曽我部恵一「お芝居は音楽でセッションをする感じなのかな。単純に楽しいんです」【ドラマ『それ忘れてくださいって言いましたけど。』】

4月23日より「Paravi」で独占配信中のオリジナルドラマ『それ忘れてくださいって言いましたけど。』(全8話)は、下北沢のカフェ「CITY COUNTRY CITY」に偶然集まった役者がしゃべって笑って歌ってノンストップの会話劇を繰り広げる、新感覚ドラマだ。舞台となるカフェのオーナー役で、ギターを片手に歌うソカベさん役を演じているのは、実際に同名の店のオーナーである、ミュージシャンの曽我部恵一。ドラマ主題歌と劇中歌も担当し、さらには自身のバンド「サニーデイ・サービス」や、映像作品への楽曲提供など、さまざまな活躍ぶりを見せる曽我部に、話を聞いた。

 

取材・文/かわむらあみり
撮影/斉藤順子
撮影協力/PINK MOON RECORDS

 

【information】

Paraviオリジナルドラマ『それ忘れてくださいっていいましたけど。』
Paraviで全話独占配信中
[出演者]市川実日子 曽我部恵一 夏帆 唯野未歩子 渡辺大知 湯川ひな 小松利昌北村有起哉 西島秀俊 吉田羊
[スタッフ]製作:Paravi 企画・制作:博報堂クリエイティブ・ヴォックス/博報堂DYメディアパートナーズ 制作:AOI Pro. 脚本:太田麻衣子 プロデューサー:佐々木めぐみ(博報堂DYメディアパートナーズ) 山田恭平(博報堂DYメディアパートナーズ 平岡紗耶(Paravi) 唯野友歩(AOI Pro.) 橋本寛人(AOI Pro.) 音楽:曽我部恵一 監督:太田良
(公式サイト)https://www.paravi.jp/static/sorewasu/
(配信サイト)https://www.paravi.jp/title/90877

☆ドラマ撮影の裏側やプライベートトークも満載「それわす おしゃべり会」(全4回)も配信中。「#1」は無料で視聴可能。「#4」は6月24日(金)ひる12時~配信。
(配信サイト)https://www.paravi.jp/title/94504

 


曽我部恵一
『プリンは泣かない』

(アルバム収録曲)
1.そしてきみと春を待つ
2.プリンのようなあかるい午後
3.たまねぎの味噌汁はおきらいですか
4.やっぱり猫はプリンが好き
5.プリンはなんにも知らないけれど
6.人生はひっかけもんだい
7.ねがいごと
8.きょうの旅(ピアノバージョン)
9.だいすき(弾き語りバージョン)
10.4月の午後に恋をしたくなる
11.そしてきみと春を待つ(吉田羊さんといっしょに)

Paraviオリジナルドラマ『それ忘れてくださいっていいましたけど。』主題歌「そしてきみと春を待つ」をはじめ、配信シングルとして公開してきた劇中歌に加え、新録バージョンや未発表曲、主題歌に吉田羊がコーラス参加したスペシャルバージョンなど全11曲を収録したアルバムを6月11日より配信中。今後アナログ盤のリリースも予定している。

ROSE 288(配信ストア)https://linkco.re/Fm4DnTc2

 

昔のブロス連載は「菅原文太さんにめちゃくちゃ申し訳ない(笑)」

――本日は「TV Bros.WEB」の取材です。以前、曽我部さんは雑誌「TV Bros.」で連載されていましたよね?

 

うん。「男はジャケじゃけん」というタイトルの連載をやらせてもらっていました(1997年4月19日号〜98年7月4日号)。変なレコードジャケットや、面白いジャケットを選んでコラムを書くという企画。

ちなみに「じゃけん」という言葉は広島弁ですが、映画『仁義なき戦い』シリーズで広島弁のイメージが強い菅原文太さんの名前があがって、「文太さんに題字を書いてもらおう!」と盛り上がってオファーしたら、本当に文太さんがコラムの題字を引き受けて書いてくださったことを思い出しました(笑)。

 

――とっても貴重なお話ですね!

 

いやあ、文太さんにめちゃくちゃ申し訳ないなと(笑)。僕がサニーデイ・サービスでデビューしてから数年後の時ですから、今から約25年前ぐらいのことですね。あと「お笑いジャケ道場」という連載もありました(1998年7月18日号〜12月8日号)。その頃は忌野清志郎さんも連載していましたよね、懐かしい。

TV Bros.1997年7月5日号より

――現在は雑誌から引き続き、WEBで連載されている方もいらっしゃいますが、曽我部さんももしご依頼したら「TV Bros.WEB」で書いてみたいなと思われますか?

 

もちろん。僕にできるテーマだったら、やりたいですね。

 

何も決まっていないような早い段階からのオファー

――ドラマでは曽我部さんはソカベさん、主人公のミカコさんは市川実日子さんなど、役名も実際のお名前が元になっている方も多く、実力派の役者の方が集結する斬新な設定ですよね。

 

そうなんですよ。役名もミカコさんの役者仲間のヨウコさんは吉田羊さんですし、夏帆ちゃんも名前の漢字からナツさん、渡辺大知くんはダイさんですし、最初からそんな台本があがってきていました。このドラマのお話をいただいたのは、昨年のけっこう早い段階です。何もまだ決まっていない状態でした。

『それ忘れてくださいって言いましたけど。』という、ドラマのタイトルだけがあるという段階。ドラマの企画・プロデュース・脚本を担当している太田麻衣子さんから「こういう感じのものを考えていて。毎回、歌が流れるものにしたいんですけど、やってください」と言われて、引き受けました。

©Paravi

麻衣子さんとは以前、コマーシャルのお仕事をいくつかご一緒させていただいたことがあって。僕が音楽を担当させていただいたCMに、西島秀俊さんや吉田羊さんなどが出演しています。今回のドラマに出演された役者のみなさんは、麻衣子さんと過去に仕事をしている方といった繋がりのある方で、あまり遠くないところにいる役者さんばかりなのかなと。

だからなのか、みなさんとご一緒すると、すごくほのぼのとしたファミリー感があって。撮影の時も、楽しくのんびりと、和気あいあいと過ごせた良い現場でした。毎話、歌が流れるドラマの中で、役者さんたちが日常を演じているイメージ。最初はそのまま実際の「CITY COUNTRY CITY」で撮影する予定だったんですが、お店と同じようなカフェのセットを組んで撮ることになりました。

 

――私も何度もお店に足を運ばせていただいたことがありますが、ドラマを観ていると、セットとは思えないそっくりの出来栄えですよね。

 

そうそう、僕も撮影に行くと、まるでお店にいるような気持ちにしかならない(笑)。本当にそっくりに作ってあってビックリしました。

©Paravi

――昨年お話があった後に、すぐ撮り終えたのですか?

 

話があってから撮影までは、少し期間が空きました。脚本が完全に出来上がる前のその期間に、僕は麻衣子さんから「これに曲をつけてみて」といくつか歌詞をもらったり、「プリンのようなあかるい午後」などの題名だけがきて、それに曲をつけたり。そうこうしているうちに、台本が出来て、キャスティングも決まってきて。2、3週間で全話の撮影を行いました。

 

――劇中で曽我部さんが「コーヒーはいかがですか〜♪」など、弾き語りながら言っていたセリフもありましたね。あれはアドリブなのですか、それとも台本にあって役としてやっていたのですか?

 

麻衣子さんの脚本があって、太田良監督がそのように進められて。だから全部台本通りにみなさんもやっているんですが、書かれていることがそもそもセリフっぽくないんだと思います。

 

――ワンちゃんも登場しますが、実際に曽我部さんが飼っている柴犬のこはるちゃんですよね。それもリクエストでドラマに出演することに?

 

そう、うちのペットがいつもお店にいて、店長の僕はたまに散歩に出ていくという設定。本当に、うちのこはるちゃんが出ています。

「風が気持ち良かった」というような歌のドラマ音楽を作った

――役者の方々は、プライベートでも親交のある方もいましたか。

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