「このキャラのスピンオフが読みたい!」という作品は多々あれど、まさかこの人に光が当たるとは思わなかった! 『ゴルゴ13スピンオフシリーズ 銃器職人デイブ』が異様に面白いので全員必読です。
さいとう・たかを『ゴルゴ13スピンオフシリーズ 銃器職人デイブ(1)』(小学館)
いつもゴルゴに無理難題を突き付けられながらも銃と銃弾の調整を完璧にこなしてきたデイブ目線での物語。無理難題に苦悩しつつも柔軟な思考と知識で完璧な道具を仕上げて渡し、受け取ったゴルゴはそれを完璧に使いこなす。ゴルゴ本人の登場をぎりぎりまで絞った上で世界観補完100点の最高のスピンオフ。
こういう「表で戦うプロに最高の仕事をさせるプロ」みたいな話はもっと生み出されてほしくて、要するに『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(作/三条陸 画/稲田浩司 監修/堀井雄二)で、ロン・ベルクが謎の鉱石をこねくり回すスピンオフ(毎回ラストでポップの親父と「組織の中でうまく立ち回るの苦手な人」酒場トークもする)スピンオフが読みたいし、『疾風伝説 特攻の拓』(作/佐木飛朗斗 画/所十三)で夏生兄ちゃんが事故族車をレストアするスピンオフも私は読みたい。
スピンオフと言えば『ゆうえんち-バキ外伝-』にみんな大好き久我重明さんが登場。
原案/板垣恵介 原作/夢枕獏 漫画/藤田勇利亜『ゆうえんち-バキ外伝-(1)』(秋田書店)※週刊少年チャンピオンで連載中
板垣先生×夢枕獏先生が久我重明を使って『獅子の門』と『餓狼伝』を繋げ、それが今バキ世界に繋がった。これはもう前から言ってる通りにバキレギュラー8名と餓狼伝レギュラーの8名が参加する16人トーナメント漫画も見たいし、アントニオ猪木を元ネタにしたキャラだけのクロスオーバートーナメント漫画も見たい。
原作/古町 作画/きむ てみょん 『ヒソカニアサレ(2)』(小学館)※マンガワンで連載中
『ヒソカニアサレ』も非常にオススメで、「ヤクザに密漁でアワビを奪われて生活が立ち行かなくなったから、俺たち漁師も密漁をやろう! そのノウハウや道具はヤクザから奪おう!」という勢いある話で、そろそろ発売される2巻収録分で、憎むべき敵だと思っているヤクザも上の人間からの売り上げノルマにおびえる描写があるなど、搾取のピラミッドが一階層違うだけで「同じ者同士」の争いとして話が立体化してきているので是非読みましょう。
吉田薫『さるまね(1)』(コアミックス)※ゼノン編集部で連載中
『さるまね』も、コピー技を使う人類最大の敵・猿! という最高のエンタメでオススメです。高性能「見て盗む」マシーンとの対決で、人間が勝手に自滅していく戦い。やはり、ホラーな状況で余計なことを考えすぎて全判断間違う人間の話は読みごたえがあって素晴らしい。
『食糧人類Re:』では、前作の主要変態キャラ、山引くんが待望の再登場しつつ、再登場即変態確定アクションで期待通り。いつも言ってるけどこのマンガ、「自分は何も間違っていないと思っているけど客観的に見たら全然そうじゃない」登場人物が大半を占めるので毎回大興奮します。人生で大切なことを学ぶのに向いていないマンガ、もっと読んでいきたいですね。
漫画/イナベカズ 原作/蔵石ユウ 原案/水谷健吾『食糧人類Re: -Starving Re:velation-(4)』(講談社)※コミックDAYSで連載中
げきが・うるふ●マイナーマンガ紹介ブログ・なめくじ長屋奇考録の管理人&特殊出版レーベル・おおかみ書房編集長。11/12(土)、堀北カモメ先生のサイン会、予約受付中です。翌13(日)にはトークショーも開催予定。
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