押井守のサブぃカルチャー70年「YouTubeの巻 その31」 【2023年5月号 押井守 連載第66回】

今回は、銃器系チャンネル『NHG:中の人げぇみんぐ』のお話。「ただのガンマニアではありません。銃器とともに生きることを計画し実践した人です」と評する、チャンネルの魅力をたっぷり語っていただきました。

そして、押井さんより、「YouTube編はもうそろそろ終わり」とのお言葉が……。今回を含めて、「YouTubeの巻」はあと2回となります。どうぞよろしくお願いいたします!

取材・文/渡辺麻紀
撮影/ツダヒロキ

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子どもの頃、男子のほとんどは銃器系が大好きなんだよ。でも、大人になるにつれ、忘れて行く。忘れることが出来なかった人が彼であり私。

 

 

ーーさてさて押井さん、今回はどんなチャンネルを紹介してくださいますか?

麻紀さん、もうそろそろこの連載も終わりなので‥‥。

――えっ!? そんなこと言わないでくださいよ、押井さん! まだまだ押井さんが登録しているチャンネル、たくさんあるんじゃないですか??

もちろんあるよ。でも、あとのチャンネルは他の人に紹介しても興味をもたれないと思う。ちょっとマニアックすぎたりマイナーすぎたりしていて。一応、この連載ではYouTubeに興味がありそうな人なら観て楽しんでもらえそうなのを選んでいるから。

――あ、最初のコンセプトは確かにそうでした。

そういうなかで、まだ紹介していないジャンルが銃器系なんだけど。

――そうですね。押井さんならたくさんありそうですね、このジャンル。

銃器系は10チャンネルくらい登録している。でも、今回、紹介するのはひとつだけ。『NHG:中の人げぇみんぐ』というチャンネルだけです。というのもこのチャンネルは“顔”が見えるの。やっている人の個性、キャラクターがちゃんと伝わって来る。ほかのチャンネルは情報系が多く、それも企業系ばかり。情報が欲しくて登録しているけど、楽しんでいるというわけでもない。そういうなかで、『NHG』はちゃんと楽しんでいる。

――銃器の企業系ってどういうものなんですか? 銃器の企業は日本では需要ないと思うんですが。

ちがうちがう。私が言っている「企業系」は、個人ではなく事務所がやっているという意味。だから、仕事も分担されていて、原稿を書く人、それを読み上げる人、編集する人‥‥分業しているんです。そういうのはすぐに判るから。本当のガンマニアかどうかなんて喋り方やアクセントですぐに判る。

本当にマニアがやっている軍事系のチャンネルは少ないんですよ。調べ物が多かったりして手間暇がかかるので企業系が多くなっちゃう。10も登録していながらおススメがひとつというのは、そういう理由があるからです。そういうなかでこの人は純然たるマニア。

――楽しいとおっしゃっているので、情報だけじゃないということなんですか?

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