「僕らが殺した、最愛のキミ」短期集中連載Vol.06 井桁弘恵インタビュー

極限状態で繰り広げられる超ハードな密室グロきゅんラブストーリーを描いた、TELASAオリジナルドラマ『僕らが殺した、最愛のキミ』。本作のヒロイン、“吉村梨奈”を演じる井桁弘恵に、今作の見どころや、「本当に刺激的」だったというキャストとの刺激的な日々について教えてもらいました!

取材&文/吉田可奈 撮影/佐野円香

「僕らが殺した、最愛のキミ」短期集中連載Vol.05  若林時英インタビュー

 

――最初に脚本を読んでみていかがでしたか?

 

「何が起きているんだろう⁉」「どういうこと⁉」という衝撃が大きくてまずはストーリーを理解するのに必死でした。最初はただの視聴者として、演じることを考えずに読んだのですが、あまりのスピード感に驚きましたし、とにかく面白いと思ったんです。さらに、この作品でお芝居をすることはかなり難しそうだなとは感じましたが、密室という場所で、キャスト7人だけでミステリーを演じることは初めてだったので、すごく楽しみになりました。

 

――井桁さんが演じる“吉村梨奈”を演じることで、悩むことも多かったのではないでしょうか。

 

難しかったですね。台本を読む限りでは、梨奈は一見マジメなんですが、本当のところ何を考えているかというのはわからないし、梨奈自身もよくわかっていないところがあるんです。その戸惑いをどう表現するかを、迷いながら演じていました。でも、実際に私が迷いながら演じたことが、この部屋のなかで迷い続けている梨奈とリンクしていたような気がします。あとは、最初の方は梨奈の特徴や個性があまりなかったんですよ。言葉にするなら、誰よりも等身大で、面倒見のいい女の子という感じでしたが、ネガティブな意味ではないけれどただそれだけだったんです。他のキャラクターの個性がとても濃い分、このまま埋もれてしまわないかなと不安になりました。

 

――“梨奈”に共感するところはありましたか?

 

梨奈は、周りが見えてしまう分、気を使ってしまって自分の気持ちが素直に出せないんです。そういう自分の気持ちをため込んでしまう所には共感しました。そんな梨奈が後半にいくにつれて感情が抑えられなくなっていく様子が、グラデーションのように出るようにお芝居をしていきました。

 

――勝手なイメージとして、梨奈と井桁さんはすごく似ているように思ったのですが…。

 

そうですね。周りのキャラクターは、その場をかき乱していきますが、私自身そういうことがすごく苦手なんです。そこは少し似ているなと思いました。あとは、現場がピリピリしている雰囲気や、怒鳴り声がすること自体、すごく苦手で……。梨奈も大翔が怒っているときに、最初は“まぁまぁ”となだめるように接しているんですが、どんどん“もうやめて!”という感情になっていくのはすごく理解できました。そういえばこの前、テレビ局の楽屋近くで怒鳴り声が聞こえたんです。それがすごく怖かったんですが、後々聞いたらお笑い芸人さんのネタの練習だったらしくて…(笑)。

 

――あはは。でもトラブルが起きていたわけではなかったから良かったですね。

 

本当に良かったです(笑)。真相を聞いて心底ホッとしたのですが、声が聞こえてる間は心臓がドキドキしちゃって……。もともと平和主義なので、そういう怖いところが苦手なのは似ているなと思いました。

 

――共演者のみなさんがすごくキャラクターの濃い役を演じているのをそばで見ることは、かなりの刺激になったのではないでしょうか。

 

そうですね。かなりの刺激をもらいました。一番印象に残っているのが、若林時英くんです。お芝居も上手ですし、テンションの持っていき方もすごく上手いですし、臨機応変に自分を変えていく姿もすごいなと思いました。さらにテイクごとに毎回お芝居を変えてくるんですよ。そうすることで、どんどんプラスに、目に見えて良くなっていくんです。そうやってお芝居を追求していく姿はさすがプロだなと思いました。私は1度OKをもらったら、そのお芝居をとことん一生懸命やろうと思うんです。でも、若林君はそれ以上を求めて、貪欲にチャレンジしていくんですよね。その失敗を恐れない、挑戦していく姿は大きな刺激になりました。さらに、カメラが回っていないときも率先して良い雰囲気を作ってくれたのですごく感謝しています。

 

――お芝居を引っ張りながらも、ムードメーカーであってくれたんですね。

 

はい。あとは、(大原)優乃ちゃんとはドラマの中盤で衝突するんですけど、そこで本当にイヤ〜なセリフを投げかけられるんですよ。女の子2人ですごく仲良くしていたのに、なんで?って思わず素に戻って問い詰めたくなるくらい、その瞬間だけは優乃ちゃんのことを本当に嫌いになりそうでした(笑)。

 

――あはは。それは本人に伝えましたか?

 

はい。ちゃんと「言われるたびに嫌いになりそう」って言いました(笑)。だって耳元であんなセリフを言うんですよ⁉

 

――視聴者の方は、どんなことを言われたのか気になると思いますが、それはオンエアを楽しみにしていただいて。あれは泣いちゃいますね(笑)。

 

泣いちゃいます! お芝居の上では大切な場面だったのですが、内心は「本当に言わないで!」って思っていました(笑)。カットがかかるたびに、「本気じゃないよね⁉」「今の言葉は嘘だよね⁉」って聞き返していました(笑)。

 

――それほどまでに大原さんのお芝居が上手だったんですね。

 

そうなんです。上手ければ上手いほど心にグッと突き刺さってくるから、平常心を保つことが大変でした。かなり心が滅入ってしまって…。でも、それくらいお芝居に入れ込める現場ってすごく貴重ですし、キャリアの浅い私にとってはすごく大事だと思うんです。その居心地の悪さなどもリアルに感じて……。もちろん、いまは優乃ちゃんとは何のわだかまりもないし、とっても仲良しなので安心してください!

 

――はい(笑)。ちなみに、もともとサスペンスは好きでしたか?

 

好きです。自分自身も、あれこれ先のことや、伏線について考えながら観るのも好きだったので、もとからサスペンスが好きな人にはきっと楽しんで観てもらえる作品だと思います。

 

――まったく読めないラストなのもすごいですよね。

 

そうなんですよ! ここまで先がわからない作品もあまりないので、ストーリーや犯人を予想しながら楽しんでください!

――ちなみに井桁さんはミステリーなどを読んでいて、犯人やトリックに気づくタイプですか?

 

気づくタイプだと思います(キッパリ)。いや、でも、どうかな~。今回もスタッフさんに「犯人は誰だと思う?」と聞かれて、かなり迷っちゃったんですよね。ただ、最終的には、他のキャストの想像よりも、一番真実に近かったみたいです! まあ、外れていたんですけどね(笑)。

 

――それにしても、自分でもラストや犯人を知らないまま演じるというのは難しかったと思うのですが、いかがでしたか?

 

振り返ってみると、やっぱり真実を知らない方が演じやすかったです。もし、答えを知っていたら、もっと違うお芝居の見せ方になっていたと思うんです。本当に知らされていなかったからこそのリアルなお芝居になったと思いますし、だからこそ、その時々にリアルに動いた心も表現できていたので、答えを隠してくれていた柴田監督には感謝しています。

 

――それにしても、梨奈には幸せになってもらいたいですよね。

 

本当に……! それはこのストーリーの登場人物みんなに言えることなんですが……。きっと、作品を最後まで観て下さった方には、そういう感情になってもらえると思います。いつか機会があれば、パラレルワールドで梨奈がハッピーなラブストーリーを繰り広げるようなお話も観てみたいし、演じてみたいです。

 

「僕らが殺した、最愛のキミ」短期集中連載 Vol.01 キャスト全員集合インタビュー

 

井桁弘恵(いげたひろえ)●1997年2月3日生まれ。女優としてだけではなく『MORE』『JELLY』などのモデルとしても活躍。『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日系)や映画『4月のキミ、スピカ』『グッドバイ』などに出演。10月10日からスタートする新番組 「おしゃれクリップ」(日本テレビ系)のMCに就任。井桁弘恵1st写真集「my girl」(東京ニュース通信社刊)が大好評発売中。

 

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