金曜ロードショー』（日本テレビ）チェックもお忘れなく～。
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