私が経験した競馬のアクシデント【藤田菜七子 9月号 連載】

競馬にアクシデントはつきものです。
 中でも一番酷いのは、レース中の落馬事故です。今年2月の小倉競馬で私も経験しましたが、いきなり宙に放り出され、地面に叩きつけられたあの瞬間の激痛は、思い出したくないほどです。
 幸い……と言っていいのかどうか、このときの私は、左鎖骨の骨折で済みました。しかし中には、粉砕骨折、骨盤骨折、頭蓋骨骨折など、何カ月もの間、リハビリを余儀なくされた先輩もいます。
 落馬以外のアクシデントは、それこそ数え切れないほどたくさんあります。9月5日の新潟競馬で、先輩の田辺裕信騎手の身に降り掛かったのもそのひとつでした。
 ゲート入り直前、乗っていた馬が大きく首を振り、その後頭部が田辺騎手の顔面を直撃してしまったのです。競馬関係者の間でよく言う、“チョーパンを食らう”というやつです。
 私も何度か……いや、何度も(笑)、経験していますが、正直、痛いです。ボクサーのパンチをまともに受けた感じ……と言ったら、わかっていただけるでしょうか(もっとも私は、ボクサーのパンチを受けたことはありませんが)。ものすごい激痛です。一瞬、記憶も飛んでしまいます。笑い事ではありません。まともにぶつかると、鼻血どころか、歯が折れることもあるし、最悪の場合、鼻骨骨折ということだってあるんですから。

 

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