2024年初のチング会はオカモトレイジの誕生日翌日に実施されました。恒例のプレゼントタイムから始まって、ファッション、音楽、マンガ、お笑いと今気になるあれこれの話題が縦横無尽に飛び交います。
これまでのチング会はこちらから読めます!
取材&文/宮崎敬太
ヨージがセレクトしたレイジの誕プレ
ヨージ&ケイタ:レイジくん誕生日おめでとう!
レイジ:33歳になっちゃいましたよ。
ケイタ:プレゼントいろいろ考えたけど、俺は「スーパースターを唄って。」(薄場圭/小学館)を持ってきました。
レイジ:ありがとうございます! ……でも持ってます(笑)。前にケイタさんがお薦めしてくれたので自分で買ったんですよ。
ケイタ:その可能性もあると思って、もう一冊持ってきました。
レイジ:……「龍子」(エルド吉永/リイド社)。これは知らないですね。
ケイタ:たまたま本屋さんで見かけて、表紙がすごくかっこいいからなんとなく買ってみたらめちゃ面白かったんだよね。基本的には劇画だけど、アメコミっぽい雰囲気もあるノワール活劇。俺が知らないだけかもしれないけど、あんま読んだことないタイプのマンガだった。映画みたいな感じというのかな。「オールド・ボーイ」が好きならいけるかもと思って。もともと芸術家だった人が45歳からいきなり描き始めたマンガがこれなんだって。
レイジ:これが最初の作品ってことですか?
ケイタ:らしいよ。10代が描いたような勢いがあるんだよね。衝動というか。ロックっぽいなと思って。読んでみてくださいませ。
レイジ:自分が買ったやつは誰かがパクられた時に差し入れよう。
ヨージ:じゃあ僕はこれを。
レイジ:え、洋服? これ何? ……え、まじ? PYREX VISIONのパーカーじゃん。高い系?
ヨージ:安くないけど、そこまで高くないよ。今はだいぶ落ち着いた。
ケイタ:ヴァージル・アヴローがOff-Whiteの前にやってたブランドだよね。
レイジ:ですです。めっちゃレアなやつじゃん。これ、もらっていいの?
ヨージ:この日のために1年間探し続けたんで。もらってください。
レイジ:まじかー。嬉しすぎる。今着ちゃおう。……サイズもぴったりなんだけど。ヤバい。めっちゃ気に入った。俺、PYREX VISIONは完全に後追いなんだよね。リアルタイムだと誰がどういう感じで着てたの?
ヨージ:最初はカニエとかジェイ・Zとかだね。
ケイタ:昔K-POPアイドルがめちゃ着てた記憶ある(笑)。
レイジ:しかしよくこんな小さいサイズあったね。
ヨージ:そこはまあディグですよ。
レイジ:俺の誕生日プレゼントを1年中ディグってくれてるなんてほんとありがたいわ(笑)。
ヨージ:外せないから。
レイジ:大当たり。個人的にはBEEN TRILLやOff-WhiteよりPYREX VISIONがかっこいいと思っててさ。
ヴァージル・アブローとPYREX VISION
ヨージ:俺もそう思う。PYREX VISIONがヴァージル個人のブランドの始まりなんだよね。2012年くらいに立ち上がったけど、2012年~2013年にはもうOff-Whiteが始まってるからPYREX VISIONの活動期間はすごく短かった。型数も、流通量もすごく少ない。日本の正規ディーラーはGR8くらいだったんじゃないかな。しかもちょっとしか入荷してないはず。
ケイタ:一時期、このロゴのデザインをかなり見かけたけどほとんどが偽物ってこと?
ヨージ:もしかしたらそうかもしれないです。PYREX VISIONはヴァージルがチャンピオンボディか、ラルフローレンのラグビーシャツにシルクスクリーンでプリントしてタグ付けしただけのシンプルなデザインだから偽物を作りやすい。
ケイタ:手作りがかっこいいだけになんとも皮肉な。
レイジ:どこで真贋を見極めてるのかな?
ヨージ:たぶんタグ。でも正直なところを言うとわかんないんだよね。今日あげたやつが偽物の可能性もある。そんぐらい判断が難しい。だから個人売買系は避けて、鑑定してくれるお店を見つけて、レイジが着られそうなサイズをずっとチェックしてた。
レイジ:……愛。
ケイタ:しかしイケてるプリントだねえ。
ヨージ:去年出たウェストサイド・ガンのアルバム(『And Then You Pray For Me』)もこういうビジュアルでしたよね。このルネッサンスっぽいテイストとヒップホップを結びつけたのはヴァージルだと思います。
レイジ:BEEN TRILLはPYREX VISIONの前?
ヨージ:うん。ヴァージルとヘロン・プレストン、マシュー・ウィリアムズの3人でやってた。個人的にはBEEN TRILLだとヴァージルの色は薄いイメージ。どういう関わり方だったのかは知らないけど(笑)。
レイジ:そもそもDJチームだったんでしょ?
ケイタ:あー、なるほど。レイジくんが前にヴァージルとDJで共演した時のエピソードを聞かせてくれたじゃない? サウンドチェックからしっかり参加して、本当に本当のスケジュールぎりぎりまでContactで遊んでたって。あとレイジくんがかけた曲が偶然ヴァージルとヘロンにとってのクラシックで距離が一気に縮まったとか。その話を聞いてさらにヴァージルが好きになったんだけど、俺が思ってた以上に音楽が太いバックグラウンドにあった人なんだね。
レイジ:ですね。BEEN TRILLみたいなとこから偉大な3人が生まれるのもヤバくない?
ヨージ:今はここから派生したものばっかりだもんね。だからBEEN TRILLがそんなにかっこよく見えなくなっちゃってるのかも。逆説的に。
レイジ:「#BEENTRILL」とかあったじゃん。
ヨージ:ハッシュタグがイケてた時代ね。あの頃にストリートとモードが混ざった。その後にVETEMENTSも出てきたり。
レイジ:しかしPYREXのパーカーはまじでうれしいわ。ほんとありがとう。
ヨージ:全然うれしくないって可能性もあったからちょっとドキドキしてた(笑)。
レイジ:てか次回のヨージの誕プレどうしようかな〜。まじでむずいんだよな。いつもヨージのホームラン級を出せない。アニメ化が決まる前の、知ってる人たちが盛り上がってるっていう最高のタイミングで「チェンソーマン」(藤本タツキ/集英社)全巻あげたのに全然喜んでくれなかったし(笑)。
リルウジはマジでなんでも早い
ケイタ:2人の肌感だと2024年はどんな音楽が流行ると思う?
ヨージ:僕自身が聴く音楽はヒップホップに回帰してるんですけど、トレンド的なことでいうとガラージっぽい音はもっとメジャーになりそうかなって思います。
レイジ:Daichi Yamamotoとかは結構早くああいうサウンド取り入れてたよね。
ヨージ:うん。でもアメリカだとUKガラージっぽいクロスオーバーな感じをやってる人はそんないない印象があって。
レイジ:Lil Uzi Vert「Red Moon」聴いた? トラップだけどガラージっぽいフィルが入ってて面白いよ。
ヨージ&ケイタ:(MV視聴中)
Lil Uzi Vert – Red Moon
ヨージ:あ、そうそう。この感じ。リルウジはマジでなんでも早いな。
レイジ:いやいやいや。ヨージはリルウジより早くこれをやるべきっしょ。
ヨージ:大変だね(笑)。まあ、この感じがアメリカのメインストリームになるとは思わないけど、局所的なトレンドにはなっていくんじゃないかな。
ケイタ:俺はこの感じめっちゃ好き。
レイジ:好きそう(笑)。たぶんアメリカ的な感覚だと音数が多すぎるんだと思います。
ヨージ:それは絶対にある。ジャージークラブも音数少ないじゃないですか。アメリカのトラップ系のラッパーからすると、音数が多いビートは乗りづらそう。
レイジ:この流れでいくと、この前良い曲見つけました。piri & tommy の「ON&ON」って曲。
ケイタ:全然知らないや。
レイジ:俺も全然知らないす(笑)。まあ聴いてみてください。
ヨージ&ケイタ:(MV視聴中)
piri & tommy – on & on
ケイタ:前に教えてもらったYaejiの「easy breezy」とか、レイジくんがMV撮ったZion-Tの「V」に通じる感じだね。
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