ブロス探偵団が、先月の番組を振り返る定例テレビ調査報告書「第26回」。梅雨が一瞬で消えた6月は、渋谷凪咲とハリウッドザコシショウに翻弄されまくるラジオスターのパンサー・向井慧や、高橋一生主演ドラマ『インビジブル』最終回の桐谷健太のじっとり感、「小森のおばちゃま」な片岡鶴太郎のおでん芸、「ま、ちょっと覚悟はしておけ」のさだまさしソングなどにまつわる報告が上がっております。夏の新ドラマ情報もついでにどうぞ。
文/ブロス探偵団
<プロフィール>
ブロス探偵団とは、1987年のテレビブロス発刊時に発足した、テレビを観察し小ネタを見つけてはほくそ笑む謎の集団。番組表の隅から愛あるツッコミを叫んでいた彼らが、TV Bros. WEB版にもまさかの招集。かつてはナンシー関も在籍したという噂だが、メンバーの総数は編集部の誰も知らない。
6月4日(土)後1:00
『週刊プライムオンラインS』(BSフジ)
“ガキ使”でクリスマスイブを熱唱
『週刊プライムオンラインS』の登坂淳一。BSとはいえ、セクハラ疑惑騒動から4年越しのフジ報道番組キャスター就任だけど、サブMCが『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ)の小澤陽子アナだったりして、どこかフェイク感がつきまとう。ならばいっそ、経歴フェイクでフジの報道番組を棒に振ったショーンKもコメンテーターで呼べば面白いのにね。ちなみに、オープニングテーマは山下達郎。登坂が以前、カツラ姿でモノマネしてたことを思い出し、流れるたびに笑っちゃいます。
【探偵団(宝)】
6月8日(水)深 3:30
『ミッドナイトマルシェ』(テレビ朝日)
広過ぎるクレーム対策網
深夜の通販番組の商品紹介映像内で、冒頭に展開された街頭インタビューで「奇麗~」「憧れます~」と口々にコメントするご婦人たち。それはこの商品を愛飲している女優・草笛光子へ宛てられた感想だった訳だが、なぜかこの街頭インタビュー時点から「※個人の感想です」という字幕が! いやこれ商品の効き目を述べてる時に出すやつでしょ! 草笛光子に対する「奇麗~」が「※個人の感想です」って当たり前だし、どう思おうが勝手だよ! まさかとは思うが商品云々じゃなくて「草笛のどこが奇麗なんだよ!」というクレームが来ちゃった前例でもあるのか!? …だとすればごめん、世知辛い世の中ですね!
【探偵団(井)】
6月14日(火)後7:57
『うたコン』(NHK総合)
♪めしは上手く作れ? いつもきれいでいろ?
NHK生放送の音楽番組『うたコン』にさだまさしが出演。数あるナンバーから選ばれた一曲は今もっとも時代にフィットしない名曲「関白宣言」。「♪“お前”を“嫁”に“もらう”前に言っておきたいことがある」と出だしから令和のタブーワードが連続する歌の披露に予想通り(番組にとっては期待通り?)SNSは大荒れ。ちなみに直前に放送されていた『クローズアップ現代』のテーマは、真逆のメッセージが込められたような、男社会に虐げられた女性達の声を届けた「封じられてきた声 映画界の性暴力~被害をなくすために~」。最近のNHKは外から言われなくても自らぶっ壊れに行っていてブロス的には面白いけど、ちと心配。
【探偵団(川)】
6月14日(火)深2:36
『凪沙とザコシ』(テレビ朝日)
なぎザコのゆるグダになぜか感じる癒やし…
「喋りっぱなしのパンサー向井の喉を労りたい」と題して、事前に録音したパンサー・向井慧の音声を使ってトークを成立させようという企画…だったのですが、冒頭、渋谷凪咲が「トークテーマは、向井“おさむ”についてです!」と痛恨のミスをやらかして全部台無しに。喉を労わられるはずの向井も「来るか! こんな番組に向井理が! 喉を労わる暇があったら、名前覚えてもらっていいですか!?」と早速喉を酷使する羽目になりましたが、後はそのままなし崩しに凪&ザコのゆるゆるグダグダに翻弄された向井が、最終的にはなぜか「とても楽しかった」と満足していました。
【探偵団(ア)】
6月16日(木)前8:15
『あさイチ』(NHK総合)
熱々(じゃない)おでん(を熱そうに食べる)芸
ゲストに片岡鶴太郎。話の流れでビートきよしの口ぶりをマネたのをきっかけに、浦辺粂子、キューちゃん、小森のおばちゃま(小森和子)のモノマネを次々と披露。エンディングでは視聴者からのメールに応えて、さらにマッチとピヨコちゃんまで大サービスするという、ひょうきん世代にはたまらない展開に。ここまで来ると『ちむどんどん』(NHK総合)でも、冬の屋台なのに湯気すら見えないと物議を醸した例のおでんを、熱そうに食べる三郎さん(鶴太郎)が見たかったな…とちょっぴりワガママな妄想をしてしまいました。
【探偵団(ア)】
6月17日(金)後10:00
『金曜ドラマ「インビジブル」(終)』(TBS)
映画化してくれよ!
高橋一生のカッコよさに夢中だと気付かないのかもしれないが、「警察もその存在を知らない凶悪犯を、誰も見たことのないといわれる犯罪コーディネーター(柴咲コウ)と敏腕刑事の志村(高橋)がバディを組んで追いかける」なんて、見えないものが多すぎたドラマ『インビジブル』。最終回には、快楽殺人犯が志村の上司の猿渡(桐谷健太)だったと発覚するのも、そうじゃないかな? という気がしてただけに逆に斬新! 有名どころ以外の出演者が人権啓発コンテンツに出てきそうな人ばかりだったからね! 襲われる志村の「オマエ~」に猿渡の「志村サァーン」のコールアンドレスポンス、面白かったです。
【探偵団(岩)】
6月26日(日)前10:00
『ワイドナショー』(フジテレビ)
尼崎市、アウト~!
番組の顔である松本人志の出演が隔週になって、出演週とその週のニュースとの相性が面白さのカギを握っている最近の『ワイドナショー』。松本出演のこの日は不謹慎ながらマッチングした話題、出身地である兵庫県尼崎市のUSBメモリ紛失事件。「さらしてしまった本人のプライベートが守られているのが本当におかしくないですか?」と指摘していたが、コアなファンとしては、万が一、松本不在の場合は構成を担当する3人目のダウンタウン、放送作家・高須光聖の出演をひそかに期待していた。マニアには有名になった尼崎の実家で「御影屋」という果物屋を営む本人にとっても気が気でなかったはず。とにかく見つかって良かった。
【探偵団(川)】
6月27日(月)後11:00
『news zero』(日本テレビ)
今はこれがスタンダード
関東地方を中心とした連日の猛暑を伝えた際の街頭インタビューに登場した女性が「あっつい! 死にそう…!」とコメント。テロップには「80代・主婦」の文字!しかも場所は巣鴨! って、このコンボをどう捉えていいの? 一昔前ならシャレにならないコメントな気がするんだが…小粋なお迎えジョークと見なしていいのか? いや、もうここに違和感を抱く時代は終わったのかも! 連れのご友人(同年代)のツッコミ「そんな簡単に死なれてもねー」というやりとりもセットで素直に人生100年時代の訪れを噛み締めよう。
【探偵団(井)】
<さ~て、7月のテレビは?>
夏のギラギラ新ドラマ&音楽特番もたくさん!
夏です! 新ドラマです! 『初恋の悪魔』(7/16スタート・日本テレビ)は、坂元裕二の脚本で送るこじゃれたミステリアスコメディー。林遣都、仲野太賀、松岡茉優、柄本佑の訳あり4人で独自の捜査会議かつ、演出は水田伸生らとくれば、わくわくしかございませんな。“月9”は、2クール連続で新川帆立原作の凸凹コンビものとなる『競争の番人』(7/11スタート・フジテレビ)。今度のコンビは坂口健太郎&杏ですよ。また、若きCEO(永野芽郁)×おじさん部下(西島秀俊)×ビジネスパートナー(杉野遥亮)の『ユニコーンに乗って』(7/5スタート・TBS)、新井順子P&塚原あゆ子演出チームによる有村架純&中村倫也のリーガルドラマ『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(7/8スタート・TBS)に、波瑠×間宮祥太朗の『魔法のリノベ』(7/18スタート・フジテレビ)、戦国武将のクローン高校生による学園天下取り合戦『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』(7/24スタート・日本テレビ)と華やかなラインナップ。
ほかにも、臼田あさ美がダンディにほほえむ『ちょい釣りダンディ』(7/4スタート・BSテレ東)、町田啓太×自衛隊の『テッパチ!』(7/6スタート・フジテレビ)、あの“梨泰院(イテウォン)”がなんでか六本木になった『六本木クラス』(7/7スタート・テレビ朝日)、すでに始まった綾野剛主演の『オールドルーキー』(TBS)、『量産型リコ-プラモ女子の人生組み立て記-』(テレビ東京)なども気になるところ。
そのほか、『2022FNS歌謡祭 夏』(7/13・フジテレビ)、矢沢永吉らが登場する『音楽の日2022』(7/16・TBS)、『3秒聴けば誰でもわかる名曲ベスト100』(7/18・テレビ東京)、とうとう最終回な『Love Love あいしてる 最終回・吉田拓郎卒業SP』(7/21・フジテレビ)と夏の音楽特番もございますので、タオル回してご覧ください。
- 「小栗旬と話す松本人志&中居正広の番組がもはや雀荘!」最終回だよ! 先月のテレビを振り返る! ブロス探偵団・定例テレビ調査報告書【2023年5月】
- 「坂本龍一のテッパンうなぎ事件と過激で衝撃なムツゴロウさんを偲ぶ」先月のテレビを振り返る! ブロス探偵団・定例テレビ調査報告書【2023年4月】
- 「道端ジェシカのインスタにも網を張っていたさすがの東野幸治」先月のテレビを振り返る!&新ドラマまとめも! ブロス探偵団・定例テレビ調査報告書【2023年3月】
投稿者プロフィール
- テレビ雑誌「TV Bros.」の豪華連載陣によるコラムや様々な特集、過去配信記事のアーカイブ(※一部記事はアーカイブされない可能性があります)などが月額800円でお楽しみいただけるデジタル定期購読サービスです。