「僕らが殺した、最愛のキミ」短期集中連載Vol.05  若林時英インタビュー

TELASAオリジナルドラマ『僕らが殺した、最愛のキミ』で、“若葉大翔”を演じた若林時英。共演者が口をそろえてムードメイカーだったという彼に、プライベートでも仲が良い古川毅との撮影秘話や、“トガっていた”という過去の話を教えてもらいました!

取材&文/吉田可奈 撮影/佐野円香

――今作は緊張感漂う作品になりますが、撮影現場の様子はいかがでしたか?

 

すごく和気藹々としてました。同世代の俳優がここまで集まる機会はあまりないんですよ。さらに『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』で共演していたメンバー(鈴木仁、古川毅、大原優乃)とも再会できましたし、初めてお会いする方もいたので、いろんな現場から学んできたみなさんのお芝居のやり方を間近で見て、毎日のように刺激をもらいながらお芝居をしていました。

 

――古川さんとは、M!LKの吉田仁人さんを介して知り合ったとお伺いしました。

 

そうなんです。高校2年生のときに、3人で一緒に焼き肉を食べに行ったんですよ。その後に『兄友』という作品で一緒になって、驚きましたね。

 

――縁があるんでしょうね。

 

だと思ってます! さらに、この作品を入れて4回ほど現場が一緒になることがあったので、すごく縁を感じます。

――今回はそんなご縁のある古川さんとじっくりお芝居をするシーンも多かったですが、いかがでしたか?

 

プライベートを知っているからこそ感じたのは、毅は撮影のときに、普段は見せることのない、彼のなかにある狂気や怖さをずっと漂わせていたんですよ。最後の方は、毅が演じる悠真としての違和感や、異質な役回りを繊細に演じているのが痛いほど伝わってきて、やっぱりすごいなと思いました。

――いい刺激を受け合っていたんですね。

 

はい。そんな空気を漂わせながらも、毎日のように、「今日のお芝居、どうだった?」「大丈夫かな?」って聞き合って、「大丈夫だよ」「よかったよ!」って返す、傷のなめ合いをよくしていました(笑)。

 

――あはは。さて、今作は最初に台本を読んだときにかなりの衝撃を受けたと思うのですが、読んでみていかがでしたか?

 

本当に面白くて、台本を読む手が止まらなかったです。その直後にリハーサルがあったので、まずセリフを入れるところから始めたんです。台本を読み進めるうちに、脚本家の高野(水登)さんの、“こんな風にお芝居をして大翔を表現してほしい”という思いがすごく伝わってきたんですよ。なので、監督が思う、僕が演じる大翔と、脚本家さんが思う大翔を擦り合わせていく作業がすごく楽しかったです。

――大翔は、全員に噛みついていくようなキャラクターでしたよね。

 

彼は自分の考えを、人に合わせることなくしっかり伝えられるところはいいところですよね。最近、人とのコミュニケーションが大事だと思う機会が増えているので、ディスカッションができる人とは、より良いものを作っていけると思えるんです。さらに、友達と遊んでいて、嫌だなと思うことがあったときに、ちゃんと言ってくれた方が、最終的にはちゃんと楽しめると思うようになったんですよ。大翔は、そういったことを、愛を持って臆せず言える人なんです。ただ、もちろんダメなところもあって。大翔は、昔野球をやっていたんですけど、ずっと補欠で。親には「野球でトップになれ」とプレッシャーを与え続けられていたんです。その劣等感とプレッシャーに、大人になってもずっととらわれ過ぎているところは共感できなかったです。過去に縛られず、ちゃんと前を向こうよ、と思いながら演じていました。

――自身と似ているところも多いですか?

 

大翔の設定を渡されたときに、“なんで僕のことを知っているの?”と思うくらいわかり合えるところが多かったです。

 

――他のキャストさんが、つねに若林さんが現場を盛り上げてくれたと言っていましたが、現場ではどんなことを心がけていますか?

 

少し前まで、お芝居を作るうえで、いつも否定のできる人間でありたいと思っていたんです。自分の頭の中で考えていた芝居ではないときなどに、相手に“その芝居は違くない?”ってハッキリと言えるのがカッコいいと思っていたんですよね。でも最近になって、僕がそこで言葉で否定するよりも、“それもいいね”というところから始めて、その後にその芝居をどう広げていこうか、どうやったらお客さんにもっと伝わるのかを話し合った方がより良いコミュニケーションを取れるのでは、と考えられるようになったんです。その心境の変化があったからか、再会する人には、“いい意味で変わったよね”と言われることが増えましたね。いま考えると、以前はかなりトガっていたのかもしれません(苦笑)。

――それは共演者の皆さんからの証言によると、『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』の撮影中のころですか?

 

そうですね、いま振り返ってみても、当時は恥ずかしながら人生で一番トガっていました(笑)。共演させていただいた菅田将暉さんのお芝居が大好きだったんです。もう単純にファンで、当時、菅田さんが着ているセーターを、先輩にお金を借りてまで買っていたくらいだったんですよ。それで、いざ共演したときに僕がそのセーターを着て現場に行ったら、菅田さんがそれに気づいてくれたんです。すごくうれしかったのに、僕はトガっているからうまく話せなくて…! いま思うと恥ずかしくて仕方ないです……。

 

――あはは。次に再会したときは伝えたいですね。

 

素直に伝えたいですね~。今回共演したメンバーにも、あの頃のことは忘れていて欲しいです(笑)。

 

若林時英(わかばやしじえい)●1999年10月25日生まれ。12歳から芸能活動をはじめ、舞台『身毒丸』に出演。映画『ソロモンの偽証』、ドラマ『中学聖日記』『3年A組―今から皆さんは、人質です―』など話題作に多く出演。

<ドラマ情報>

TELASAオリジナルドラマ 『僕らが殺した、最愛のキミ』
【第1話・第2話】配信中(※第1話は無料配信)
【第3話・第4話】 配信中
【第5話】 2021/10/01(金)20:00~
【第6話】 2021/10/08(金)20:00~
https://www.telasa.jp/series/11875

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