連載企画「同級生~ときどき幼馴染」第16回は、『M-1グランプリ2019』チャンピオンのミルクボーイ、『キングオブコント2016』ファイナリストのななまがり、『キングオブコント2021』チャンピオンの空気階段・鈴木もぐら。
前編ではミルクボーイ、ななまがり、そしてもぐらと代々受け継いできた芸人への思いを語ってもらった。後編では、空気階段としてのもぐらの活躍、漫才から離れていた時期に感じたミルクボーイへの思い、そしてななまがりの賞レースへの思い、3人からの激励など熱いトークが繰り広げられた。
編集=竹村真奈
取材・文=高本亜紀
撮影=上村 窓
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前編はこちらから
ルミネの空気階段単独が面白過ぎた
――もぐらさん、1年と少しで大学を辞めてからも初瀬さんとの交流は続いていたんですか?
初瀬 今考えるとめっちゃ嬉しいんですけど、東京のNSCに行ってるときから僕らが大阪で単独ライブをやるたびに夜行バスで観に来てくれてたんですよ。
鈴木 そうですね。大学を辞めて、デリヘルの主任みたいなのをやってて。最初は早めにお金を貯めてすぐNSCに入ろうと思ってたんですけど、なかなか貯まらなくて。さらにギャンブルをやるようになったり、うちのお店で働かないかとか誘われたりもして2~3年経ってしまったんです。その間も当時のオーディションライブの結果でななまがりさん、ミルクボーイさんの名前はチェックしてました。で、この人たちが芸人としてがんばってるんだから、俺もお金を貯めて芸人になるんだって。お2組はそういう道標にもなってましたね。
内海 へえ、そうやったんや。いつも思うんやけど、なんでそんなに(志が)繋がっていってるんやろうな? 周りに勝ちたいっていう気持ちはあったけど、ただ部室に集まってただけなのに。
初瀬 たしかになんでなんですかね? 教室でライブをやってたくらいですもんね。
森下 (大学が)地蔵に囲まれてたから……パワースポット!?
駒場 何それ(笑)。
初瀬 それやったら、全生徒がおもろならんとおかしいやろ。
内海 でもまあ、ひとり面白いっていう人がおったら超えたいって思うもんやからな。それで言うたら、俺らの場合は1個上で、和歌山住みます芸人をやられてるわんだーらんどのまことフィッシングさんがインディーズライブのオーディションにまず受かって。地引網のネタでね?
駒場 そうそう。
内海 網を引っ張ったらいろんなアイテムが貼ってあって、こんなん採れたで!みたいなネタで。俺らは舞台に地引網を出す手伝いに行ってたんよ。
駒場 網が絡まるからね。
初瀬 (笑)。たしかに、インディーズライブとかに出て結果を出してる人を見て、負けられないっていう刺激を受けてたっていうのはあるかもしれないですね。
――もぐらさんが空気階段として注目されるようになったとき、お2組はどう思っていたんですか?
初瀬 いやあ、ビビってましたよ。めっちゃおもろいやんって。
森下 もちろん空気階段のことは知ってて……けど、ライバル心というか嫉妬でまだ認めたくないっていうのが……。1~2本のネタを観た段階はまあまあおもろいんちゃうって思いつつ、あんまりやなっていうネタを観たときにはほら、やっぱりな?って思って心を落ち着けようとしてたんです。けど、空気階段がルミネで単独をやって。
初瀬 森下とふたりで観に行ったんですよ。
内海 それ、ななまがりがもう東京へ行ってるとき?
森下 そうです。度肝抜かれて……めっちゃおもろかった。しかも満席で。こんなに人気もあって、めっちゃ面白い。こういう感じのお客さんに大爆笑っていうのはでかいぞっていうウケ方してて。後輩芸人もいっぱい見学に来てたんですけど、みんな悔しかったのか面白かったとも言わずに帰ってました。で、僕、思いました。こいつ(もぐら)は一生、芸人としてやっていくんだろうなって。
鈴木 今の発言は大見出しでお願いします!
初瀬 あははは! 僕らコンビでいろんな人の単独ライブを観に行って刺激を受けてネタを作るんですけど、空気階段の単独は今まで観てきた中で一番ちゃうかっていうくらいおもろかった。
内海 なんでルミネでできることになったん?
鈴木 1回、ヨシモト∞ホールでやってて。『キングオブコント』(TBS系)の準決勝に行ったことでやってもいいよっていうことになりました。