押井守のサブぃカルチャー70年「SFの巻」【2021年6月号 押井守 連載第22回】

今回はSF大好きな押井さんのSFトークを。『プリズナー№6』(1967~1968年)を中心に、SF体験がのちに手掛ける作品に多大な影響があったことなどを語ります。ただ、大学生・押井青年にとってSFとの接触はなかなかの苦労があったようです。
取材・構成/渡辺麻紀

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『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』は『プリズナー№6』あってこその作品

 

――今回は、押井さんがハマりまくったという英国のTVドラマ『プリズナー№6』(1967~1968年)をお願いします。1960年代後半から1970年代くらいですか?

 

そのくらいだろうね。『プリズナー~』に関しては最初、NHKでオンエアされていて、そのときもチラチラは観ていたの。なぜ「チラチラ」だったかというと、オヤジがいたから。チャンネルの主導権はオヤジが握っていたせいで、彼がいないときだけ観ることが出来た。だから、本当に悔しかったわけですよ。

 

で、大学生になって本格的に一人暮らしを始め、TVも自由に楽しめるようになったものの、貧乏な私が持っているTVはゴミ捨て場から拾ってきたもの。アンテナの部分に針金を差し込んで、取れたチャンネルをペンチで回してと、かなり酷いものだったけれど、どうにか観られる。しかも深夜になるとかなり良好で、そのときやっと『プリズナー~』を全話観られたんだよ。深夜の再放送だけどね。

 

――なるほど!

 

大学生になると日本のドラマや怪獣ものは滅多にフォローしなくなって、ほとんど海外のドラマばかりになった。『謎の円盤UFO』(1970年)とか『キャプテン・スカーレット』(1967年)とか、本当にたくさん観たけど、やっぱりもっとも記憶に残っているのは『プリズナー~』。

 

――パトリック・マクグーハンですよね。彼はスパイドラマでブレイクしたんですよね?

 

彼がジョン・ドレイクというスパイに扮したシリーズ(『秘密諜報員ジョン・ドレイク』<1964~1967年>)でしょ。その成功があったからこそ『プリズナー~』は作られたんじゃないの? というのも、主演はもちろん製作から脚本、監督までやっている。だから、まさに彼の作品なわけですよ。

 

――押井さんは、どういうところに惹かれたんですか?

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