オカモトレイジ(OKAMOTO’S)、Yohji Igarashi、宮崎敬太 presents「レイジ、ヨージ、ケイタのチング会」19

今回はおなじみのNewJeansやNCT127をはじめ、千葉雄喜「チーム友達」、BADHOPの東京ドーム公演などなど2024年1〜3月ごろまでのトピックをわいわい話しました。

 

これまでのチング会はこちらから読めます!

 

取材&文/宮崎敬太

 

Ditto」はジャージークラブでもボルチモアブレイクスでもない

 

ケイタ:レイジくんが2月にXでポストしてたNewJeans「Ditto」の新解釈ってどういう意味なの? ジャージークラブでもボルチモアブレイクスでもないって言ってたけど。

 

 

レイジ:Diwaliっていうダンスホールのリディムがあるんです。INIのアルバム(『MATCH UP』)に一瞬Diwaliっぽくなる曲があって、それ聴いてたら「そういえば俺、Diwaliを深掘りしたことない」ということに気づいて、いろいろ調べてたんですね。

 

ヨージ:Diwaliって2000年代に流行ってたよね。

 

レイジ:そそ。で、Diwaliで検索して出てきたルミディーの「Never Leave You (Uh Oooh, Uh Oooh)」って大ヒット曲を聴いてたら「(『Ditto』は)この曲をリファレンスにしてるんじゃないか」と思えてきて。

 

ケイタ:たしかに曲は「Attention」っぽいし、MVは「Super Shy」っぽくもある。でも「Ditto」っぽさはなくない?

 

レイジ:(DTMソフトの)Logicで「Never Leave You」を「Ditto」と同じBPMにしてみたので聴いてみてください。

 

(試聴中)

 

ケイタ:……一緒じゃん!

 

レイジ:でしょ! ハンドクラップのパターンとか。逆に「Ditto」を「Never Leave You」と同じBPMにするとやっぱ超似てたんです。

 

ケイタ:てか音楽ってBPMでこんなにも印象変わるんだね。

 

ヨージ:そうなんですよ。面白いですよね。

 

レイジ:だからジャージークラブやボルチモアブレイクスありきではなく、早回ししたDiwaliにストリングスを乗っけて「Ditto」を作ったって考え方のほうが、これまでの250(イオゴン)の発言を鑑みてもしっくりくる。一応、 NewJeans に関するいろんなインタビューを読みまくっている知り合いにも確認したら「可能性は高い」と言ってくれて。その人も、250 がジャージークラブやボルチモアブレイクスから影響を受けたと話してる記事とは出会ってないらしいんですよ。

 

ケイタ:こういう時、オタクは頼もしい(笑)。

 

レイジ:それにNewJeans規模のアーティストは、リリースの2〜3年前から活動スケジュールを組んでるはずなんです。「Ditto」は2022年の年末リリースで、ルミディーの「Never Leave You」は2002年に出てるんですね。ちょうど20年前。ここから先は完全に自分なりの考察ですけど、NewJeansのチームが2019年くらいに2022年の年末にハマりそうな曲のアイデアを出し合ってて、「20年前はどんな曲が流行ってたかな〜」とかやってたら「Never Leave You」にたどり着いたんじゃないかと俺は踏んでます。

 

ケイタ:しかしNewJeansのコンテンツ力はとんでもないね。俺らもこのチング会でなんだかんだでデビューしてからずっと彼女たちの話をしてるけど、次から次へと新しい視点が見つかる。

 

いろいろあった2月を振り返る

 

ケイタ:この前NCT127(以下イリチル)の東京ドーム公演に行ったんですよ。で、そのイリチルのドームがすごくてさ。5万5千人がずっと絶叫状態で掛け声を叫んでいて。ワールドカップの会場みたいなんだけど、同時にポジティブな雰囲気になってたんだよ。しかもイリチルの音楽って、結構人を選ぶじゃない? 実際、2016年にデビューしたけど、本格的にブレイクしたのは2020年の「英雄; Kick It」で、SMの看板アーティストとしてはヒットするまでかなり時間がかかってる。でもスタンスを変えず、世の中に自分たちの実験的な創作をわからせたのはマジでかっこいいと思った。めちゃ感動して超泣いた。

 

レイジ:そういう意味だと、俺は同じことをHIYADAMにも感じてます。俺、18か19くらいからあいつと友達だけど、HIYADAMは超が付く日本語ラップ好きなんです。でも最近はいわゆるB-BOYっぽいファッションじゃないですよね。あれ、あえてだと思うんですよ。ダボダボの服を着たり、ブリンブリンつけたりっていうのもアリだけど、あいつは「Keep Fresh」、つまりつねに人と違うことをかますっていうヒップホップのスタンスに忠実なんです。トラップ全盛期に四つ打ちに行ったのもそういう意思表明だったんじゃないかな。

 

ケイタ:そういえばこの連載でも何度か話題に出てるHIYADAMアルバムの進行具合はどうですか?

 

ヨージ:結構いい感じだと思います。もうずっと作業してて、だいぶ詰めてます。完成版じゃないけどちょっと聴いてみます?(編集部注:5月22日にHIYADAM 『Capture Land』を発売。配信リンク→https://aotl.lnk.to/HIYADAM_CaptureLand)

 

ケイタ:めっちゃかっこいいじゃん!

 

レイジ:すごい昔にヨージが個人的に聴かせてくれたやつ?

 

ヨージ:そうそう。今回はトラップもあり。

 

レイジ:たしか俺が聴いたのは4年くらい前だったと思うけど、これは絶対に今のほうがハマる。こういうことっすよ。HIYADAMとヨージは超B-BOYだな。

 

ヨージ:2人のその反応はマジで嬉しすぎる。

 

ケイタ:トラップといえば「チーム友達」がめちゃくちゃ流行ってるじゃない? 曲が良いのは大前提として、なんであんなに盛り上がったんだろう? 千葉雄喜(ex.KOHH)のネームバリュー?

レイジ:それもあると思うけど、ストリートプロモーションがデカかったと思います。俺もヨージも去年から知ってましたし。

 

ケイタ:そうなんだ!

 

レイジ:限られたDJだけが持ってる超エクスクルーシブ音源として、いろんなクラブでかかりまくってたんですよ。1月にやった藤井健太郎さん主催のパーティー『STILL MORE BOUNCE 2』ではPUNPEEくんがライブで歌ってたし。で、どうやら5lackのヴァースもあって、リミックスが出る前からJin Dogg、Yong Cocoの名前も挙がってました。あとZorn、Watson、Eyedenのヴァースもあるとかないとか……。Y’sさんのYouTubeで全員集合してる動画なかったっけ?

 

ヨージツリジャンキーTVでしょ。

 

レイジ:それそれ。(2023年の)年末のパーティーっぽかったから、おそらくBADHOPと舐達麻のビーフの裏側でいろいろ作ってたんじゃないんですかね? 詳しく知らないし憶測の部分も大きいんですけど。

 


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