“結婚適齢期”を迎えた主人公のアラサー女性が、交際している恋人と元恋人の間で揺れる姿を描くラブストーリー『花嫁未満エスケープ』が、テレビ東京で放送中。
本作で主人公・柏崎ゆうの二人の同僚・坂本美沙を演じる小林涼子と三田亜衣を演じる松村沙友理にインタビュー。赤裸々に自身の恋愛観を語り合うドラマ同様に、それぞれの恋愛観・結婚観を明かした。(インタビューの最後には直筆サイン入りポラの抽選プレゼント企画も実施中。詳しくは【プレゼント情報】欄をご覧ください。)
撮影/倉持アユミ
取材・文/編集部
【Profile】
小林涼子(こばやし・りょうこ)
●1989年11月8日 東京都出身『ニコラ』専属モデルとして活躍し、19歳で『魔王』(TBS)のヒロインに抜擢。近年の出演作に『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系)「ソロモンの偽証」(WOWOW)など多数。
【Profile】
松村沙友理(まつむら・さゆり)
●乃木坂46の中心メンバーとして活動し、2021年7月にグループを卒業。現在は女優、モデルと幅広く活躍。近年の出演作に『農家のミカタ』(テレビ東京系)、『愛しい嘘~優しい闇~』(テレビ朝日系)映画『ずっと独身でいるつもり?』など。
同棲中の恋人から
誕生日を忘れられていたら?
──お二人は主人公・ゆう( 演:岡崎紗絵)が働くセレクトショップの同僚で、今カレと元カレの間で揺れるゆうにそれぞれ違う角度からアドバイスをしますね。それぞれ演じる役柄について教えてください。
小林:私が演じる美沙ちゃんは結婚と離婚を経験していて、3人の中でも少しお姉さん。私たち3人が登場するシーンは、女子トークをしていることが多いんですけど、それぞれ違ったバックボーンを持つ女子が恋愛についてわちゃわちゃ話していたり時に鋭いことを言い合ったりしているのはすごくリアリティもあって、素敵なシーンになっているんじゃないかなと思ってます。
松村:私が演じる亜衣ちゃんは、まっすぐな考え方を持ったピュアな女の子ですね。思ったことを何でもズバズバ言っちゃうところが魅力だと思います。
──第一話で、同棲中の彼氏・尚紀(演:中川大輔)がゆうの28歳の誕生日を忘れていたことに愛想を尽かして、ゆうは家出しますよね。お二人は、尚紀の振る舞いについてはどう思われましたか?
小林:どう思う?
松村:え〜。私はもう…すごく嫌です!
小林:あはは(笑)。
松村:私が演じる亜衣ちゃんも「もうそんな彼氏、すぐフった方がいいですよ!」とか言うんですけど、私も本当にそう思う(笑)。だって誕生日忘れるって絶対なくないですか!? しかも本人にケーキを買わせて、それをぐしゃぐしゃにするなんて…もう最悪です!
小林:私もそう思うんですけど、よく考えると「こういうこと、過去に通ってきたような?」って思って。苦い気持ちを思い出す瞬間も少しあります(笑)。
松村:え〜〜!
小林:でもやっぱり今改めてこのドラマでその姿を客観的に見ると「幸せになりたい!本当にこれじゃだめだ!」っていう気持ちになって(笑)。「ゆうちゃん立ち上がるんだ! 今、幸せを掴むんだ!」みたいな気持ちでずっと応援して観ています。
松村:私はこんなこと絶対ありえないと思ってたんですけど、現実世界でもありえる話なんですね。
小林:うん。最初はそうでもなかったんだけど「こうしてあげた方がいいかな?」とかやっているうちに気づいたら「あれ、あたし(彼の)ママなのかな?」と思う瞬間があるのは、意外と身近な話なんじゃないかな?
松村:え〜…嫌ですね(笑)。
小林:今考えたら、私も嫌(笑)。
松村:みんな頑張ってるんですね。
──第2話のラストでは家出中にも関わらず、体調を崩した尚紀から「冷却シートってどこにあるの?」と電話がかかってきますね。甘えられたり頼りにされることに幸せを感じる女性もいるのかなと思うんですけど「自分がいないと何もできない恋人」を可愛いと思いますか?
松村:うーん。私はお互いに自立していたいと思っているタイプなんですよね。体調が悪い時に冷却シートを出してあげるぐらいは全然いいんですけど「あれどこ?これどこ?今日のご飯なに?」とか全部頼られるのはちょっとしんどいなと思う。
小林:確かに。私はむしろ「冷却シートどこ?助けて!」って聞きたい!
松村:あ〜、確かに!
小林:だから私はナシ! …割と辛辣かも(笑)。
松村:確かに。びっくりしました(笑)。
──家出中にゆうは地元で高校時代の元カレ・深見(演:浅香航大)に再会しますね。包容力があるパーフェクトな男性ですが、過剰に世話焼きなところもあるように思えるのですが、深見についてはどう思いますか?
小林:私たち「深見氏推し」だよね。
松村:そう! 私は「深見氏、めっちゃいいやん派」なんですよね。あの世話の焼き方も素敵だし、めっちゃ気を配ってくれるじゃないですか。ゆうちゃんに合わせるあの感じ、私は結構好き。あそこまで自分のことを想ってくれる人ってあんまりいないと思うし、特別感があっていいですよね。
小林:私もそう思う。それに深見くんだったら冷却シートも取ってきてくれそう(笑)! でも深見氏とずっと一緒にいたら自分がダメになる、という不安はちょっとあるかもしれない…。
松村:確かに。この人と一緒にいたら「魅力的でいられるのかな?」という心配はありそう。
小林:そうそう、深見氏が全部やってくれるから甘えきってしまって自立しなくなるかもしれないよね。
──お二人が第一話のゆうのように、同棲している恋人から誕生日を忘れられてしまったらどうしますか?
松村:私だったら忘れられないように1ヶ月前ぐらいから匂わせると思います。「もうちょっとで誕生日だな〜」みたいなことを聞こえるように言ったり(笑)。「忘れんとってや!」みたいな雰囲気を出しちゃう(笑)。
小林:可愛い(笑)! 絶対祝ってあげたい! 「推し」ってこういうことなんだな〜。
──小林さんはいかがですか?
小林:そうですね…でも私が自分の誕生日を忘れているかもしれない(笑)。「お!明日、私の誕生日だ〜」みたいな(笑)。それに対して「お!そうだね〜」って言ってくれればそれだけで別にいいかもしれない(笑)。でも、それで本当に忘れられると少し遠くを見て、しょんぼりすると思う。
松村:え〜、喧嘩にはならない?
小林:う〜ん。怒るというよりも引いちゃうんだよね。「そんな忘れられるほどの立場だったんだ…」みたいな気持ちになっちゃって、しょんぼりして怒れない。
──同棲しているパートナーにどういう風に誕生日をお祝いされたら、お二人は嬉しいですか?
松村:私、バレバレのサプライズをされたいです。
小林:いいねいいね(笑)。どんなサプライズ?
松村:例えばプレゼントとか花束を隠してるのを家に帰ってきた私が何気なく引き出しを開けてしまって見つけちゃうんですよ!「これ絶対サプライズやってるやん!」みたいな。でも私は「これ何?」とか言わないでいて、それを日付が変わったら出してきてほしい。
小林:「知ってるけど言わない」みたいな。
松村:そう。なんかそのバレバレ感がかわいいなと思って。サプライズをうまくやってもらえるのもいいんですけど、その一生懸命やってバレてる感じも可愛いなと思って。
小林:それ、すごくいいね。
松村:バレバレサプライズされたい。
小林:「バレバレサプライズ」。語感もいいですね(笑)。
──小林さんはいかがですか?
小林:私はそういう「喜んでほしい!」と強く思われると、どのぐらい喜んであげたらいいのか分かんなくなっちゃうから、ささやかなぐらいでいいかもしれないです。おいしいものがすごく好きなので、ちょっといいレストラン…と言っても事前に予約しなくてもいいぐらいのカジュアルなところに一緒に行くだけでもすごく嬉しい。家にいても好きなケーキ屋さんのケーキが買ってあってそれを食べる、そのぐらいささやかでいいかもしれないですね。程よく、二人の生活の延長線上にあるぐらいの祝われ方が気持ちいいかもしれないですね。
ドラマを通じて生じた結婚観の変化
──この今作を通してお二人の中で恋愛観・結婚観に変化はありましたか?
松村:私は元々、考え方が亜衣ちゃん寄りだったんですよ。結婚に強い憧れがある亜衣ちゃんが言ってるセリフが、私自身の考えみたいなところがあったんですけど、演じていると美沙さんのセリフがグサグサ刺さってました。結婚を経験されてる美沙さんから「結婚っていうのは夢を見ていられるばかりじゃないんだぞ」ということを、この作品を通じて美沙さんに言われている気がして。そういうことを亜衣ちゃんと一緒に私も学んでいった感じがあります。
小林:セリフ、すごかったもんね。結婚生活に憧れて結婚するんだけどその後、憧れのままというわけにはいかなかったなんて、結婚前に誰も考えないから現実世界ではあまりイメージされないじゃないですか。でも美沙の発言は、紆余曲折があって結婚生活を終えた人のセリフだからやっぱりこう深いというか痛いところもあって。「こんな人がいいよね」って話していた後に「私もそんな人と結婚したわ〜、離婚したけど」って言ったりするんです。そういう一つ一つのセリフが刺さった後に「結婚を必ずしなきゃいけないわけじゃない、その中でも結婚する意味」とか、逆に「しなきゃいけないわけじゃない中で、しないという選択を取る意味」ということを深いところまで考えるようになりました。
──これがあれば「結婚してもいい!」と思えるような「基準」のようなものは生まれましたか?
松村:私、やっぱり考え方がまだ亜衣ちゃん寄りなのかな? まだ結婚に憧れを持つタイプなので…。
小林:めっちゃ「好き好き」って言ってくれる、とにかくさゆさゆのことが好きな人は?
松村:うん! いいですね〜。
小林:じゃあやっぱり深見君がいいんじゃない?
松村:私、やっぱり深見氏のことめっちゃいいと思います。あれぐらい大切にしてくれる人で「この人にとって私は特別なんだな」って思えるのがずっと続いてほしいですよね。
小林:深見氏だったら「さゆさゆの幸せが僕の幸せなんだよ」って言ってそうだよね。
松村:そうなんですよ!
小林:それなのに、ゆうちゃんは悩むからね。
松村:私は悩まない!
小林:私も悩まない(笑)。
「仕事と自分、どっちが大事?」
と聞かれたら?
──第1話では今カレ・尚紀(中川大輔)がゆう(岡崎紗絵)の誕生日を忘れてしまったことがきっかけで家出をしてしまいますが、お二人が恋人にされて、あるいは言われたらエスケープするであろうことはありますか?
松村:私は恋愛面で言えば「誰でもいい感」を出されたら嫌ですね。例えば私が尽くすタイプの彼女で、洗濯物を洗ったり料理を作ってあげたりして尽くしていたのに気づいたら彼のお母さんも同じことをやってた、みたいなことがあったらエスケープしちゃうかも。私が「私にやってほしいんじゃないんだ…」と思ったら、きっと嫌だと思いますね。
小林:あ〜、それは嫌だね。「お母さんにやってもらったらいいじゃん!」ってなるよね。
松村:私、「特別感」を欲しがりなのかもしれないです…。
小林:いや、でもそれは誰でもそうだよ〜。
松村:仕事でもそうなんですけど、私がいる意味を求めがちかも。
小林:私は仕事が好きで、仕事をしている時間がすごく大切なんですけど「仕事と自分、どっちが大事?」って聞かれたら逃げたくなるかも(笑)。
──それは過去に聞かれたことがあったり?
小林:そうですね、確かに昔言われたことがあるかもしれない。でもそれを聞かれた時に思ったのは「間違いなく仕事だな」ということですね。それまで頑張ってきたことを全て投げるという選択肢はなかったですね。
松村:そうですよね〜。
小林:仕事に限らず自分が頑張っていることを応援してほしいという気持ちがあるので「応援されなくなったらエスケープ」かもしれない(笑)!
──「仕事と自分、どっちが大事なの?」は確かに答えようがない質問ですが、つい聞いてしまったり、聞かれてしまいますよね。恋人から聞かれた時はどう対処すればいいのでしょうか?
小林:それはね、やっぱり「聞かせない」というのがまず一番だと思うんですよ。
松村:なるほど…!
小林:仕事がどんなに忙しくてもトイレに行く時間ぐらいあるから、その時に「今、仕事だよ」とか「今終わったよ」みたいな些細なことでもいいので連絡をして積み重ねていけば「トイレに行く時間ぐらいあるよね?」という質問は避けられるとおもいます。
──なるほど…!
小林:もし聞かれてしまったら「そんなこと言うなよ〜、頑張っているんだから応援してくれよ〜」と私は言いたい(笑)。でも、さゆさゆが言っていたように日頃から「特別だよ」と言うことは大事かもしれませんね。「仕事が忙しいけど、あなたは特別だから返信するよ」と伝えるとか。
──最後に、改めて『花嫁未満エスケープ』を今後の見所を教えてください。
松村:私の周りの女性の方々は、この作品を観て共感してくれる人が多いんですよね。女子トークのネタになるドラマだと思ったんですよ。実際に尚紀みたいな人と付き合っている女性も世の中にいるだろうし、このドラマを見て笑い話にしてほしいですね。男性の皆さんはこのドラマを観て、今付き合っている恋人のことやこれからお付き合いする方を気にかけるきっかけになればいいですね。
小林:恋愛だけではなく「生き方」についても考えられる作品だと思います。「恋」って自分の人生にとってどんなもので、恋愛をしているから・誰かと一緒にいるから幸せな訳ではなくて「自分自身の幸せ」についても問いている作品なんじゃないかなと思って。この作品を通じて「自分の幸せって何なんだろう? 結婚することなのかな? 恋愛をすることなのか、それとも自分の夢を追うことなのかな?」と考えられると思うので、そういう部分も観てもらえたらいいかなと思います。
【番組情報】
木ドラ24『花嫁未満エスケープ』
テレビ東京系にて放送中
毎週木曜 深夜0:30~1:00
公式サイト
Paravi Amazon Prime Video
【プレゼント情報】
小林涼子さん&松村沙友理さんの直筆サイン入りフォトを抽選で1名様にプレゼント。ご希望の方は pipipi@tokyonews.co.jp 宛に、件名に「小林涼子&松村沙友理プレゼント」、本文に「住所」、「氏名」、「年齢」、「TV Bros.WEB 有料会員登録時のメールアドレス」を明記の上、ご応募ください。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。 ご応募締め切りは2022年7月2日17時まで。
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