ミキ亜生「感度ゼロからのスタート」

ミキ・亜生によるカメラ連載「感度ゼロからのスタート」第2回テーマ「グッと寄る」前編

一緒に暮らす愛猫5匹をきれいに撮りたいという思いから、昨秋、ミラーレスデジタルカメラを購入した亜生。カメラテクニックのレベルアップを目指して、このたび連載を始めることに。

第1回後編では、これまでに亜生が撮影してきた写真をチェック。すると、撮りたいものの不明瞭さが浮き彫りに。そこで、第2回では「グッと寄って好きを知る」をテーマに、撮りたいものや好きなものを見つけていくことになりました。

編集=竹村真奈
取材・文=高本亜紀
撮影=大槻志穂

連載「感度ゼロからのスタート」過去記事はコチラから

まずは撮りたいものを知る

大槻 撮り方を学ぶ前に、亜生さんはまず自分が何を撮りたいのかを理解することが大切なのかなと思います。だから、今回は「グッと寄って好きを知る」をテーマにして撮影してみましょう。

亜生 寄ると、何がわかるんですか?

大槻 自分が何を撮りたいのかを知ることができると思います。例えば、この人のこの笑顔が好きだとかこの手の動きがたまらないなど自分が心を動かされた瞬間を撮ってみて、自分が何が好きでどう撮りたいのかを知っていきましょう。

亜生 なるほど! 人によって撮りたいものって違いますもんね。それはやってみたいです。となると、レンズは50mmを使ったほうがいいですよね?

大槻 そうですね。50mmで撮る場合、壁にある小さい傷が撮りたいなら、自分で近づかないといけないですよね。撮りたい被写体に自ら近寄るようにしてください。で、友達や仲間、家族を撮ってみてください。撮ってみたものを見返すと、この色の組み合わせだとか自分がどういうものが好きなのかを知ることができると思いますよ。今は正直、カメラ負けがすごいというか……。

亜生 カメラ負けって! ちょっといい加減にしてくださいよ(笑)! でも、確かにあんまり寄って撮ったことはなかったです。猫は近づくと動いちゃうんでどうしてもズームを使うことになりますし、そんなに近くまで寄ってもいいんかなっていう思いもあったから。

大槻 例えば、ギターを弾いている人がいるなら顔を写さず、手元だけをクローズアップしてもいいんですよ。それが亜生さんの撮りたいものだったら、それでいいんです。

亜生 自分が何を撮りたいかっていうことを意識していくことが大事なんですね。

寄って撮影するメリットとは?


大槻
 じゃあ、この部屋の中で試しにやってみますか? 一般的な会議室ですが、何か撮りたいものはありますか?

亜生 ……え!(一瞬戸惑いを見せるも、部屋の中を見渡して)いや、撮りたいものはあるな。(とカメラを構えて)寄るとなると視点が変わってきますね。角とかいいな……ちょっと塗装がハゲてるとか傷があるのもいいし、丸みを帯びた木の感じとかもすごく好きです。

大槻 いいですね! 猫は近づくと動いてしまうということだったので、遠くからズームで寄りを撮ってみてください。あと、舞台に出ている人を撮るときはライトを意識して。いろんなところに目移りせず、自分が撮りたいものがいちばん目立つように画角を考えながらいろいろと撮影してきてください。

亜生 ちなみに、寄るってどれくらい寄ればいいんですか?

大槻 寄れるだけ寄ってみてください。亜生さんじゃないと近づけない距離感はあると思いますよ。

亜生 わかりました。もうすぐ石垣島へ行くんですよ。やから、カメラを持ち歩いて撮影してみますね!


〜今日のまとめ〜
・自分が撮りたいものを知る
・自ら近づいて寄りを撮ることで、撮りたい対象を絞る

 

◆大槻さんが芸人たちを多数撮影した『OWARAI Bros.』関連記事はこちら ◆

 

亜生(ミキ)
1988年7月22日生まれ、京都府出身。2012年、兄の昴生とコンビ結成。2020年『第5回上方漫才協会大賞』大賞受賞。毎週日曜『ミキの兄弟でんぱ!』(KBS京都ラジオ)、毎週月曜『ミキBASE』(MBS)、毎週金曜『ミキの深夜でんぱ!』(文化放送)など出演中。公式Instagramでは愛猫との生活が垣間見られる。

 

 

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