藤田菜七子の2020年【藤田菜七子 2021年1月号 連載】

東京、大阪、愛知、福岡など11都道府県に出された2度目の緊急事態宣言の影響で、再び、競馬場からお客さんの姿が消えてしまいました。
 2021年の開幕を迎えた中山競馬場、1月16日に参戦した中京競馬場、17日の小倉競馬場……シーンと静まり返ったスタンドには、拍手も歓声もなく、響くのは、馬の息遣いと脚音……。わかってはいましたが、やっぱり、哀しいです。ツライです。
 しかし、です。競馬は変わらず続いているし、馬も藤田菜七子も元気です! 自分が感染しないように、人に感染させないように気をつけながら、いつかこのコロナ禍が収束し、いつもの風景が戻ってくるその日まで、一鞍一鞍を大事に、目の前の1勝を目指して、全力騎乗あるのみです。
 丑年の今年は、年女になります。だからと言って、特別、感慨はないのですが、ひと回り前……前回の年女のときは何をしていたっけ? と頭を捻りながら、はっとあることに気づきました。あれは小学校6年生の時、乗馬学校に通い始めた年だったのです。
 ジョッキーになりたい――。
 夢を思い描きはじめた私の頭の中は、ただ、そのことだけでいっぱいでした。それから、難関を突破して競馬学校に入学し、競馬学、競馬法規、実技、厩舎作業に追われながら、いつしか、夢はどんどん膨らんでいきました。まずは、1勝。GⅠレースにも出てみたいし、世界中、いろんな競馬場に行ってみたい……。数字的な目標は立てずにここまでやってきましたが、JRA通算100勝というのもそのひとつでした。
 昨年、その目標をクリアできたことは、私の中では、藤田菜七子版2020年10大ニュースのトップです。

 

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