押井守のサブぃカルチャー70年「YouTubeの巻 その19」 【2022年12月号 押井守 連載第54回】

12月は、前回からの流れで「YouTubeにおけるテロップとナレーションの力」について語っていただく予定だったのですが、「いまはサッカーしか観てないんです」という押井さんの提案でW杯のお話に。あからさまな手のひら返しや、敗者をたたく文化に警鐘を鳴らしつつ、日本のサッカーの未来について語っていただきました。
※今回の取材は「日本VS スペイン戦」の前、12月1日(木)に行われたものです。

取材・構成/渡辺麻紀
撮影/ツダヒロキ

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<新刊情報>
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当連載がついに書籍化しました。昭和の白黒テレビから令和のYouTubeまで、押井守がエンタメ人生70年を語りつくす1冊。カバーイラスト・挿絵は『A KITE』(1998年)などを手掛けた梅津泰臣さんが担当し、巻末では押井×梅津対談も収録。ぜひお手に取ってみてください。

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押井守/著
『押井守のサブぃカルチャー70年』
発売中
発行:東京ニュース通信社
発売:講談社
カバーイラスト・挿絵:梅津泰臣
文・構成:渡辺麻紀

日本は近年、敗者をいたわるという気持ちがまるでなくなってしまった。

――押井さん、今回はテロップとナレーションの力について語って頂くことになっています。

ナカイド君、コロナに感染して大変だったみたいだよ。動画が上がっていて「生き地獄だった」と言っていた。

――押井さん、ナカイド君、本当に好きですよね。

まあね(笑)。ナカイド君、メンタルやられて2か月くらい休止して、やっと最近、復帰したにもかかわらず、今度はコロナだから、ついてないなーって。本人はコンビニとスーパーに週1、2回行くくらいでほぼ外出してないからびっくりだったみたい。

重症だったようで入院していて、息苦しくて30秒おきに目が覚めて、まるで眠れなかったと言っていた。睡眠薬をもらったけど、それも効かなかったらしい。

――ナカイド君、鼻がもともと悪いんじゃないですか? いつも鼻に絆創膏みたいの貼ってますよね?

あれは鼻の通りをよくするためなの。今回、あまりに苦しいんで鼻を診てもらったら鼻骨が変形していることが判ったって。子どものころ鉄棒から落ちたとき顔面を痛めて鼻を折っていたらしいのに、そのままにしていたから変形しちゃったんだって。だから、あまりに苦しかったので今度、手術することにしたと言っていた。

――じゃあ、あのちょっと鼻にかかった声がすてきだったのに、どうなるんでしょうね。というナカイド君の話はさておきで、テロップとナレーションに行きましょうか。

うーん、今回はサッカーにしない? 最近はサッカー関係しか観てないから。ほかの話は乗らないんですよ。

――サッカーって、もしかしてワールドカップですか?

そうそう。日本がドイツに勝ち、コスタリカに負け、今度はスペイン。これで勝たなきゃベスト16には残らないんだけど……。

――押井さんはどう思ってます?

96%の割合で日本が負ける、かな。

――というか押井さん、サッカーってドイツのブンデスリーガとかいうのが好きで、日本チームにはあまり興味がないようなこと、おっしゃってませんでした?

よく覚えてるじゃん(笑)! あとはイングランドのプレミアリーグとかね。欧州のチームのほうが好きなんだけど、やはりワールドカップは違う。愛国者じゃないけど心情的には応援したくなるじゃない? 私たちと同じ顔をした若者が一生懸命走っているとやはり応援したくなる。

ただ、私がライブで観ると負けちゃうことが多いので録画で観てるんだけどさーーというかABEMAが全64試合を無料で配信するというから、さっそく入ったんですよ。偉いぞ、ABEMAという気分。社長の決断だったと聞くけど、登録者は凄く増えたはずだから成功したんじゃないの? 

まあ、結果を知ってると胃も傷まないし安心してゲームを楽しめる。コスタリカ戦もABEMAの見逃し配信で観た。想像通りの展開だったよね。

――というと?

みんなコスタリカは楽勝と思ってたんですよ。でも、それは無知なんです。コスタリカは実は強いチームなの。そもそも地区予選を突破し、ワールドカップに勝ち上がってきたチームなんだから力はある。日本だって四苦八苦してようやく勝ち上がったんだから、同じような力なんですよ。それを、たまたまドイツに勝っちゃったもんだからコスタリカは楽勝と考える。大間違いです。

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