連ドラの神回、意外と途中にある説(「共演NG」の場合)【大根仁 2020年11月号 連載】

“神回”とは、ネット辞書Weblioによると【主にテレビ番組の放送回のうち、傑出した出来栄えの回を賞賛して述べる言い方。映像表現が秀逸だったり、ストーリーが良い意味で期待を裏切る展開だった、というような意味合いを込めて、用いられることが多い】だそうです。オレは無神論者なので、モノ作りにおいても神の存在などあるわけもなく、作品に関わるすべての人たちが、それぞれ一切の手を抜かず、最後の最後までこだわり続けているうちに“見えざる力”が作品に宿る、それが神回と呼ばれると思っている。

自作を“神回”などどアピールするのは、下品極まりないことだと承知の上だが、長くテレビドラマを作っていると、ごくたまに“見えざる力”に動かされ、作品に特別な何かが宿ることがある。現在放送中のドラマ『共演NG』の第3話(11月9日放送。Paravi・Tver・GYAOでも配信)はまさにそんな回だった。

あらすじは【出演者同士の不倫スキャンダルが発覚! お泊まりデート現場を週刊誌に撮られてしまったのだ。不倫ドラマの出演者同士が私生活で不倫というスキャンダルに、世間は大いに盛り上がり、容赦ないバッシングを2人に浴びせる。プロデューサーは2人を守るために降板すべきだと訴えるが、ショーランナー市原龍(斎藤工)は前代未聞の「謝罪会見」の要求を突きつける。話を聞いた英二(中井貴一)と瞳(鈴木京香)はどんな決断を下すのか!?(公式HPより抜粋)】というもの。

『共演NG』はかつて恋人同士だった英二と瞳の関係を主軸に作られているが、一方でテレビ業界やドラマの制作現場の内幕を描くドラマでもある。本格的に脚本を書き始める前、ドラマ全話のプロットを作っている時に、“芸能スキャンダル”は絶対に入れようと思っていた。

不倫にかかわらず、今のドラマはとにかくスキャンダルに弱い。かくいうオレも過去に数度、スキャンダルによるキャスト降板や撮り直し、編集差し替えなどの経験があるが、その度にスキャンダル発覚後の現場スタッフのあたふたや、局上層部とスポンサーのやり取り、プロデューサーのマスコミ対応策、他キャストのリアクションなどなどを「なんてドラマチックなんだ!!」と思っていた。いや、オレとて現場スタッフなのであたふたしているのだが、頭の隅ではいつか撮るべきテレビ業界ドラマの1エピソードとして、ブックマークしていた。

 

 

この記事の続きは有料会員限定です。有料会員登録いただけますと続きをお読みいただけます。会員登録はコチラ
Spread the love