ロイヤルホストから違和感をこめて…18/3月号・高橋ユキ連載「特報! 会長のロイヤルホストモーニングレポート」

「つけびの村」(文庫版、今月発売に!)の著者で「ロイヤルホストを守る市民の会」代表でもあるフリーライターの高橋ユキさんがお届けする、ブロス的社会派連載!
事件や報道を追う中で引っかかった“違和感”を、ロイホでひと息つきながら軽妙に綴ります。

今回は福岡のロイヤルホストで行われし楽園システムを臨場感たっぷりにレポートしてくれます!
(マイブームメニューの紹介つき、みんなもロイヤルホストを堪能しに行こうね!)

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「苺のヨーグルトジャーマニー」すごい美味しい。もっと多くてもいい。

 

 先日、取材で福岡市に行った。私の地元は福岡だが、隣の市であるうえにドがつく田舎なので、利便性を考え福岡市内のホテルを予約していた。以前も泊まったことのあるリッチモンドホテルだ。ここの1階には、ロイヤルホストがあったことを覚えていたから、一休みできるタイミングがあれば行ってみようという考えがあった。

 新潟取材のときには、新潟駅の目の前にある東横インに泊まる。ここの1階にも、ロイヤルホストがある。『#ロイヤルホストを守る市民の会』代表として、なんとなくロイヤルホストがあるホテルに泊まりがちだ。ちなみに『#ロイヤルホストを守る市民の会』とは、SNSで私が勝手にこのタグをつけてロイヤルホストのメニューの写真をアップしたことに始まる、謎の活動である。

 さて通常私がホテルを予約するときは、そこそこ都会であれば素泊まりにする。喫茶店でモーニングなど楽しんでみたいからだ。ところがうっかり、朝食付きプランで予約をとってしまった。取り直そうか悩んだが、ここのところ、実は旅行者が爆増している実感があり、予約時すでに部屋は「残りわずか」と表示されていた。一旦キャンセルしたタイミングで部屋が埋まったら大変だ。このまま朝食付きでいくことにした。

 チェックインのとき、フロントで説明をうけながら、朝食券を受け取ったとき、目を疑った。まさかの「ロイヤルホストの朝食券」だったからだ。うそ〜〜!!!

 新潟の東横インは他の東横インと同じく当然のようにフロントの隣の喫茶スペースで食べるのに! リッチモンドホテルは朝食がロイヤルホスト!? こんな贅沢をチョイスしてしまって、取材でトラブルが起こるんではないか?

 不安と期待が入り混じるが、あっという間に眠りにつき……いよいよ朝。降りた。1階のロイヤルホストに!

 席に着くなり仰天。

「お客様はビュッフェのご利用は初めてですか?」

 なんとロイヤルホストの朝食がビュッフェ形式なのだ!!!

「初めてです……」

 というかビュッフェ形式があったことすら知らなかった。代表失格である。私が主に出入りする都内の店舗は、ビュッフェのビの字も感じさせない造りになっている。よもや他店舗にビュッフェがあるとは思いもしなかった。まだまだ世の中知らないことだらけだ。

 店員さんはテーブルに小さなプレートを置き「退店の際にはこれを裏返してください」と教えてくれた。バルバッコアみたいだが、バルバッコアみたいに肉が運ばれてくるわけではなく、自分でいろんなものを取りにいかねばならない。

 店内はたしかにホテルのビュッフェのごとく、キッチンの周辺にカウンターがあり、さまざまなメニューが並んでいるようだ。だが寝起きの裸眼で行ったのでぼんやりとその全体像が見えているような状態での認識である。とにかく、はじめてのロイヤルホストビュッフェに驚きっぱなしだったが、店内に先に入っているお客さんは誰も驚いた様子を見せていないので、自分も落ち着いた様子で……さも何度か利用したことのある客のように……トレイを持ち、皿をその上に乗せてメニューを眺めることにした。

 パッと目につくところに大きな炊飯器と明太子。なるほどね、これは分かる。福岡だもんね。その近くには“がめ煮”(筑前煮を福岡人はこう言う)と書かれたプレートと大皿も並んでいる。でもその中は空っぽだった。がめ煮の人気たるや!! どういうことか。明太子よりも人気だとは。

 私が最初に目をつけたコーナーは和食エリアだったようだ。こまごましたおかず味噌汁もある。その隣にはサラダバー。すごいっ!!! がめ煮の大皿が空になっていたことが心に焦りを生んだのか、目につくものをどんどん自分の皿に盛っていった。

 だが私はこの和食コーナーとサラダバーで皿をいっぱいにしてしまったことを後に後悔することになる……。

 ビュッフェはまだ、これが始まりだったからだ。

 エリアの角を曲がると、そこにずらっと広がるのは洋食エリア。やばい!!!失敗した!

 ロイヤルホストのビュッフェはここからが本番だったのではないか?

 茶碗に持ったご飯や明太子をいまさら戻すことはできない。かといって和食洋食、両方を食べられるほどの腹具合ではない。何も考えず和食をチョイスした自分が悔やまれる。大体私はいつもこうだ。あまり考えず結論を出してしまったり、相手の質問を聞き終えないうちに相槌を打ったりして、後から後悔することが多いんだ……。

 思わず生来のネガティブ思考が炸裂した。このままいくとやばい。考えるのはやめて、とりあえず食いしん坊のふりをしてトレイを自分のテーブルに置かないまま、他のメニューを眺めた。お馴染みのカレーもあれば、パンコーナーには数種類のパンが並び、そこには……普段のロイヤルホストでパンをチョイスした時についてくる、あのバターもある!すごい。最高。

 そのわきにはチーズ入りスクランブルエッグチーズおかずがいくつも並ぶ。

 あぁ〜!洋食にすればよかったぁ!

 さらに奥に行くと、パンケーキまである!!

 すごすぎる。

 しかもまだ終わりではなかった。シリアルヨーグルトフルーツも並んでいた。この辺りの趣は、シズラーに近い

 ビュッフェの最終地点はドリンク。ドリンクバーのある店舗で選べる飲み物がだいたい飲める。すごい〜!

 ふと我にかえる。これは普段のロイヤルホストのサラダ系メニューに近い盛り付けにできるのでは? サラダをふんわり盛り付けて、例のロイヤルホストのドレッシングかけて、卵のメニューを添えれば……食いしんぼうのシェフサラダみたいにできそう。すご〜い!

 もう、すごいしか言ってないが、とにかくすごいのである。

 色々食べたい! でもお腹にも限界がある。悩ましいビュッフェなのだ。

 ここのロイヤルホストの朝食ビュッフェを利用する前は、シズラーに行く前のごとく、腹を極限まで減らしてから臨まねばならない。それだけはわかった。

 し・か・も!これで終わりではない。

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