オカモトレイジ(OKAMOTO’S)、Yohji Igarashi、宮崎敬太 presents「レイジ、ヨージ、ケイタのチング会」15

オカモトレイジ(OKAMOTO’S)、Yohji Igarashi、音楽ライター・宮崎敬太のチング(友達)同士による、K-POPをサウンド面から深掘りしていく連載。Kカルチャーに造詣の深い2人がサウンドの面からK-POPを分析しつつ、トラックメイカーYohji Igarashiと共に元ネタを探りながら理解を深めていこうという企画。

 

発売中のTV Bros.8月号と一緒に読めば、ますます理解が深まります!

 

取材&文/宮崎敬太

 

これまでの連載はこちらから

 

アイリーンが体現する「私たちにしかお見せできない世界」

 

ライター宮崎敬太(ケイタ) TV Bros.本誌では入りきらなかった続きをこのWEB版でお届けしようと思うんだけど。レイジくんがRed Velvetのコンサートの感想を話し出したとこで文字数がパンパンになっちゃったんだよ。

 

オカモトレイジ いやもうね、最高すぎました。アイリーンが「私たちにしかお見せできない世界へ皆さん一緒に行きましょう」と言ってたんですよ。

 

Yohji Igarashi(ヨージ) アイリーンとは……?

 

ケイタ レドベルのリーダーだよ。これは私見だけど、ヘイターが多い印象。そこに関係があるのかはわかんないけど、コロナ禍にもデカい炎上があって、SNSもほとんど更新しなくなっちゃった。からの今回のツアー『Red Velvet 4th Concert : R to V in JAPANだったのよ。

 

ヨージ ケイタさんは行かなかったの?

 

ケイタ お金なくてチケ取れなかった(笑)。で、レイジくんは「私たちにしか〜」の何にそんな食らったの?

 

レイジ 最初は「意味わかんないな」って感じだったんですよ。でもすごい引っかかったからずっと反復して考えてたんです。そしたら意味がわかったというか。……ヨージ、退屈そうな顔してんな〜(笑)。

 

ヨージ そんなことないから!

 

レイジ まあいいや(笑)。「私たちにしかお見せできない世界へ皆さん一緒に行きましょう」。(Red Velvetは)世界を見せる前提であそこ(ステージ)に立ってるんだっていうか。……なんて言ったらいいんだろう。つまり「自分にしか(表現/体現)できない世界を構築して、なおかつみんなをそこに連れていく姿勢を持たなきゃいけないんだな」って思ったんですよ。自分にしかできないこと、自分の世界観、個性、らしさって、なにかを作ったり、表現する人は最初に考えることだし、ぶつかる壁だとも思う。でもそんな苦悩や努力なんてのは超当たり前のことで、さらにそこから先の、(自分の表現した世界へ)みんなを連れていく(ためにさらに努力したり苦悩する)姿勢っていうのかな。「オリジナリティとは?」みたいな、表現の根っこにあることをちょっと違う角度で言われた感じがして。

 

ケイタ 韓国人が話す日本語だからとかは別にしても、確かに変な、なんか妙に残る言葉だね。

 

レイジ そうなんですよ。考えれば考えるほど不思議な言葉なんです。俺、アイドルとかっていう以上に、アイリーンのこのMCに人生観を変えられたっすね。

 

ヨージ またまた〜。

 

レイジ いやガチで(笑)。だってエンターテインメントを完全に言語化してるじゃん。それに俺がRed Velvetを好きな答えでもあるなって思ったんですよ。だってRed VelvetってRed Velvetにしかお見せすることのできない世界じゃないですか。

 

ケイタ 確かに。

 

レイジ トレンドを一生無視してるじゃないですか。ジャージークラブなんて絶対やらない、みたいな。大人っぽいクールな装いもできるけど、いつまでもめっちゃアイドルな衣裳でカムバしてくれるんですよでもそれってRed Velvetにしかお見せすることのできない世界で、そこが良いわけじゃないですか。これってギターウルフが一生革ジャン着てると同じだと思うんですよ。

 

ヨージ 世界観強め系の人たちだ。

 

レイジ そうそう。常識をわきまえたクレバーなレッチリとかめっちゃ嫌じゃないですか(笑)。そういう意味でも、アイリーンの言葉は自分が好きなアーティスト全般に当てはまったんですよね。「ああそうか」って。あの日以降、俺の人生の指針になりました。

 

ケイタ スルギじゃなく、アイリーンが言ったってのも良いねえ。

 

レイジ それは間違いなくあるっすね。アイリーンって俺と同い年なんですよ。

 

ケイタ え、そうなの? まだ20代後半だと思ってた。

 

レイジ いやいや。全然違いますよ。俺ら91ラインですから。

 

ケイタ ちょっと待って。アイリーンてSHINeeとキーとミンホと同い年でもあるってこと?

 

レイジ ですです。ケイタさん、それは全然ダメダメですよ。アイリーンが91ラインってことを踏まえて、「Queendom」とか「Birthday」とかのカムバステージを観直してください。NewJeansと同世代みたいな衣装着てるんですよ。最高すぎませんか? スルギはよくインスタに私服の写真あげてるけど、全然雰囲気違うんです。

 

ケイタ スルギはめっちゃ私服オシャレだよね。

 

レイジ こういう雰囲気の人が「やっぱアイドルっしょ」とか言って、あのステージ衣装に着替えるのとかめちゃカッコいいじゃないですか。

 

ヨージ 妄想が過ぎるから(笑)。

 

 

 

 

Red Velvetを観た直後のオカモトレイジにしかお見せできない世界

 

ケイタ 確か、レイジくんはレドベルのコンサートが終わった後、深夜にDJがあったんだよね?

 

レイジ Red Velvetの会場がぴあアリーナMMで、最終の新幹線で大阪に行ってCIRCUSでDJする予定だったんですね。

 

ケイタ ぴあアリーナから新横浜の新幹線乗り場まで遠くなかった?

 

レイジ くっそ遠かったっす。全然知らなくてコンサートが終わった後、友達とダラダラしてたんですよ。グッズ買いに行ったりとか。最悪タクシー乗れば余裕っしょ、みたいな。そしたら全然違くて。ガチで新幹線の最終に乗り遅れる感じになってきて、さらに乗り換えを間違えるという。ありえないくらい走って、汗かいて、息切れして、発車ベルが鳴ってる時に階段を駆け上がって、本気の滑り込みでした(笑)。

 

ケイタ どうせグッズとかも買ってたんでしょ? めちゃ荷物あったんじゃない?

 

レイジ もちろんですよ(笑)。

 

ヨージ DJ前にそれはメンタルぐちゃぐちゃになるやつ。

 

レイジ ホントそれ。OOPSっていう大阪の古着屋が主催するパーティだったのね。

 

ケイタ うわっ、Peachとか呼んでるんだ。すごいパーティだね!

 

レイジ そうなんです。FULLHOUSEってクルーがやってて。割とパーティの雰囲気に寄せた選曲をするつもりだったんです。でもRed Velvetの衝撃と新幹線に乗り遅れそうになるアクシデントを経て、「これじゃだめだ」って新幹線の中で全部選曲し直しました(笑)。

 

ヨージ 出番は何時くらいだったの?

 

レイジ 結構早い時間だったのよ。だからそんなぶち上げない系で、さらにOOPSの雰囲気に寄せた感じでいこうと思ってたの。普段そういうDJしないし。逆に面白いかなって。でも「これはOOPSのクルーでもお見せできる世界で、俺にしかお見せできない世界じゃないぞ」って思い直して。

 

ケイタ じゃあ最初に予定してた選曲は前に二人が言ってた「ゲストDJはパーティの特性やフロアの空気を読むことを求められる」というセオリーに沿った感じだったんだね。


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