中川翔子「エヴァのミサトさんもガンダムのランバ・ラル大尉も年下だった」芸能活動20周年を駆け抜けて【中川翔子特集 後編】

芸能生活20周年を迎えた「しょこたん」こと、中川翔子。ジャンルレスに活躍し、今YouTube登録者数95万人越え、10年ぶりの写真集はミラクル大ヒットと、20年を経てもなお飛ぶ鳥を落とす勢いの彼女に直撃インタビュー!!  新作への思いを語った【前編】に続いて、しょこたんの魅力に迫る20の質問に「トゥットゥルー♪」と応えてくれた【後編】をお届けします!!

構成・取材・文/かわむらあみり 撮影/土佐麻理子

 

20周年は「ビッグバンウレシス!」

 

 

――20周年にかけて、20の質問をさせていただき、中川翔子さんの魅力に迫らせてください。まず1問目は、容姿や性格はご両親のどのあたりに似ていますか?

 

父は子どもの頃に亡くなったので、あまりちゃんとした記憶はないんですが、絵を描くこと、猫が好きなこと、化石を集めていたこと……といった趣味の部分に加えて、歌っていたことや声優もやっていたことまで、本当にそっくりなんです。母とも声も顔も似ていますし、趣味も似ていて。YouTubeでは、お正月に母の誕生日祝いで韓国に行った動画を公開していますが、一緒にBTSの聖地巡りをしたりと母子で友達のようなところもあるんですよ。

だから、しっかりと両親の血が入っているんだな、と感じます。でも不思議なのは、母は誕生日のイベントに友達を100人呼んだりするぐらいめちゃくちゃ陽キャで、私は陰キャなので、そこはなんでなんだろう? と思います(笑)。

 

――興味深いお話です(笑)。では2問目、芸能界に興味を持ったきっかけは?

 

特撮ヲタクなので、「戦隊モノのヒロインになりたい」と思ったのがきっかけですね。子どもの頃に観ていた特撮のピンクカラー担当の女性がカッコいいから、その人の活動を追いかけていると、グラビアなどの芸能活動をしていて。その人が使っている化粧品を真似して使ってみたりしているうちに、ダイエットも頑張るようになって、美容も楽しくなって。

私は内気な性格でしたが、こういうキラキラした世界に入りたいなって思うようになった頃、ブルース・リーやジャッキー・チェンにハマって「これはすべてひっくるめると芸能界を目指せばいいということなのか」と。中1ぐらいになると、さらに「アニソンを歌う人になりたい」という夢も持つようになりましたが、「どうせ無理だし」と諦めていた自分がいましたね。

 

――3問目、2001年の誕生日記念に、ジャッキー・チェンが経営する香港のレストランでチェンと遭遇して、ジャッキー・チェン事務所日本支部に所属した話は本当ですか?

 

本当です。16歳の誕生日のお祝いに、ジャッキーが経営する香港のレストランに行ったら、たまたまお隣にご本人がいました。この出来事がなかったら、たぶん芸能界に入っていないですね。この出来事もそうですが、「これがなかったらこうなっていなかった」ということが山ほどあります。運命的ですね。

 

――4問目、そもそもなんでジャッキー・チェンが好きなんですか?

 

映画を見てハマってしまいました。中学時代にいじめられていて、学校に行くのが嫌で仕方がなくて。そんな気持ちを打ち消すために、好きなことに没頭しようと思っていたんです。それがブルース・リーやジャッキー・チェンのビデオを観て、興奮することだったから。

 

 

――5問目、特技が「ヌンチャク」というのも関連がありますか?

 

はい、ヌンチャクもその引きこもり時代に、ブルース・リーのビデオをコマ送りで再生して、ノートに動きを書く、ということをやっていました。

 

――ただ好きなだけではなく、ノートに書きとめるなど、以前から深く分析して好きな人や物に集中するんですね。

 

ハマるとそうなります。でも後にまさかヌンチャクが役に立つとは思わなかったんですが、番組のオーディションに持っていって、それで受かった番組もありました(笑)。

 

――おお! よかったです。6問目、20年間で一番苦手だったことは?

 

踊るのが苦手ですねぇ。運動神経が悪すぎて、『アメトーーク!』(テレビ朝日系 毎週木曜午後11時15分)の運動神経悪い芸人企画に、女性でひとりだけ呼ばれたぐらい(笑)。よくデビューできたなって思います。歌うことは大好きなんですが、踊るのは本当に苦手。アルバムの曲でダンス曲があるんですが、それもファンの方が一緒に踊ってくれるようになって、それでやっと少し楽しくなってきました。

 

――続いて、どんどん質問していきます。7問目、芸能活動20年で一番うれしかったことは?

 

やっぱり、子どもたちが私の歌を合唱してくれることですね。リリースイベントでTVアニメ「ポケットモンスター XY」のED主題歌だった「タイプ:ワイルド」を歌ったときに、子どもたちが一緒に喜んで歌ってくれていたことが本当にうれしかったです。

 

――8問目、漫画家の楳図かずおさんを尊敬しているそうですが、どこが一番好きですか?

 

もっといろいろな日本中の賞を受賞してほしいと思うぐらい、楳図さんは自分の好きなことを徹底的にやっていらっしゃるところです。中学生のとき、ずっと楳図さんの絵を模写していたんですが、「こんなところにまで線がある!」「こんなにグロテスクなことを描いているのに女の子は美少女で可愛い!!」とか“恐怖”と“美しい”が隣り合わせで、芸術なんですよね。

 

 

だけど、楳図さんは「ずっと描き続けてもダメ出しばっかりされて、誰にも褒められないから、いつしか描くことをやめました」とおっしゃっていて。その言葉にびっくりしました。でもその後、楳図さんは海外から賞をいただいて、「また描く気が起きた」と数年前におっしゃっていたんです。楳図さんでさえそんな経験をされていて、どんなことも当たり前じゃないし、どんな人も同じ人間ですし。好きだと思ったら、好きってもっと言おうと思いました。

 

――翔子さんが堂々と「好きなものを好き」と言える強さは、そこからなんですね?

 

「好き」と言って、本人に届く場合もありますよね。逆に、インターネットにネガティブなことを書くと、それも言霊になっていると思うんです。運を上げるのも下げるのも自分次第なのかなって。

 

――9問目、特技の「イラスト」で一番うまく描けるキャラクターはなんですか?

 

『美少女戦士セーラームーン』のキャラじゃないですかねえ。これまでに一番描いた人間です。新しいパソコンやタブレットを買うと、とりあえずセーラームーンを描いて、描き味を確かめるという、自分の中の基本みたいなもの。宇宙はすべてセーラームーンで説明できると思っています。

 

――10問目、では今コスプレするなら、なんのキャラクター?

 

この間、『アメトーーク!』で『チェーンソーマン』に出てくるパワーちゃんのコスプレをしたんです。パワーちゃんみたいにキバをつけようと、入れ歯安定剤でキバを歯にくっつけて押さえていても、全然つかなくて大変でした(笑)。

 

――11問目、独自の“しょこたん語”で、20周年の気持ちを表すと?

 

ビッグバンウレシス! じゃないでしょうか(笑)!?

 

――なるほど(笑)! そもそも独自の言葉はいつから使うようになったんですか?

 

ブログをやり始めた初期の頃はガラケーで文字を打っていたんですが、書き間違えてもそのままアップしていたんです。誤字を修正する時間よりも、たくさんの記事を書きたかったから、1日100個ぐらい書いていたんで。そうするうちに書き間違いだけれど定着していく言葉がだんだん生まれてきて(笑)。普段から「ギザ」とか、その言葉を言うわけじゃないんですが、ブログで私のことを知ってくれた人からは、動画で話しているところを観て「普通にしゃべるんですね」と言われます。

 

 

――続いて12問目、一番思い入れのあるゲームは?

 

ゲームは難しいなあ〜。ドラクエとFFとポケモン、全部同じぐらい思い入れがあって、もう選べないですね。

 

――13問目、最近びっくりしたエピソードは?

 

先日、車に乗っていると、通りすがりのトラックの人が手で「トゥットゥル〜」としてきてくれたことですかね。「トゥットゥル〜」は、私がYouTubeで挨拶として使う言葉なので、きっとYouTubeを観てくれているんだと思うんですが、いざ遭遇するとどうリアクションしていいか照れてしまって、困っちゃいますね。あとは、ハワイに行ったときに、現地の方が「YouTube観てるよ」と日本語で言ってくれたりとか、ベネチアに行ったときも「空色デイズ好きだよ」って言ってくれたり。ネットの威力はすごいんだなと実感しました。

 

――14問目、これまでに食べて一番おいしかった食べ物は?

 

この間、入院する前に、自分へのご褒美に「今半のすき焼き」を食べたんですが、飛びましたね。

 

――15問目、人生で感動した出来事は?

 

神奈川県のラゾーナ川崎でイベントをしたときに、子どもたちがいっぱい来てくれて、みんなで「タイプ:ワイルド!」と叫んだこと。空の光も綺麗で、本当に今、生きているっていうのが幸せだなって、想いを噛み締めたのを覚えていますね。このときはコロナ禍の前だったから、まだ握手会があって、手にラメをつけて握手していたんです。握手をした後にラメで輝く自分の手を見て「魔法みたい!」と喜んでくれた子もいました。

 

――16問目、落ち込んだときはどうやって前向きになったらいいでしょうか?

 

私はすっごく落ち込みやすくて、落ち込んだら猫が寄り添って一緒に寝てくれるんですよね。あとは中学生の頃からやっている“自分を守る方法”として、嫌なことを反芻しちゃうと、そのぶん自分で傷をえぐることになるので、考えないようにするために本を読む&アニメを観る、という感じで武装をしています。最近も入院していて傷が痛かったので、病室でずっとアニメを観ていました。

 

――17問目、愛猫家の翔子さんが落ち込んでいるときに寄り添ってくれる猫ちゃんですが、どんな存在ですか?

 

猫は家族であり、息子であり、かけがえのない存在です。言葉もわかってくれているんじゃないかなって思うんですよね。昔、骨折したときに痛くて悲しくて泣いていたら、一晩中寄り添って一緒に寝てくれて、ゴロゴロと鳴いてくれていたんです。調べたところ、猫のゴロゴロ音は骨折を早く治す効果があるという論文も出ているようで、それをわかってゴロゴロしてくれていたのかと思うと、すごいなって。不思議なんですが、飼い主とシンクロするみたいなので、元気でいなきゃと思っています。

 

新しいことにもなんでも楽しむ大人になりたい

 

 

――18問目、テレビは今オワコンと言われることもありつつ、まだ私はテレビの持つパワーを信じているのですが、翔子さんが思うテレビの良さはどこですか?

 

今は娯楽も増えて、好きな時間にいろいろなものから作品を選んで観ることが当たり前になっていますよね。ただ、私にはテレビがない生活は考えられないし、テレビが大好きです。Twitterのトレンドに「しょこたん」と入るときは、テレビに出たときなんですよね。それだけテレビの影響力は大きいということですね。幅広く多くの方に知っていただける力があるのは、テレビのすごさです。

 

――19問目、「かっこいい大人の女性」ってどんな女性だと思いますか?

 

そうだなあ、昔は『新世紀エヴァンゲリオン』のミサトさんに憧れていたんですよ。「大人になったらああなるぞ!」って思っていたら、気づくとミサトさん、めっちゃ年下なんですよね(笑)。29歳の設定だったかな。あとは、『機動戦士ガンダム』を観ていて、「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」というセリフを言う、自分のことを「わし」と呼ぶランバ・ラル大尉のことを「カッコいいなあ」と思っていたら、35歳と知って。「え!  58歳ぐらいに見えるのに!」と(笑)。

なんか昔って、大人が大人でしたよね。今の時代の、大人っぽいの定義って、なんなんでしょうね? でも、ずっと苦手だと思っていたことをやってみたら楽しいと知ったのは、大人になったからかな。最近は、スタバでカスタムしたり、ひとりで車に乗って現場に到着したり、「カッコいいなあ、私」と思っています(笑)。

 

――素敵です。では20問目、またこれから時を積み重ねていくなかで、いつか訪れる20年後にはどうなっていたいでしょうか。

 

振り返ると、こんなにも20年で人の人生って変わるんだなと、変化の積み重ねを実感しますし、今は「翔子さん」と「しょこたん」と両方で呼ばれるようにもなりました。この先20年というと、松田聖子さんのすごさを思いますね。私が人類で一番憧れている松田聖子さんのディナーショーによく行かせていただくんですが、聖子さんはダイヤモンドのきらめきのように輝いていて、年齢という概念では語れない宝石のカラットの輝きを放っていらっしゃるんです。ミニスカート姿でスタイルもずっと変わらなくて、みんなが大好きな“聖子ちゃん”をいつもやってくれるので、本当にすごいお方。

聖子さんはお肌もとても綺麗で、スタイルがずっと変わらないんです。聖子さん、デビュー時の41キロから、今もずっと体重が変わらないらしいんですよね。さっきスタバの甘いドリンクを全部飲んだので、そんな私が言うのもなんなんですが(笑)、聖子さんを目指そうと思うと、やっぱりダイエットを頑張ろうと思います。最近は、毎日、体幹トレーニングのプランクを3、4セットやるようにしているんですよ。

 

――すごいです。でもまだ退院して復帰されたばかりなので、ご無理なさらないでくださいね。では最後になりますが、今後の抱負をお聞かせください。

 

最近、入院して、こんなに長く休んだのは初めてかもしれないんですが、またこうして復帰してお仕事することがうれしいから、「私はお仕事が大好きなんだな」と再確認できました。確か30歳になるときに、お仕事の種類を絞ろうか、という会議があったはずだったのに、むしろ増えていて(笑)。あとはテレビ、Twitter、YouTubeと、息をする場所がたくさんあることもうれしいです。

今年はTikTokをもっと頑張りたいと思っていますし、もし新しいメディアができたらそれもやってみたいと思っていて、自分でもこれからが楽しみですね。何か新しいものを否定するのはよくない気がしますし、尊敬する先輩方は、新しいことにもなんでも楽しんでいらっしゃるので、そういう大人になりたいですね。

 

【information】

中川翔子
『超!しょこたん☆べすと――(°∀°)――!!』

2023年2月22日発売

(通常盤)

SRCL-12366〜67(2CD)

3,980円(税込)

 

(収録曲)

【DISC1】

  1. Brilliant Dream
  2. ストロベリmelody
  3. 空色デイズ
  4. snow tears
  5. Shiny GATE
  6. 続く世界
  7. 綺麗ア・ラ・モード
  8. 涙の種、笑顔の花
  9. 心のアンテナ
  10. 「ありがとうの笑顔」
  11. RAY OF LIGHT
  12. フライングヒューマノイド
  13.  桜色
  14. つよがり
  15. ホロスコープ

【DISC2】

  1. 続 混沌
  2. さかさま世界
  3. Once Upon a Time -キボウノウタ-
  4.  PUNCH LINE!
  5. 無限∞ブランノワール
  6. ドリドリ
  7. blue moon
  8. 風といっしょに
  9. タイプ:ワイルド
  10. フレフレ
  11. 君のまんまが いいんだよ
  12. ヌマルアクマ(新曲)

※ Disc1〜2は全形態共通。

 

(初回生産限定盤 A)

SRCL-12357〜59(2CD+Blu-ray)

5,980円(税込)

 

(初回生産限定盤B)

SRCL-12360〜62(2CD+Blu-ray)

5,980円(税込)

 

(初回生産限定盤C)

SRCL-12363〜65(2CD+Blu-ray)

5,980円(税込)

 

(超!完全生産限定盤)

SRCL-12352〜56(3CD+Blu-ray+フォトブック+グッズ)

19,800円(税込)

 

【DISC3】

1.空色デイズ
2.pretty please chocolate on top
3.涙の種、笑顔の花
4.午前六時
5.綺麗ア・ラ・モード
6.Brilliant Dream
7.calling location
8.みつばちのささやき
9.ストロベリmelody
10.RAY OF LIGHT

※ Disc3は完全盤のみ収録。

(PROFILE)

中川翔子(なかがわしょうこ)

1985年生まれ、東京都出身。歌手・タレント・声優・女優・イ ラストレーターなど、ジャンルレスに活動し、多数のバラエティ番組にも出演中。音楽活動も精力的に行っており、人気アニメや映画の主題歌も担当。海外でのコンサートも数年にわたり行い、人気・知名度は世界にも広がっている。2023年に100周年を迎える東京・日比谷野外音楽堂の100周年記念事業実行委員に選任された。自身のYouTubeチャンネル「中川翔子の『ヲ』」は登録者数95万人を超え大盛況。

中川翔子 オフィシャルサイト

中川翔子 Twitter

中川翔子 YouTube

 

+1
Spread the love